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iPhone Duoで何が変わる? 折りたたみiPhoneの実力と、発売後に見えた課題
閉じればパスポートほど、開けば7.6インチ。iPhone Duoが毎日の使い方の何を変え、何を手放させるのかを、Appleの公称値と発売前後に出たレビューで確かめました。

閉じればパスポートほど、開けば7.6インチ。10月23日に日本でも発売されたApple初の折りたたみiPhone「iPhone Duo」は、発売から5日で称賛と不安の両方を集めています。海外の主要レビューは画面の折り目が正面からはほとんど見えないと書き、その一方で折り目に沿って内側の画面が割れたという報告が相次ぎました。Appleは10月26日(米国時間)、「少数の端末」で問題が起きていることを認めています。
折りたたみのiPhoneは、毎日の使い方の何を変え、何を手放させるのか。Appleの公式情報と国内外のレビューを突き合わせました。Modern-Gは製品を検証していないため、「Appleの公称値」と「レビューで報告された結果」を分けて書きます。
閉じて読み、開いて並べる
外側の5.4インチ画面は、Appleによると「iPhone 18 Proのスクリーン領域の90パーセント」の広さです。開くと7.6インチの画面になり、iOS 27のSplit Viewで、iPhoneとして初めて2つのアプリを横に並べられます。
レビューで評価が高かったのも、この並べる使い方です。英Tech Advisorのブリタ・オボイル氏は、iPhone 18 Pro Maxの代わりに1週間以上使い、メールとカレンダー、メッセージと写真といった組み合わせでSplit Viewを「ずっと」使っていたと書いています(10月23日)。ASCII.jpで1週間試用した石川温氏も、アプリの組み合わせを「ペア」として保存すれば一度で元の2画面に戻れる点を評価しました(10月22日)。
一方で米Consumer Reportsは、外側の画面が「四角に近い形のせいで、小さすぎると感じることが多かった」と書いています(10月23日、編集部訳)。
Appleが公表する解像度と画素密度から計算すると、外側の画面は約77×112ミリの縦長、内側は約158×111ミリの横長です。開いても縦の長さはほとんど変わらず、横に倍ほど広がります。AV Watchの西田宗千佳氏が「iPhone Duoは画面が縦に狭い。このことはどうしようもない事実だ」と書いたのは、この形のことです(10月21日)。長いタイムラインを一度に見るより、2つのものを並べる用途に向いた画面です。
対応していないアプリには黒い帯
Appleは、自社アプリはすべて最適化済みで、Netflix、Zoom、Slackなども対応していると説明しています。それでも、レビューで最も多かった不満は未対応アプリの表示でした。石川氏は、最適化されていないアプリは「左右が大きく黒く塗りつぶされた状態になってしまう」と書いています。米Engadgetは8.8点を付けつつ、短所に「まだ最適化が必要なアプリが多い」を挙げました(10月21日)。
西田氏は、この欠点の解消には「しばらく時間がかかることだろう」と見ています。オボイル氏のテスト中にもInstagramなどが対応しており、改善は進んでいます。ただ、毎日開くアプリがいつ対応するかは、それぞれのアプリを作る会社次第です。
254グラムと、Face IDのない毎日
重さは254グラムで、iPhone 18 Pro(211グラム)より40グラム以上重くなります。石川氏は、開いた状態を片手で持つと「親指が画面の左端まで届かず、右手の小指で本体を下から支える格好になる」と書きました。Engadgetも短所の最初に「重い」を挙げています。
認証はFace IDではなく、サイドボタンのTouch IDです。Engadgetは精度を評価しつつ、解除には思ったより少し時間がかかるとしました。オボイル氏は、Face IDほどスムーズではないうえ、アクションボタンがないのも受け入れにくかったと述べています。
カメラは「Pro」ではない
背面は48MPのメインと48MPの超広角の2眼で、専用の望遠カメラはありません。2倍はメインカメラの画素を使う「光学品質2倍望遠」です。Consumer Reportsは、より安いiPhone 18 Proよりカメラが見劣りすると書き、オボイル氏も遠くを撮ると望遠がないことがはっきり分かると指摘しました。
画質そのものの評価は悪くありません。石川氏はメインカメラなら暗所も接写も「バッチリ」としつつ、構え方には1週間たっても慣れなかったと書いています。写真を重視するならiPhone 18 Proが合う、という結論はEngadgetとも共通です。逆にDuoならではなのは、外側の画面に撮影中のプレビューを映す「Duo Preview」で、撮られる人が自分の写り方を確かめられます。
バッテリーは弱点ではない
Appleの公称値は、2つの画面を均等に使う通常使用で最大24時間、動画再生(ストリーミングを除く)で内側の画面なら最大31時間です。左右に1つずつ搭載したバッテリーを、1つのようにまとめて動かします。
Engadgetの動画連続再生テストでは28時間48分でした(画面と明るさの条件は記事に記載なし)。テスト期間中も、1日の終わりに40%以上残っていることが多かったといいます。オボイル氏も、負荷の高い日で寝る時点に約25%、軽い日は約40%残ったと報告しています。
折り目は目立たない。では、割れは
