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Featureシリーズ: Life Upgrade

AIボイスレコーダーは必要?スマホの録音・文字起こしとの違い

日本語の文字起こしは、もう手元のスマホに入っています。専用機に払うのは「AI」ではなく、スマホを手放せる別のマイクと、長い会議をまとめる仕組みです。

Modern-G 編集部約9分で読めます

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角の丸い横長の画面の中で、音の波が3本の文字の行へと変わり、そこから点線が伸びて、少し離れた小さな縦長のクリップ型の輪郭につながる抽象的な線画。クリップの中ほどに黄色い点がある
イラスト:Modern-G

会議室の机に、画面を伏せたスマホを置いて録音ボタンを押す。それで十分なのか、2万〜3万円台の専用機を胸元や机に置くべきなのか。AIボイスレコーダーを調べはじめた人の多くが、最初にここで迷います。知恵袋や価格.comをのぞくと、「まずスマホで試して、不便なら専用機を」という答えが繰り返し返ってくる質問です。

結論から言えば、月に数時間、1時間ほどまでの打ち合わせや授業を録り、あとで文字を検索できれば足りる人は、手元のスマホで十分です。iPhone 12以降のボイスメモも、Pixelのレコーダーも、日本語を文字にできます。

専用機に払う意味があるのは、録音中もスマホを自由に使いたい人、1時間を超える会議を日本語で要約して話者まで分けたい人です。ただし毎月5時間を超えて録るなら、専用機は無料枠に収まらず、有料プランまで含めた出費になります。録音を外部のクラウドに上げられない仕事なら、ここで取り上げるクラウド型の専用機は買わなくていい、というのがもう一つの答えです。

なお、この記事で触れる機器を、Modern-Gは実機で検証していません。スマホの機能はAppleとGoogleの公式ヘルプ、専用機の仕様はメーカーの公式ページと発表資料に拠ります(10月31日時点)。

文字にするだけなら、スマホはもうできる

iPhoneから見ていきます。Appleのユーザガイドによると、iOS 18以降のボイスメモの文字起こしはiPhone 12以降で日本語に対応し、録音中にも録音後にも文字を表示できます。文字起こしの中の語句で録音を検索し、その位置から聞き直すこともできます。メモアプリでも録音と文字起こしができ、Apple Intelligenceが使えるiPhone 15 Proや16以降の機種なら、文字起こしの要約も作れます。Appleの機能提供状況のページでは、この要約の対応言語に日本語が入っています。

Pixelのレコーダーは、Pixel 3以降で使えます。Googleのヘルプでは、リアルタイムの文字起こしの対応言語に日本語があり、Pixel 8以降では日本語の録音を要約できます。1回の録音は最大18時間です。

つまり、「録って、文字にして、あとで探す」という部分は、2026年の時点ではスマホの標準機能に入っています。専用機を選ぶ理由は、その先にある4つの違いのどれかに当てはまるかどうかで決まります。

録音のあいだ、スマホを手放せるか

スマホを録音機にすると、そのあいだのスマホの使い方に制約がかかります。Appleの説明では、ボイスメモで録音中でもほかのアプリは使えますが、別のアプリで音声の再生が始まると録音は止まります。会議中に資料の動画を確かめたい人や、スマホを持って席を離れることが多い人ほど、録音機を別に持つ意味が出てきます。

マイクの位置も変わります。スマホのマイクは、スマホを置いた場所で音を拾います。Plaud Note Proは4基のマイクで最大5m離れた声まで収録できるとメーカーが説明し、0.95インチの画面で録音中かどうかを確かめられます。SwitchBot AIマインドクリップは重さ約16.8gのクリップ型で、本体のスライドスイッチで録音を始めて止めます。机の中央に置くか、話す人の胸元に付けるかを、スマホとは別に決められるわけです。

電池も分けられます。メーカーの公表値では、Plaud Note Proは最大30時間(長時間駆動モードで最大50時間)、AIマインドクリップは最大20時間の連続録音ができます。スマホで長い会議を録る人は、そのあとの電池残量を気にしながら一日を過ごすことになります。専用機の価値は、この「スマホを自由にしておける」ことに半分以上あると考えてよさそうです。

