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ChatGPTのAIエージェントは今どうなった?Workに任せられること・任せられないこと
「AIに仕事を任せる」機能は、名前と形を変えて続いています。変わらないのは、決済やログインの最後の一手を人が握るという設計です。

ChatGPTに「調べて、まとめて、フォームまで入力しておいて」と頼める機能として話題になったのが、2025年7月に始まった「ChatGPT agent(エージェントモード)」でした。結論から言うと、この機能はすでに提供を終えています。OpenAIのヘルプセンターは「ChatGPT エージェントは提供を終了しました」と明記し、時間がかかる複数ステップのタスクや完成した成果物の作成には「ChatGPT Work」を、ブラウザの作業には「クラウドブラウザ」を使うよう案内しています。
いま「ChatGPTに仕事を任せる」とは、Workに任せることです。資料づくりや調べもの、定期的な確認作業は任せられます。一方で、支払い、ログイン、情報の送信といった最後の一手は、仕組みのうえでも人が確認する前提になっています。日本の読者が知っておきたいのは、その線引きです。
エージェントモードは何だったのか
OpenAIが2025年7月17日付で公開したシステムカードによると、ChatGPT agentは、deep researchの複数段階の調査と、Operatorのリモートのブラウザを画面越しに操作する力を一つにしたものでした。ネット接続を制限したターミナルでの計算や資料づくり、Google ドライブなど外部サービスとの連携(コネクタ)も使えました。
購入やメール送信のように「世の中の状態を変える」操作の前には確認を求め、メールや銀行のサイトにログインした状態では、利用者が画面を離れると作業を止める「ウォッチモード」をかけていました。
ページに仕込まれた指示でデータを抜かれる危険を避けるため、提供開始時はメモリ機能も切られていました。
提供終了の日付は、ヘルプセンターのページには書かれていません。OpenAIの開発者フォーラムには2026年8月8日、利用者が「エージェントモードが削除され、Workを使うよう言われた」と投稿し、事前の告知も移行の手引きもなかったと不満を述べています。
9月7日にはOpenAIのサポートがこの投稿に返信し、移行で作業が乱れたことを詫びたうえで、Workには対話的なサイトを操作でき、対応アカウントではサインインや引き継ぎのために一時停止できる別のクラウドブラウザがあると案内しました。
いまのWorkでできること
OpenAIの公式ドキュメント(learn.chatgpt.com)は、Workを「仕事をChatGPTに委ねる方法」と説明しています。素早い回答や短い下書きに向くChatと違い、複数の手順を経て確認できる成果物を返すのが役割です。
手元のファイルや連携サービス(プラグイン)、許可したツールを使って情報を集め、そのまま使える形のファイルに仕上げます。プラグインはGoogle ドライブ、Slack、Gmail、GitHubなどが例に挙がり、会話の中で呼び出して使います。繰り返す作業や定点観測にはスケジュール実行があり、進み具合を見ながら質問に答えたり、方向を変えたり、重要な操作を承認したりできます。
ウェブの操作は2つに分かれます。ひとつはクラウド上の別のコンピュータで動くクラウドブラウザで、パソコンを閉じても作業が続きます。手元のブラウザのタブや履歴、パスワード、ログイン状態は使いません。もうひとつはデスクトップアプリ(macOS/Windows)のComputer Useで、手元のアプリやブラウザを実際に操作します。
日本では、どのプランで使えるか
OpenAIの料金ドキュメントは、WorkをFree、Go、Plus、Pro、Business、Edu、Enterpriseの各プランに含むとしています。ただし日本語の料金ページでは、無料版とGoのWorkは「制限あり(デスクトップアプリ)」で、PlusとProはデスクトップ、ウェブ、モバイルで使える扱いです。
クラウドブラウザは、ブラウザのドキュメントに「FreeとGoを除く有料プランで、全地域で利用可能」とあります。地域の除外がないので、日本も含まれると読めます。Enterpriseでは管理者が有効にする必要があり、段階的な提供のため、対象プランでもすぐに表示されないことがあります。
