新型iPhoneが発売されるたび、発売直後の数週間はハードウェアやソフトウェアに関するさまざまな不具合が報告される。昨年のiPhone 17 Proシリーズでは、充電しながら端末を操作すると電流音のようなノイズが聞こえるという声が一部ユーザーから上がった。今年登場したiPhone 18 Proシリーズでも、発売後まもなく複数の問題が報告されている。そのひとつが、Face IDによるロック解除後に端末が再起動する不具合だ。Appleはこれをソフトウェア上の問題と判断し、先日配信した「iOS 27.0.1」で修正している。

しかし現在、新たな問題として注目されているのが、iPhone 18 ProおよびiPhone 18 Pro Maxの受話口側スピーカーから発生する異音だ。一部ユーザーから、「crackling(パチパチとした破裂音)」「faint tick or pop(小さなクリック音やポップ音)」「random clicking(不規則なカチカチ音)」など、さまざまな表現で報告されている。

特徴的なのは、この症状が音楽や動画を再生しているときだけに発生するわけではない点だ。アプリの操作中やWebページのスクロール時、通知を受信した瞬間、キーボードを表示したときなど、日常的な操作のさまざまな場面で異音が聞こえるという。さらに、画面の明るさを素早く変更した際や、機内モードをオン・オフした際にも音が発生したという報告がある。つまり、今回の異音はオーディオ再生そのものに限定された現象ではなく、システム上の何らかの処理をきっかけに発生している可能性がある。

Appleが配信したiOS 27.0.1のリリースノートには、スピーカーに関する修正は記載されていない。実際、すでにiOS 27.0.1へアップデートしたユーザーからも、異音が引き続き発生しているとの声が出ている。ただし、現時点の情報を見る限り、iPhone 18 Proシリーズ固有のハードウェア不具合というより、iOS 27側のソフトウェア問題である可能性が高そうだ。

その理由のひとつが、iPhone 18 Proシリーズ以外でも同様の症状が確認されていることだ。iPhone 16 Pro MaxやiPhone 17、iPhone Airでも、iOS 27へのアップデート後に似た異音が発生したとの報告がある。スピーカーからごく小さな静電気のようなパチパチ音や電子的なノイズが聞こえるようになったという。また、Appleサポートへ問い合わせたユーザーの中には、オーディオ関連の問題について「近く修正される」と案内されたとの声もある。

こうした状況を踏まえると、今回のスピーカー異音は端末そのものの故障というより、iOS 27のシステムレベルで発生している不具合である可能性が高い。今後、AppleがiOS 27.0.2などの小規模アップデートで修正する可能性も考えられる。AppleはすでにiOS 27.2 Betaのテストを進めているが、正式版の公開は10月下旬になるとみられているため、それより前に追加のマイナーアップデートが配信されるかが注目される。

一方、iPhone 18 Pro Maxでは、スピーカー異音とは別に、より深刻な通信トラブルも報告されている。9月下旬の発売以降、米国の大手通信事業者AT&Tを利用する一部ユーザーから、突然モバイル通信が完全に利用できなくなったとの投稿がAppleサポートコミュニティやRedditに相次いだ。症状が発生すると、電話をかけることができず、SMSも送信できないうえ、モバイルデータ通信も利用できなくなり、端末が事実上、携帯電話として機能しなくなるという。

なお、AT&Tは米国の通信事業者であり、現時点でこの通信障害は米国のAT&T回線を利用するiPhone 18 Pro Maxを中心に報告されている。そのため、少なくとも現在確認されている範囲では、日本国内の通信事業者を利用するユーザーに直接関係する問題ではないとみられる。

さらに厄介なのは、再起動や初期化、復元といった一般的な対処では改善しない点だ。Appleは10月2日夜、この問題の存在を正式に認め、ごく一部のiPhone 18 Pro Maxにおいて、AT&Tネットワーク上で圏外となり、通話できなくなる問題が確認されていると説明した。

Appleは対策としてiOS 27.0.1とAT&T向けのキャリア設定アップデートを公開し、iPhone 18 Pro Maxユーザーに対して速やかなアップデートを推奨している。ただし、これらのアップデートはあくまで問題の発生を「予防」するためのもので、すでに通信障害が発生した端末についてはソフトウェア更新では修復できず、本体交換が必要になるという。

対象ユーザーには、Appleサポートへの連絡、Apple Store、またはAT&T店舗での対応が案内されている。現在のユーザー報告を見る限り、該当端末については無償交換が行われているようだが、Appleは現時点で専用の修理プログラムなどは発表していない。AT&T側もAppleと協力して対応を進めていると説明し、ユーザーに最新ソフトウェアへの更新を呼びかけている。

現在確認されている通信障害は、iPhone 18 Pro Maxと米国AT&T回線という特定の組み合わせに集中している。ほかのiPhone 18シリーズやAT&T以外の通信事業者では、同様の問題は報告されていない。そのため、日本で販売されているiPhone 18 Pro Maxについては、現時点で同じ症状を過度に心配する必要はなさそうだ。もっとも、原因そのものはまだ完全には明らかになっていないため、今後対象範囲が広がるかどうかは引き続き確認する必要がある。

ここで注目されているのが、iPhone 18 Pro Maxに搭載されているモデムの違いだ。米国向けモデルにはQualcommのSnapdragon X80モデム、それ以外の地域向けモデルにはApple独自設計のC2モデムが採用されているとされる。

Appleは今回の通信障害とモデムチップとの関連性について明らかにしていないものの、問題が米国のAT&Tユーザーに集中していることから、モデムや特定の周波数帯との組み合わせを疑う声が出ている。Redditでは、Snapdragon X80がAT&T固有の周波数帯へ接続する際に過剰な出力が発生し、アンテナ関連のハードウェアを損傷したのではないか、という推測も広がっている。

もちろん、これはあくまでユーザーコミュニティ上の推測であり、AppleやQualcomm、AT&Tが公式に認めた原因ではない。ただし、もし端末内部のハードウェアに物理的な損傷が生じているのであれば、アップデートではすでに故障した端末を修復できず、交換が必要になるというAppleの対応とも整合する。

今回iPhone 18 Proシリーズで報告されている2つの問題は、一見するとどちらも発売直後の不具合だが、その性質は大きく異なる。スピーカーから発生するパチパチ音やクリック音については、旧世代のiPhoneでもiOS 27へのアップデート後に同様の症状が報告されていることから、ソフトウェアに起因する可能性が高く、今後のiOSアップデートによる改善が期待される。

一方、AT&T回線で発生しているiPhone 18 Pro Maxの通信障害は、一度症状が発生すると本体交換が必要になる、より深刻な問題だ。ただし、この問題は現時点では米国AT&T回線での報告が中心であり、日本のiPhoneユーザーにとっては、スピーカー異音のほうがより身近な問題といえそうだ。

発売直後のトラブル自体は決して珍しいものではない。しかし、ソフトウェア更新で解決できる問題なのか、それとも端末交換が必要なハードウェアレベルの問題なのかによって、ユーザーへの影響は大きく変わる。今後Appleがスピーカー異音について正式な説明を行うのか、そして次期iOSアップデートで修正されるのか、引き続き動向が注目される。