「都市での移動」と「スマートな持ち運び」を同時に叶える。それが、NIIDが生み出したFINO Vだ。E-Bikeに最適化されたデザインでありながら、一般的なメッセンジャーバッグやショルダーバッグとしても機能するこのバッグは、都市生活者のニーズを徹底的に追求して開発された。無駄を省いたミニマルなルックスの裏には、徹底的に計算された収納力と機能性が隠れており、デジタルガジェットや日常の必需品をスマートに収納・携帯できる仕組みが満載だ。
Kickstarterでは、わずか2,000ドルの目標に対し、すでに95,000ドル以上の支援を獲得し、世界中のユーザーから注目を集めているプロジェクトとなっている。
FINO Vの特徴
FINO Vは単なる「バッグ」ではない。そのデザインと構造は、都市型E-Bikeライダーのリアルな体験とフィードバックをもとに設計されている。ここでは、その独自の魅力と技術的ディテールを紐解いていこう。
まず注目すべきは、独自のモジュラーデザインだ。FINO Vは、使う人のスタイルやニーズに応じて構成を変えられる「モジュール式」アプローチを採用している。内部コンパートメントは、PCやタブレット、スマートフォン、ペン、コード類などを効率的に収納できるように設計され、移動中でも中身が崩れないような安定した構造を持つ。また、マグネット式のフラップやスライドジッパーなど、スムーズな操作感とセキュリティ性も両立している。
バッグそのものは耐候性の高い素材を採用。防水性に優れた高密度ファブリックにより、突然の雨にも対応し、電子機器などの大切な荷物をしっかりと守る。また、リフレクティブ素材を部分的に使用しており、夜間の視認性を高めることで、安全面への配慮も抜かりない。
そして最大の革新が、E-Bikeへの完全対応設計である。バッグ背面には、バイクのフレームや荷台に簡単に装着できるマウントストラップが配置されており、固定時のブレやズレを防ぐ工夫が施されている。バイクから降りた後も、そのままショルダーストラップを伸ばして、スムーズに斜めがけバッグやクロスボディバッグとして持ち運べる。つまり、一つのバッグで“ライドモード”と“タウンモード”を自由に切り替えられるのだ。
内部には、USBケーブルのルーティングポケットも設けられており、モバイルバッテリーを繋げてバッグ内で充電しながらの移動も可能。しかもこの設計は、外観の美しさを一切損なうことなく実装されている。まさに、「機能美」の体現と言えるだろう。
加えて、NIIDらしいディテールのこだわりが光る。ストラップの位置や角度、ファスナーの開閉角、さらには摩耗しやすいポイントに補強素材を使うなど、使い込むほどに「考え抜かれている」と感じさせる設計が散りばめられている。
収納面でも、シンプルな見た目からは想像できないほどの柔軟性を備えている。メインコンパートメントに加えて、背面ポケットやサイドスリット、インナーメッシュなど、多層的に構成されたポケット群は、日々変化する都市生活の道具たちを、無理なく、そして美しく収めてくれる。
将来性
FINO Vの登場は、単に「新しいバッグが出た」というニュースには収まらない。これは、E-Bikeという新たな移動スタイルに最適化されたライフスタイルプロダクトの一例であり、今後の都市型モビリティにおける「持ち運びの未来」を提示する象徴的な存在だ。
世界的な都市集中や、カーボンニュートラル社会の推進により、E-Bikeや電動キックボードといったパーソナルモビリティの需要は年々高まりを見せている。そうした背景の中で、従来のバックパックやビジネスバッグでは対応しきれなかった「新しい移動」に特化したプロダクトのニーズは、確実に存在する。
NIIDはすでに、独自のモジュール型バッグシリーズで世界的にファンを獲得しており、その開発力とデザイン力は折り紙付き。今回のFINO Vも、そのDNAを受け継ぎつつ、より専門性と実用性を極めた製品であり、都市生活者やモビリティユーザーの間で支持を集めることは間違いない。
また、Kickstarterでの成功は製品の完成度を証明すると同時に、今後の量産体制やリテール展開への大きな足がかりとなるだろう。支援者たちの声やフィードバックを吸収しながら、今後さらに洗練されたバージョンの開発も期待される。
締めくくりに
FINO Vは、単なるバッグではない。それは、移動と携行の融合を極めた、「都市型ミニマリズム」の結晶だ。限られたスペース、忙しない時間、変化し続ける都市の中で、ユーザーに寄り添いながらも、静かにその存在感を主張する。それこそが、FINO Vの最大の魅力だろう。
Kickstarterでの支援は残りわずか。今、この進化を自分のものにするチャンスが、まさに目の前にある。