1時間を超える会議を、話者まで分けて残したいか

スマホの要約や話者の区別には、はっきりした線があります。Pixelのレコーダーの要約は、5分から最長1時間までの録音が対象です。録音中の話者に「話し手1」「話し手2」とラベルを付ける機能は、Googleのヘルプでは英語のみの対応です。iPhoneでは、電話アプリで録音した通話の文字起こしは話者を区別すると説明されていますが、ボイスメモの文字起こしについては話者の区別に触れていません。

毎週2時間の定例会議を録り、誰が何を決めたかを日本語で残したい。こうした使い方では、スマホの標準機能だけでは届かない部分が残ります。PLAUDは2026年7月、話者名を自動で識別する機能を追加したと発表しています(2026年7月23日のImpress Watchによる)。AIマインドクリップについてメーカーは、文字起こしが話者を区別し、授業や商談など録音の種類に合わせた要約の型を自動で選ぶと説明しています。専用機のアプリは、議事録を作るところまでを一続きの作業として設計しています。

反対に、1時間以内の打ち合わせが中心で、要点は自分で拾えば十分という人には、この差はほとんど効きません。

通話を録るなら、まず電話アプリの機能を確かめる

AIボイスレコーダーを調べると、通話を録音できることが特徴として挙がります。ただ、いまはスマホの電話アプリにも通話録音が入っています。

iPhoneでは、電話アプリで通話中に録音でき、録音はメモアプリの「通話録音」フォルダに保存されます。Appleの提供状況のページでは、通話録音と通話の文字起こしの対応言語に日本語があり、文字起こしには話者の区別も付きます。

Googleの電話アプリにも通話録音がありますが、対応は機種と携帯通信会社、国や地域によって異なり、Pixelの場合はAndroid 14以降のPixel 6以降が条件です。Pixel 9以降(Aシリーズを除く)では、日本でも「通話メモ」で日本語の通話を文字起こしできますが、Googleのヘルプによると通話の要約は英語のみです。

どちらのOSも、録音を始めると通話の相手にも通知が届く仕組みです。価格.comでは、この通知を比べる材料として専用機を検討する声も見かけます。一方、ITmediaのレビューによると、初代のPlaud Noteはスマホの背面に貼り付け、マイクではなく振動センサーで受話口の音を拾う方式で、Bluetoothイヤホンで通話していると相手の声は録れません。どの方法でも、録ることを相手に伝える役目は録る側に残ります。通話のために専用機を買う前に、自分のスマホの電話アプリで足りるかを先に確かめるのが近道です。

録った音声を、どこに置けるか

ここは、スマホと専用機の性格がいちばん分かれるところです。

Pixelのレコーダーは、文字起こしを端末上のGoogleのサービスで行い、Googleアカウントにつながずに使えば、録音は端末の中に留まります。バックアップと同期をオンにしたときだけ、録音がGoogleアカウントに保存されます。ただし要約はクラウドで処理されます。iPhoneのボイスメモも、iCloudの設定でボイスメモをオンにした場合に、録音がiCloudに保存されます。

クラウド型の専用機は、反対に、クラウドに上げることが前提です。AIマインドクリップの録音はAWSに暗号化して保存し、アップロード後に本体から削除する、本体のUSB-C端子からは録音を直接取り出せない、というのがメーカーの説明です。PLAUDのプライバシーポリシーは、日本のユーザーの個人データを国内のサーバーに保存する一方、文字起こしや要約などのAI処理は米国などを含む国外の事業者に委託するとしています。

社内規程で外部のクラウドに会議の音声を置けないなら、専用機は選択肢から外れます。その場合は、スマホの端末内で完結する使い方か、AIを使わない普通のICレコーダーが現実的です。

毎月の分数で、専用機の費用を見積もる

ここまでの違いを、10月末時点の公式情報で並べました。

項目iPhonePixelPlaud Note ProAIマインドクリップ
日本語の文字起こしiPhone 12以降Pixel 3以降アプリでアプリで
要約メモアプリ(15 Pro・16以降など)Pixel 8以降、1時間までアプリでアプリで
話者の区別通話の文字起こしで英語のみあり(2026年7月発表)あり
文字起こしの上限記載なし記載なし無料で月300分無料で月300分
録音の置き場所端末(iCloudは任意)端末(バックアップは任意)国内サーバー(AI処理は国外も)AWS(転送後に本体から削除)

出典:Apple「iPhoneユーザガイド」「iOS 27とiPadOS 27で利用できる機能」、Google「Google Pixel ヘルプ」、Plaud公式「Plaud Note Pro」とプライバシーポリシー、AIマインドクリップの発表資料(2026年8月)、2026年7月23日のImpress Watch。確認日はすべて10月31日。

