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Raspberry Piの値上げはなぜ続く?メモリ高騰の理由と、日本でいま選ぶモデル
上がったのはメモリの多いモデルから。古い世代と1GB版が据え置かれた理由に、日本でいま選ぶモデルのヒントがあります。

2026年11月2日、Raspberry Pi 5の16GBモデルは80ドル上がって385ドルになりました。1年前は120ドルだった製品です。Pi 4・Pi 5本体の値上げは2025年12月以降で5回目で、会社が挙げる理由は毎回メモリのコストでした。
答えを先に書くと、値上げはメモリの多いモデルほど大きく、1GBモデルや古い世代は据え置かれています。会社は「一時的」と説明していますが、値下げの時期は示していません。日本で趣味や授業に使うなら、値下がりを待つより、必要なメモリ容量を見極めて小さめのモデルを選ぶのが現実的な対策です。
1年で5回、上がったのはメモリの多いモデルから
公式ニュースによると、改定は2025年12月1日、2026年2月2日、4月1日、10月1日、11月2日の5回です(2025年10月にはCompute Moduleなどが先に上がっています)。12月には45ドルの1GB版Pi 5が、4月には83.75ドルの3GB版Pi 4が、値上げと同時に投入されました。どちらも、必要以上のメモリにお金を払わずに済む選択肢です。2GB版は4月こそ据え置かれましたが、10月1日に12.5ドル上がり、Pi 4が67.5ドル、Pi 5が77.5ドルになりました。
1年前と比べると、Pi 5の2GBは約1.6倍、8GBは約2.2倍、16GBは約3.2倍です。
理由はLPDDR4メモリの調達コスト
Pi 4とPi 5は、スマートフォンなどにも使われるLPDDR4というDRAMを載せています。Raspberry Piは2025年12月の発表でこの費用の上昇を「前例がない」とし、2026年2月には一部の部品の費用が直近の四半期で2倍を超えたと説明しました。4月の発表では、LPDDR4の費用は1年で7倍になったとしています。
背景として会社は12月の発表で、AIインフラの整備との競合を挙げています。11月2日には、16GBのDRAMに代わりの調達先がなく、ほかの部品不足も重なっていることを理由に、16GBモデルだけを再び上げました。
Pi Zero、Pi 3などの旧世代が据え置かれたのは、LPDDR2という古い規格のメモリを使い、その在庫を数年分持っているためだと会社は説明しています。
見通しは「発表」と「予測」を分けて読む
Raspberry Piは毎回、状況は一時的で、メモリの費用が下がれば値上げを元に戻すと書いています。ただし時期や条件は示していません。
市場調査会社TrendForceは9月30日、2026年10〜12月期の汎用DRAMの契約価格が前期比10〜15%上がるとの予測を出しました。上昇のペースは緩むとしつつ、2027年は生産能力がサーバー向けに移り、PC向けDRAMの供給が減る可能性があるとしています。あくまで調査会社の予測です。
メモリメーカー側の決算も同じ方向を指しています。米Micronの2026年度第4四半期(9月3日まで)の売上高は542.3億ドルで、前年同期の約4.8倍でした。
公式の発表と予測を並べる限り、年内の値下げを見込む根拠は読み取れません。使う時期が決まっているなら、値下がりを待って先延ばしにする理由は乏しいと考えます。
日本の正規販売店の価格(2026年11月4日時点・税込・各店の表示)
日本では、Raspberry Piの公式サイトが正規販売店(Approved Reseller)としてスイッチサイエンスと秋月電子通商を挙げています。次の表は、両社の通販サイトに表示されていた価格です。Raspberry Piが定めた日本円の公式価格ではありません。
| モデル | スイッチサイエンス | 秋月電子通商 |
|---|---|---|
| Pi 5 1GB | 9,900円 | 10,380円 |
| Pi 5 2GB | 17,050円 | 15,180円 |
| Pi 5 4GB | 22,990円 | 22,330円 |
| Pi 5 8GB | 36,300円 | 35,200円 |
| Pi 5 16GB | 78,980円 | 60,390円※ |
| Pi 4 3GB | 17,820円 | — |
| Pi 400 日本語キーボード(単体) | 14,520円 | — |
