数日前、Appleの内部コードから新型HomePod miniやApple TVなど、未発表製品の情報が見つかったという話を紹介しました。その時点では具体的な発表時期までは分かっていませんでしたが、どうやら日程は10月13日でほぼ固まったようです。約2週間後です。

BloombergのMark Gurman氏による最新報道では、Appleは10月13日に3つのスマートホーム関連製品をまとめて発表する予定とのこと。新しいスマートホームHub(コードネーム:J490)、約6年ぶりの更新となるHomePod mini、そして新型Apple TVです。

Appleがスマートホームを次の大きな製品カテゴリーとして狙っていること自体は、以前から何度も報じられてきました。ただ、これまでの成果は正直そこまで目立つものではありません。初代HomePodは販売で苦戦し、HomePod miniも手頃な価格ではあったものの、爆発的に普及したとは言いにくい状況でした。

そこで今回は、単に「新しいスマートスピーカー」を出すのではなく、ディスプレイ、AI、カメラをまとめた家庭用の中枢デバイスへと方向転換するようです。

スマートホームHub

今回の主役になりそうなのが、このスマートホームHubです。Gurman氏によると、約6インチの正方形ディスプレイを搭載し、厚みはiPhoneと同程度。画面の周囲には約6mmの黒いベゼルがあり、全体は角を落とした丸みのあるデザインになっています。

卓上モデル(コードネーム:J490)は、かなり特徴的な見た目になるようです。ディスプレイは磨き上げられた金属製アームで円形のベースにつながり、ベース部分にはスピーカー用のパンチホールを配置。底面には滑り止め用のラバーも付いています。

この形、どこかで見覚えがあります。そう、2002年にスティーブ・ジョブズ氏が発表したiMac G4です。丸い土台からアームが伸び、その先にディスプレイが浮かぶような構造はかなり似ています。Appleなりのセルフオマージュと考えると、なかなか面白いデザインです。

筐体はAppleらしいグレー系のアルミニウム素材で、USB-Cから給電します。バッテリーは搭載せず、基本的には常時電源につないで使うタイプ。音量ボタンや電源ボタンもなく、正面にはFaceTime用のカメラが搭載されます。

Appleはこのほかに、壁掛けモデル(コードネーム:J491)も用意しているとのこと。こちらは画面の下に薄い正方形のベースがあり、内部にスピーカーとマイクを搭載。壁に沿わせるように設置でき、こちらもUSB-Cで給電します。

このHubで面白いのが、複数ユーザーを自動で見分ける機能です。声や顔から誰が使っているのかを判断し、その人に合わせた画面へ自動で切り替えます。たとえば家族それぞれでカレンダーやメッセージ、写真などの表示内容を変える、といった使い方が想定されています。

ただし、顔認識の精度はiPhoneのFace IDほど高くないとのこと。必要であればiPhoneで追加認証する設定も用意されます。暗い場所では、画面の周囲に白いリング状のライトを表示して、カメラの認識を助ける仕組みもあるようです。

OSの見た目は、Apple Watch、Apple TV、iPadを混ぜたようなUIになります。ホーム画面にはApple Watchのような丸いアイコンが並び、アプリ内はiPad寄りのデザイン。たとえば「メッセージ」では左右2カラムのレイアウトが使われ、iPhoneのようなウィジェットにも対応します。

コンセプトデザイン
コンセプトデザイン

待機中は、写真のスライドショーや時計を表示。時計デザインのひとつには、溶岩ランプのような背景の上に時刻を重ねるものもあるとのことです。時計や写真の画面から上にスワイプすると、そのままアプリ一覧を開けます。

プリインストールされるアプリは、カレンダー、メッセージ、写真、FaceTime、メモ、リマインダー、ミュージック、ポッドキャストなど。長押しで壁紙を変えたり、アプリやウィジェットの位置を並べ替えたりできるなど、基本操作はiPhoneにかなり近そうです。

コンセプトデザイン
コンセプトデザイン

Appleは、このHubを家庭内に複数置く使い方を想定しています。エアコンやスマートロックなどの家電を操作するだけでなく、FaceTimeで通話したり、部屋同士のインターホン代わりに使ったり、音楽を流したり、iCloudの写真を表示したりと、かなり幅広く使える端末になるようです。

特に重視されているのがキッチン。料理中に声だけでレシピを調べたり、動画を見たり、FaceTimeをつないだりと、手がふさがっている状況でも使えることを前提に設計されています。

新型HomePod miniとApple TV

新しいHomePod miniは、外観こそ現行モデルから大きく変わらないものの、中身はしっかり更新されます。より高速なプロセッサーを搭載し、新しいSiri AIに対応。カラーにはグリーンとピンクが追加されるとのことです。大型のHomePodについても、その後アップデートが予定されています。

新型Apple TVも方向性はほぼ同じで、デザインは現行モデルを引き継ぎつつ、プロセッサーを刷新。こちらも新しいSiri AIへの対応が主な変更点になります。

まだまだ新製品はある

10月13日に登場するとされる3製品以外にも、Appleはスマートホーム関連のハードウェアをいくつか開発しています。

そのひとつが、プライバシー重視のセキュリティカメラ(コードネーム:J450)。人がどの部屋にいるのかは検知しますが、映像自体は録画しない仕組みだそうです。発売時期はまだ分かっていません。

さらに、9インチの大型ディスプレイと機械式アームを組み合わせた上位版Hubも開発中。画面を360度回転させたり、ユーザーの方向へ動かしたりできる構造になるとされています。

実はこれらの製品、本来はもっと早く出る予定でした。ところが新しいSiriの開発が何度も遅れ、その影響で対応ハードウェアも後ろ倒しになっていたようです。Siri AIの展開がようやく本格化したことで、スマートホーム製品もようやく表に出せる段階まで来た、ということなのでしょう。

日本ではどうなる?

気になるのは、やはり日本でどこまで同じ体験ができるのかです。

今回の製品は、どれもSiri AIをかなり深く組み込む前提で作られています。つまり、ハードウェアだけ発売されても、AI側の機能が揃っていなければ本来の魅力を十分に引き出せません。

Apple TVはそもそも販売地域に違いがありますが、仮に新型HomePod miniやスマートホームHubが日本でも同時に発売されたとしても、Apple Intelligenceや新しいSiriの対応状況次第では、海外版とはできることに差が出る可能性があります。

特にスマートホームHubは、音声認識、ユーザー識別、家電操作など、AIありきの機能がかなり多い製品です。となると、今回はハードのスペック以上に、各地域でSiri AIがどこまで使えるのかが重要になってきます。

とはいえ、Appleも各地域でApple Intelligenceの展開を進めています。このあたりの差がいつまで続くのかは、今後の対応次第でしょう。

まずは10月13日。

本当にこの3製品がそろって出てくるのか、あと2週間ほどで答えが出そうです。