「あのフレーズ、もう一度だけ見たい」。そう思ってiPadに手を伸ばし、再生位置を戻したつもりが少し行き過ぎる。速度を変えようとして小さなアイコンを探し、ようやく再生したころには、さっきまで指先に残っていた感覚が薄れている——。動画を見ながら楽器を練習したことがある人なら、この小さな中断に覚えがあるのではないでしょうか。
Benjaminは、そんな“画面を操作する時間”を練習から追い出すための、iPad向けフィジカルコントロールサーフェスです。大きなボタン、回転式スクロールホイール、ボリュームスライダーを使い、再生、停止、巻き戻し、速度調整、ループ設定までを手元で操作。YouTubeをはじめとする動画教材を、ただ眺めるコンテンツから、何度でも掘り下げられる練習ツールへ変えてくれます。
Benjaminの特徴
繰り返したい瞬間を、その場でループ
難しいフレーズを覚えるとき、本当に欲しいのは「もう一度最初から」ではなく、つまずいた数秒間だけを何度も反復できる環境です。Benjaminならループボタンを押して開始地点と終了地点を設定し、その区間だけを繰り返し再生できます。
さらに開始・終了位置は専用ボタンで動かせるうえ、スクロールホイールによる細かな調整にも対応。「あと一音前から」「先生が指を動かす瞬間から」といった微妙な位置合わせまで追い込めるので、シークバーと格闘する時間が練習時間へ変わります。

欲しい瞬間へ、迷わず正確に移動
Benjaminのスクロールホイールは、動画内を感覚的に前後できる高精度ナビゲーションの要です。移動幅は1秒、5秒、10秒だけでなく、チャプター単位、さらにはフレーム単位にも切り替え可能。設定によって任意の移動幅も選べます。
ほんの一瞬の運指、スティックの入り方、鍵盤へ指が触れるタイミングまで確認したい。そんな場面でも、指先でホイールを回すだけ。探している場所を見失いにくく、練習の集中が途切れません。

5%刻みで、無理なく速度を上げていける
速すぎる演奏をいきなり原速で追いかけても、指が混乱するだけです。Benjaminでは、再生速度を5%刻みで上げ下げできます。
まずは余裕を持って弾ける速度まで落とし、慣れたら少しだけ上げる。その小さな段差を積み重ねることで、「遅ければ弾けるのに、原速になると崩れる」という壁を越えやすくなります。原速へ戻したいときもボタン操作だけ。練習のテンポを、自分の成長速度に合わせられるのです。

昨日の練習を、今日すぐ続きから始められる
せっかく見つけた重要な動画やループ箇所も、翌日に探し直していては時間がもったいない。Benjaminでは、動画、ループ、ブックマークを名前を付けて保存し、プレイリストとして整理できます。
「イントロ」「苦手なソロ」「右手だけ確認」といった練習ポイントを残しておけば、次の練習は検索ではなく演奏から始められる。練習内容が散らばらず、一つの流れとして積み重なっていく感覚があります。

再生以外の操作まで、手元に集約
Benjaminが扱えるのは再生と停止だけではありません。曲頭への移動、前後のトラック選択、全画面表示、ミュート、字幕のオン・オフ、検索、プレイリスト呼び出し、音量調整など、練習中に頻繁に使う操作が本体へまとめられています。
つまり、演奏のたびにiPadへ手を伸ばす必要が減るということ。楽器から手を離す回数が少なくなるほど、集中は長く続きます。



“見なくても押せる”物理操作の強さ
タッチスクリーンは便利ですが、触っただけではどこを押しているのか分かりません。Benjaminは固定された位置に物理ボタンを配置し、スクロールホイールやスライダーも実際に指で触れて操作できます。ボタンには照明も備わり、慣れてくれば手元を何度も確認せず使うことも可能です。
演奏中の視線は、画面の小さなボタンではなく、楽器や講師の動きへ。操作を意識しなくてよくなること自体が、Benjamin最大の快適さと言えるでしょう。