専用機の無料枠は、どちらも月300分、つまり5時間です。週1回、1時間の定例会議を録るなら月4〜5時間で、無料枠に収まる計算です。週2回になると枠を超え、有料プランが前提になります。AIマインドクリップの場合、月1,200分のPremiumは月額1,980円、無制限のUnlimitedは年額36,980円とSwitchBotは発表しています。機種ごとの3年間の総額はAIボイスレコーダー比較で計算しているので、有料プランを使う見込みの人は合わせて見ておくと判断がぶれません。

自分が月に何分録るのかわからないなら、まず1か月、スマホで録ってみるのが確実です。録音の一覧を見れば、無料枠に収まるか、スマホで困った場面があったかが、数字と記憶の両方で残ります。

AIボイスレコーダーを買うかどうかの判断図。最初の問いは、録音をクラウドに上げられない仕事か。はいなら、クラウド型の専用機は買わず、スマホの端末内の機能か普通のICレコーダーを使う。いいえなら次の2つの問いに進む。録音中もスマホを手放して使いたいか、1時間を超える会議を日本語で要約し話者も分けたいか。どちらかに当てはまれば専用機を検討し、どちらも当てはまらなければスマホで足りる。注記として、月に5時間(300分)を超えて録るなら、専用機は無料枠を超えて有料プランが前提になる。
3つの問いと費用の注意で考える(AppleとGoogleの公式ヘルプ、各メーカーの公表情報をもとにした編集部の判断図。2026年10月31日時点)Modern-G作図

どれを選ぶか

授業や月に数回の打ち合わせを録り、あとで文字を探せればいい人は、何も買わずにスマホを使ってください。iPhone 12以降ならボイスメモ、Pixelならレコーダーで足ります。通話を残したい人も、まず電話アプリの通話録音を確かめるのが先です。

毎週のように1時間を超える会議を録り、話者を分けた議事録を日本語で作りたい人、そして録音中もスマホを手元で使いたい人は、机に置く専用機が向いています。この使い方だと月の録音は5時間を超えやすいので、無料枠では足りない前提で費用を見ておいてください。

立ち話や現場、移動しながらの会話を残したい人には、服に留めるクリップ型が合います。録音の開始と停止をスイッチではっきり操作できるのも、この形の利点です。

録音を外部のクラウドに置けない仕事なら、どちらも選ばず、スマホを端末内で使うか、普通のICレコーダーを選んでください。AIボイスレコーダーは、スマホでは足りない理由がはっきりしてから買っても遅くない道具です。

Sources

  1. Apple「iPhoneでボイスメモの文字起こしを表示する」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  2. Apple「iPhoneのボイスメモで録音する」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  3. Apple「iPhoneの『メモ』でオーディオを録音して文字に起こす」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  4. Apple「iPhoneで通話を録音して文字に起こす」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  5. Apple「iOS 27とiPadOS 27で利用できる機能」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  6. Google Pixel ヘルプ「Google Pixel デバイスで録音を作成、編集、削除する」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  7. Google Pixel ヘルプ「文字起こしを作成、編集、管理する」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  8. Google Pixel ヘルプ「録音内でスピーカー ラベルを使用する」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  9. Google Pixel ヘルプ「Google Pixel デバイスで録音を確認、バックアップ、管理する」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  10. Google 電話アプリ ヘルプ「電話アプリを使用して通話を録音する」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  11. Google 電話アプリ ヘルプ「電話アプリの通話メモを使用する」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  12. Plaud 公式「Plaud Note Pro」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  13. Plaud 公式「プライバシーポリシー」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  14. Impress Watch「PLAUD、ChatGPTやClaudeから直接データ利用可能に」(2026年7月23日) (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  15. ITmedia PC USER「PLAUD NOTE」レビュー(2024年12月16日) (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  16. SwitchBot(PR TIMES)「記録した会話を、次の『行動』へつなげるウェアラブルAI『AIマインドクリップ』を8月19日発売」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  17. 購入前の疑問の例:Yahoo!知恵袋「スマホはボイスレコーダーの代わりになりますか?」(新しいタブで開きます)
  18. 購入前の疑問の例:価格.com「PLAUD NOTE」レビュー(新しいタブで開きます)

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