「外出するたびに、気温との戦いが始まる。」そんな感覚を覆すプロダクトが、ソニーの「REON POCKET 5」だ。夏の灼熱も、冬の底冷えも、肌に直接“気温”を届けるこのデバイスさえあれば恐れる必要はない。ネックバンドに装着し、首元に直接冷温を届けるこの製品は、ただのガジェットではなく、季節に左右されない新しい“快適の装備”としての役割を担っている。
ソニーが誇るサーモテクノロジーの粋を結集して生まれたREON POCKET 5は、従来モデルと比べて吸熱性能が最大1.5倍、駆動時間は最大1.8倍へと進化。静音性やフィット感も飛躍的に向上し、日常のビジネスシーンからカジュアルな外出まで、あらゆる場面に自然と溶け込むよう設計されている。
冷風を送る扇風機でも、発熱シートでもない。REON POCKETは、体に“触れる”ことで快適をつくり出す、新世代の“ウェアラブル・クライメイト・テック”なのだ。
REON POCKET 5の特徴
REON POCKET 5の革新性は、その小さな筐体に詰め込まれた「冷温制御」と「人間工学の融合」にある。まず注目すべきは、冷却・温熱の両モードに対応し、首元をダイレクトに冷やしたり温めたりできるサーモモジュールの存在。これは冷風を感じる一般的なファンとは異なり、皮膚に直接作用するため、体感温度に即座に影響を与える。
冷却面に使用されているのは、高い熱伝導性を誇るステンレススティール(SUS316L)。これにより肌への接触感が向上し、熱交換の効率も大幅に高まった。しかも、冷却時においては最大COOLレベル5で約4時間、レベル4では約7.5時間もの連続使用が可能。これは従来機種と比べて約1.8倍の駆動時間であり、バッテリーの効率化とモジュール性能の向上が両立している証だ。
さらに目を見張るのが、動作音の静かさだ。新たに設計された放熱ファンには三相モーター流体軸受構造が導入され、従来モデルと比較して動作音を最大で約1/5に抑えることに成功。ビジネスシーンや会議中でも周囲を気にせず使える静音性は、使用者のストレスを確実に軽減してくれる。
REON POCKET 5はまた、スマート温度制御の面でも進化を遂げた。「SMART COOL⇔WARMモード」によって、温度センサー付きの「REON POCKET TAG」と連携することで、外気温や日差しを自動検知し、最適な冷却・温熱を提供してくれる。これにより、温度変化への対応時間が最大で1/3まで短縮され、快適さの立ち上がりが格段に速くなった。
さらに装着感へのこだわりも見逃せない。専用のネックバンドは、首回りの角度や太さに応じて自在に調整が可能で、動いてもズレにくい安定したホールド感を実現。バンド部分は三層構造で、ワイヤーフレーム、メカニカルチューブ、そしてシリコンラバーが柔らかく肌を包み込み、長時間使用でも疲れにくい設計になっている。
また、本体から排出される熱を効率的に逃がす「エアフローパーツ」は、ショートとロングの2種類が付属。カジュアルな服装にはショート、スーツやジャケットにはロングと、シーンに応じて切り替えられる細やかな配慮も秀逸だ。
USB Type-Cによる充電に対応しており、満充電までの所要時間は約170分。スマホと同様の感覚で使える点も、現代的な利便性を物語っている。
将来性
REON POCKET 5が目指す未来は、「ウェアラブル=快適環境」の常識化だ。すでに個人向けデバイスとして一定の認知を得ている本製品だが、今後は法人向けの「REON BIZ」などを通じて、建設現場や屋外作業者など過酷な環境で働く人々への展開も進められている。
今のところ、REON POCKETは熱中症対策の代替とはなり得ないことが明記されている。しかし、その性能と進化のペースを鑑みれば、気温との闘いに苦しむあらゆるシチュエーションで、一定の役割を果たすポテンシャルを秘めていることは間違いない。
また、Bluetooth接続によってスマホと連携し、アプリから温度モードの切り替えやスケジューリングが行える点も、今後の拡張性を示している。ソフトウェアアップデートによる機能の追加や、センサーの強化など、ユーザー体験を高めるアップグレードが今後も期待されるだろう。
季節を問わず、常に“自分にとっての快適”をまとっていられるというのは、これまでの服飾テクノロジーが成し得なかった次元への挑戦でもある。REON POCKETは、単なるモバイルデバイスを超えて、「気候適応型ウェアラブル」という新たなジャンルを切り開こうとしている。