練習素材を一か所にまとめるBenjaminアプリ
専用のBenjaminアプリはBluetoothで本体とつながり、YouTube検索・再生、プレイリスト、Apple Music、iPad内に保存した対応動画などを一つの環境で扱えます。
さらに、ボタンの明るさやライトリングの色、初期再生速度、スクロールホイールの移動幅も設定可能。教材ごとにアプリを行き来する煩わしさを抑え、自分の練習方法に合わせた環境を作れます。基本機能に継続課金が必要ない点も、長く使う道具としてうれしいところです。

iPadスタンドまで一体化した、練習の定位置
Benjaminは操作パネルであると同時に、iPadを支える練習スタンドでもあります。角度を自在に調整でき、卓上で使えるほか、VESA対応アームや三脚への取り付けにも対応。伸縮性のある固定コードがiPadを支えます。
充電ケーブルを通せるスロットも備えているため、長時間の練習でもiPadを充電しながら使用可能。机の上にBenjaminを置くだけで、「見る・操作する・練習する」が一つの場所にまとまります。

好きな先生の動画が、自分専用の教材になる
YouTubeには優れた演奏解説やレッスン動画が数多くあります。しかし、見ることと身につけることは別問題です。
Benjaminなら、先生の手元を一瞬だけ戻し、難しい箇所をループし、速度を落として確認し、理解できたら少しずつ原速へ戻せます。すでに気に入っている先生の動画を、そのまま自分のペースで反復できる教材へ変えられる。ここにBenjaminならではの価値があります。

使い方は、驚くほどシンプル
iPadをBenjaminにセットし、BenjaminアプリとBluetoothで接続。練習したい動画や音源を開けば、あとは本体のボタン、ホイール、スライダーで操作できます。
「機材を使うために操作を覚える」のではなく、練習したいと思った瞬間に演奏へ入れることを重視した設計です。電源を入れた後の複雑なセットアップに時間を取られにくく、道具そのものが練習の邪魔になりません。
ギター、鍵盤、ドラムなど、動画を見ながら反復する練習との相性はもちろん抜群です。一方でBenjaminの本質は「特定の楽器用コントローラー」ではありません。
動きを止める、少し戻す、速度を落とす、同じ区間を繰り返す。こうした操作が役立つ動画学習なら、音楽以外のスキル習得にも応用できます。細かな動作を動画から学ぶ人ほど、その恩恵を感じやすいでしょう。

iPad miniから13インチiPad Proまで対応
BenjaminはiPadOS 16以降を搭載するiPadを対象とし、iPad miniから13インチiPad Proまで幅広く対応します。ケースを装着した状態でも、iPadとケースを合わせた厚みが13mm以内なら使用できます。
お気に入りのiPadを練習専用端末へ買い替える必要はなく、普段使っている一台をそのまま練習環境へ組み込めるのが魅力です。なお、現時点ではiPhoneには対応していません。

約9日使えるバッテリーと、持ち運べる設計
本体サイズは約280×190×60mm、重量約950g。3200mAhの充電式バッテリーを搭載し、1日3時間の使用を基準に約9日間使える設計です。充電はUSB-Cで、満充電までの目安は約8時間。充電中でも使用できます。
さらに折りたたみ式スタンドは持ち運び用ハンドルとしても機能。Bluetooth接続なので、毎回ケーブルだらけの机を作る必要もありません。自宅だけでなく、レッスン先やスタジオへ自分の練習環境をそのまま連れていけます。

まとめ
上達を妨げているのは、必ずしも練習時間の不足とは限りません。数秒戻す。速度を変える。もう一度同じ場所を探す。そのたびに集中が切れているなら、Benjaminはその“名もないロス”を一つずつ消してくれます。
動画を止めるための機械ではありません。見つける、戻す、遅くする、繰り返す、保存する——練習に必要な操作を指先へ戻してくれる道具です。
お気に入りの先生の動画を開き、Benjaminに手を置く。その瞬間から、ただ動画を眺める時間ではなく、自分の技術と向き合う時間が始まります。