2026年11月4日時点・税込・各店の表示。売り切れ・入荷未定の品目を含む。—は確認時に掲載を見つけられなかったもの。※11月2日の改定が反映済みかは確認できていません。
改定が店頭価格に反映される時期は店によって違う可能性があり、小容量モデルは両店とも売り切れや入荷未定が目立ち、在庫は流動的です。
Raspberry Piは、正規販売店は公表された上限価格を守っているとして、正規でない販売者の高値や中身の怪しい製品に注意を促しています。フリマやマーケットプレイスでは販売元を確かめてください。
趣味と授業で、どのモデルを選ぶか
会社自身も、メモリを余分に買わず、小容量モデルや旧世代を検討するよう勧めています。センサーやモーターを動かす電子工作、決まった処理を続ける小さなサーバーなら、Pi 5の1GBが候補です。CPUやWi-Fi、PCIeは上位モデルと同じで、上の表では1万円前後です。秋月電子通商のPi 3 Model B+(9,180円)との差は小さく、手持ちの作例や周辺機器を生かす場合を除けば、Pi 5の1GBを先に検討する価値があります。
授業や家庭学習でデスクトップとして使うなら、Pi 400に注目する価値があります。キーボード一体型で4GBのメモリを積み、4月の発表で60ドルに据え置かれました。スイッチサイエンスの日本語キーボード版は14,520円で、4GBのPi 4単体の20,900円より安く、生産は少なくとも2028年1月まで続くと公式に示されています。
8GBや16GBは、大きなメモリを使う用途がはっきりしている場合に絞るのが無難です。普段使いのPCの代わりなら、いまの価格ではミニPCと比べてから決めたほうがいいでしょう。
まとめ
値上げはLPDDR4の費用高騰を映したもので、メモリが多いモデルほど影響が大きく、値下げの時期は示されていません。GPIO中心の工作ならPi 5の1GB、授業用のデスクトップならPi 400、重い処理が前提のときだけ8GB以上。正規販売店で使う分だけのメモリを買うのが、無駄の少ない買い方です。
Sources
- Raspberry Pi「$5–$10 price increases for some 4GB and 8GB products」(2025年10月1日)(新しいタブで開きます)
- Raspberry Pi「1GB Raspberry Pi 5 now available at $45, and memory-driven price rises」(2025年12月1日)(新しいタブで開きます)
- Raspberry Pi「More memory-driven price rises」(2026年2月2日)(新しいタブで開きます)
- Raspberry Pi「A new 3GB Raspberry Pi 4 for $83.75, and more memory-driven price increases」(2026年4月1日)(新しいタブで開きます)
- Raspberry Pi「Price increases for 2GB Raspberry Pi 4 and Raspberry Pi 5」(2026年10月1日)(新しいタブで開きます)
- Raspberry Pi「Price rises for some 16GB Raspberry Pi products」(2026年11月2日)(新しいタブで開きます)
- Raspberry Pi「Raspberry Pi 400」製品ページ(新しいタブで開きます)
- Raspberry Pi「Approved Resellers」(新しいタブで開きます)
- TrendForce「AI Server Demand Sustains Memory Contract Price Increases in 4Q26, While Consumer-Side Pressure Persists」(2026年9月30日)(新しいタブで開きます)
- Micron Technology「Fiscal Q4 and Full Year 2026 results」プレスリリース(2026年9月30日、米SEC提出資料)(新しいタブで開きます)
- スイッチサイエンス「Raspberry Pi 純正品(本体)」(新しいタブで開きます)
- 秋月電子通商「Raspberry Pi」(新しいタブで開きます)
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