内側の画面は映り込みを抑えるマットなNano-texture仕上げで、Appleはこれが折り目を目立たなくすると説明しています。Engadgetは正面から見れば折り目は「ほぼ消える」と書きました。オボイル氏は、その仕上げで暗い映像の迫力が少し落ちるとも指摘しています。
気がかりなのは割れです。テクノエッジは10月26日、米国、オーストラリア、中国などのユーザーからヒンジに沿った画面割れの報告が相次いでいると伝えました。Appleは米MacRumorsやCNBCに「少数のiPhone Duoで、内側のディスプレイに影響する問題が起きていることを把握している」と声明を出し(編集部訳)、交換のためにAppleCareへ連絡するよう案内しています。原因や台数は明らかにしていません。
AppleCare+は落下や水濡れによる損傷も補償します。IP68等級の耐水性能を備えていますが、Appleの注記によれば液体による損傷は保証の対象外です。Consumer Reportsは、ヒンジや画面に問題が出たときに返品できるか確かめておくよう勧めています。
日本で買う前に:価格とeSIM専用
価格はApple Storeで256GBが36万4,800円(税込)から、容量は2TBまであります。日本経済新聞によると、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの4社の256GBの価格は41万9,760円から43万6,370円でした。
日本で影響が大きいのは、物理的なSIMカードを使えないことです。iPhone Duoは世界共通でeSIM専用です。Appleはau、NTTドコモ、ソフトバンクを対応事業者に挙げていますが、SIMカードで契約している人は機種変更の際にeSIMへの切り替えが必要です。格安SIMの人は、契約先がeSIMに対応しているかを先に確認しておきましょう。同じ電話番号で2台のiPhoneを切り替えるiOS 27の「iPhoneのHandoff」も、提供開始時点では米国とドイツの一部事業者だけが対象です。
変わるのは、持ち歩く画面の数
iPhone Duoが変えるのは、電話というより持ち歩く画面の数です。石川氏は「スマホ、タブレット、パソコンの3台分の仕事」をこなすと考えれば、と不満を並べたうえで「やっぱり、欲しい」と結びました。オボイル氏も、大きな画面を日常的に使うなら最良の折りたたみの一つだとしています。
代わりに手放すのは、軽さ、望遠カメラ、Face ID、そして未対応アプリでの使い心地です。編集部は、2つのアプリを並べる場面が毎日あるかどうかを最初の判断基準と見ています。急ぐ理由がなければ、画面割れについてのAppleの追加説明と、Consumer Reportsが予定しているラボテストの結果を待ってからでも遅くはありません。発表時の全体像は9月の発表会まとめで振り返れます。
Sources
- Apple Newsroom(日本)「Apple、iPhone Duoを発表」(2026-09-09) (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
- Apple(日本)「iPhone Duo - 仕様」 (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
- Engadget「Apple iPhone Duo review: A first-class foldable」(2026-10-21) (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
- Tech Advisor「Apple iPhone Duo Review: Remarkable But Not Flawless」(2026-10-23) (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
- Consumer Reports「The Foldable iPhone Duo: Great or Gimmicky?」(2026-10-23、10-26更新) (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
- ASCII.jp「36万円超の折りたたみiPhone、買う価値はある? 1週間使って分かった「不満だらけでも欲しい」理由」(2026-10-22) (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
- AV Watch「【西田宗千佳のRandomTracking】iPhone Duo実機レビュー。高品質な折りたたみ型が抱える「時間の問題」」(2026-10-21) (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
- テクノエッジ「クラックゲート?iPhone Duo、発売当日からヒンジ部の画面割れ報告相次ぐ」(2026-10-26) (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
- すまほん!!「iPhone Duoの画面割れ、Appleが認める。「少数の端末で問題」、AppleCareで交換へ」(2026-10-27) (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
- 日本経済新聞「折りたたみ「iPhone Duo」、携帯キャリア4社41〜43万円台で販売」(2026-10-13、10-16更新) (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
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