細部には差があります。ウェブサイトへのサインインはPlusとProのウェブ版・モバイル版が対象で、EnterpriseとEduのワークスペースでは使えません。Computer Useは「対応地域で利用可能」とあるだけで、地域の一覧は示されていません。日本で使えるかどうかは、OpenAIの文書からは確認できない状態です。
止まって確認を求める場面
エージェントモードの時代から続く設計が、要所での確認です。クラウドブラウザは、情報の送信、予約や支払いの完了といった結果の大きい操作の前に必ず確認を求めます。初期設定では、新しいサイトにアクセスする前にも許可を求めます。サインインが必要になると作業を止め、パスワードや2段階認証のコードの入力を利用者に求めます。デスクトップアプリ内のブラウザでも、購入や権限の変更、データの削除の前に確認が入ります。
サイトの許可は「毎回確認」「自動承認」「常に許可」から選べますが、「常に許可」はOpenAI自身が推奨していません。ログインは専用のフォームで行い、入力したIDやパスワードはモデルに見えず、学習にも使われず、ChatGPTに保存もされないとされています。サインインを求める前には、別の審査用モデルがフィッシングや欺瞞の兆候を確かめます。Computer Useは、管理者としての認証や、セキュリティとプライバシーの許可ダイアログの承認を行いません。
任せないほうがいいこと
OpenAIの文書が繰り返すのは、ページの内容を信用できない情報として扱うことです。ウェブページには、AIを誤った操作に誘う指示が紛れ込むことがあります。サイトに操作の許可を出しても、そのサイトの中身が安全になるわけではありません。Computer Useの文書は、ログイン済みのページでの承認したクリックや送信が、サイトからはあなたのアカウントの操作として扱われうるので、自分でしたことのつもりで見直すよう求めています。
日本で使う場面に置き換えると、ネットバンキングの振込、証券口座の売買、マイナポータルなど行政の手続き、勤務先のシステムの設定変更は、任せきりにしないのが筋です。OpenAIもComputer Useについて、アカウント、セキュリティ、プライバシー、ネットワーク、支払い、認証情報に関わる設定ではその場にいるよう勧めています。自動操作を拒むサイトやCAPTCHAを求めるサイトでは作業が失敗しうることも、公式に書かれた制約です。
前述のフォーラムの投稿者は、画面を見ながら動的なページを操作し、認証の場面で人に操作を渡すエージェントモードの働きを、Workなどの現行機能は代わりにならないと書いています。これは一利用者の受け止めで、OpenAIが認めた仕様の比較ではありません。自分の作業がWorkで同じように回るかは、小さな作業で試してから任せるのが確実です。
任せ方の目安
向いているのは、公開情報を集めて表にまとめる、手元の資料から下書きをつくる、決まった情報を毎朝確認するといった、結果を人が見直せる作業です。頼むときは「送信する前に止めて」「下書きで返して」と終点を指定し、対象のサイトとアプリを絞ります。結果の大きい確認画面では、内容を読んでから承認する。この習慣は、機能の名前が変わっても変わりません。
Sources
- OpenAI「ChatGPT Agent System Card」(2025年7月17日)(新しいタブで開きます)
- OpenAI ヘルプセンター「ChatGPT エージェント」(「ChatGPT エージェントは提供を終了しました。時間がかかる複数ステップのタスクや、完成した成果物の作成には、ChatGPT Work をご利用ください」、2026年11月5日確認)(新しいタブで開きます)
- OpenAI「ChatGPT の料金」(新しいタブで開きます)
- OpenAI「Get started with Work」(新しいタブで開きます)
- OpenAI「Browser」(新しいタブで開きます)
- OpenAI「Computer use」(新しいタブで開きます)
- OpenAI「Pricing」(新しいタブで開きます)
- OpenAI Developer Community「Agent Mode was removed with no real replacement」(2026年8月〜9月)(新しいタブで開きます)
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