「風が出る照明」と聞いて、あなたはどんな情景を思い浮かべるだろうか。サーキュライト EZシリーズ スイングモデルは、まさにその言葉を具現化した存在である。一般的なLEDシーリングライトに、空気を循環させるファン機能を統合。しかもそれが天井から降り注ぐ光の中に溶け込み、目に見えない風が空間を優しく撫でる。ドウシシャが手がけたこの一台は、従来の“照明”という概念に、新しい命を吹き込んだプロダクトである。
驚くべきはその導入の手軽さだ。ネジ留め不要、引掛けシーリングにポンと取り付けるだけ。照明を交換するのとほとんど変わらない感覚で、ファン付き照明を日常に迎え入れることができる。空気を攪拌し、明かりを届けるこの装置は、季節を問わず快適な室内環境をつくり出す“空気のポンプ”としての役割を果たすのだ。
CIRCULIGHT EZシリーズ スイングモデルの特徴
CIRCULIGHT EZシリーズの最上位機である「スイングモデル」は、Kamomefanの技術をベースにした高性能な羽根を搭載し、ライトとファンの理想的な融合を実現したプロダクトである。多機能かつ実用性の高いその特長を、以下に詳しく紹介する。
まず注目すべきは、そのスイング機能である。スイングとターンが自動で行われる構造で、風の到達範囲は圧倒的に広い。12度の狭角から18度の広角まで、シーンや空間に応じて調整可能。これは従来の天井ファンでは難しかった“風のコントロール”を、まるで手元で行うかのように実現してくれる。リモコンひとつで操作できるため、日々の使い勝手にも優れる。
搭載されている羽根には、高性能で定評あるKamomefanを採用。この羽根設計によって、従来モデルと比較して約1.7倍〜2倍にも達する強力な風量が実現されている。また、逆回転モードを使えば、風が直接体に当たらず、空気だけを穏やかに循環させることが可能だ。この「換気モード」は、湿気のこもりやすい梅雨時や、空気の停滞が気になる季節の変わり目に真価を発揮する。
さらに、簡単な取り付け構造も本製品の魅力のひとつだ。引掛けシーリングの種類を選ばず、ネジ留めすら不要という設計思想は、賃貸住宅や古い物件など、取り付けに制限のある環境でも安心して導入できる理由となっている。照明交換の感覚で設置可能なこの手軽さが、多くのユーザーから高く評価されている所以でもある。
照明としての性能も抜かりはない。最大4,200ルーメンという明るさは、6畳から8畳の空間をしっかりと照らし、JIS基準もクリアしている。中央にファンがあるため「光が遮られるのでは？」という不安もあるが、実際には全く問題がない。一般的なLEDシーリングライトと同様、部屋全体に均等な光を届ける設計がなされている。
調色は5段階、調光は7段階に対応。たとえば、朝の読書には白色光、夜のくつろぎ時間には暖色系など、シーンに合わせた照明のカスタマイズが可能。ふんわりと消灯する「おやすみタイマー」も搭載されており、30分・60分の2パターンから選べる仕様になっている。
また、ファンとライトは個別に操作可能で、常夜灯は2段階の明るさ調整付き。これは就寝時や夜間の照明利用において非常にありがたい仕様であり、ライフスタイルへの溶け込み度を一層高めてくれる。
ファンはDCモーター制御で、静音性と省エネ性能に優れている。最大消費電力はFAN19W、LED51W（8畳タイプ）とされており、エアコンと併用すれば冷暖房効率も向上し、結果として節電効果も期待できる。空気の流れを最適化することで、エアコンの設定温度を少し緩めるだけでも、快適さは維持されるのだ。
将来性と可能性
CIRCULIGHT EZシリーズ スイングモデルは、今後の住環境におけるスタンダードになり得るポテンシャルを秘めている。単なる照明器具や空調機器ではない。これは、照明と空調の境界をなくした、“空間演出装置”ともいえる存在だ。
たとえば、高齢化が進む中で「高所での複雑な設置作業」が困難になっているという声が増えているが、EZシリーズのような“簡単取り付け”モデルは、それに対する確かな解決策を提示している。また、エアコンの過剰使用による電力消費の増大が社会的な課題となる中で、こうしたサーキュレーター機能付き照明は、省エネと快適さの両立というテーマにも応えている。
今後は音声操作モデルやスマートホーム連携機能のさらなる強化も予想される。実際、音声操作付きモデルも別ラインとして既に登場しており、スマートスピーカーとの連携を前提とした住環境づくりも進んでいる。
また、店舗やオフィスといった法人利用の可能性も高い。照明と空気の循環を一体化させたこの製品は、空間の快適さを維持しながら機器の数を減らすという合理化にもつながるからだ。公共施設、医療施設、ホテルなど、多くの場所での導入が視野に入る。
総じて、CIRCULIGHT EZシリーズ スイングモデルは、単なる家電の枠を超えた「生活の質を高める空間装置」として存在感を放っている。
