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カシオのリングウォッチはなぜ話題か:指輪サイズのデジタル時計の魅力と限界

指にはめる時計は冗談のようで、中身はれっきとしたカシオのデジタル時計です。小ささの理由と、小さいがゆえの約束ごとを確かめます。

Modern-G 編集部約5分で読めます
点線で描いた大きな四角の中に、太い線分で組んだ数字表示の一部が浮かび、右下の小さな円の中に同じ線分を縮めた小さな四角がおさまる、抽象的なイラスト
イラスト:Modern-G

カシオの「CASIO RING WATCH CRW-001」は、指輪の形をした本物のデジタル時計です。時刻、日付、ストップウオッチ、2地域の時刻表示、LEDライトまで備え、日本では2024年12月13日にメーカー希望小売価格19,800円(税込)で発売されました。話題の核心は見た目の意外さより、カシオがデジタル時計の中身を体積で約10分の1に縮め、指輪に収めたことにあります。

ただし、手首の時計の代わりにするには約束ごとがあります。表示は1センチ四方ほど、防水は日常生活用、サイズ調整は3段階だけ。そして日本ではいつでも店頭で買える品ではなく、カシオの製品ページはCASIOオンラインストアでの抽選販売を案内しています。小さな機械を持つ楽しさに値段を払える人向けの時計、というのが率直な位置づけです。

何がそんなに小さいのか

カシオのインタビュー記事によれば、CRW-001のために新しく作ったモジュール(時計の中身)は、手本にした「DW5600」系のものと比べて体積比で10対1です。液晶のガラスは0.4mmから0.15mmに薄くなり、光を導く板も同じく0.15mmにしています。

外装は、金属の粉と樹脂を混ぜて型に流し込む金属粉末射出成形(MIM)で作られています。ケースと指輪の部分がひと続きの金属で、カシオの製品ページでは大きさが25.2×19.5×6.2mm、重さが16gです。

表示は7セグメントの液晶で、操作は側面の3つのボタン。時・分・秒、月日と曜日のほか、もう1地域の時刻、1/100秒のストップウオッチ、設定した時刻と毎正時に表示が光る機能を持ちます。カシオ中国の仕様表によれば、精度は月差±30秒、電池はSR621SWで寿命は約2年。手頃なデジタル腕時計の中身が、そのまま指輪に入っていると考えると分かりやすいでしょう。

指輪から始まった会社という物語

カシオの歴史で、指輪は特別な意味を持ちます。公式の社史には、創業した1946年に「指輪パイプ」を発明し、ヒット商品になったと記されています。たばこを根元まで吸うための吸い口を指輪に付けた道具です。米国法人のカシオ・アメリカは、CRW-001の発表文でこの指輪パイプへのオマージュだと説明しています。

CRW-001は時計事業50周年の記念モデルでもあります。カシオによれば、開発は2023年4月に始まり、同年7月に出たカシオ時計のカプセルトイに「実際に動くものも」という声が寄せられたことが、商品化を後押ししました。

買う前に知っておきたい限界

  • 表示は1センチ四方ほどで、数字はかなり小さい。手首の時計のように一瞥で読むものではありません。
  • 防水は日常生活用です(カシオの製品ページ)。G-SHOCK nanoの開発者インタビューでは3気圧防水とされ、20気圧防水のG-SHOCKとは別物です。
  • サイズは22号(内径約20mm)が基本で、付属のスペーサーで19号・16号相当にします。この範囲から外れる指には合いません。
  • 裏ぶたがないため、電池交換は前面のガラスを外して行う構造です。ガラスは両面テープで固定されています。
  • カシオ中国の仕様表では、カレンダーは「2月は28日」です。うるう年の2月29日は手で合わせる必要がある、と読むのが自然です。

健康管理や通知の機能はありません。あくまで時計です。

日本での価格と、仲間のモデル

日本向けの主なモデルは次のとおりです(価格は税込)。

モデル日本発売価格要点
CRW-001-1JR(シルバー)2024年12月13日19,800円ステンレス、日常生活用防水
CRW-001G-9JR(ゴールド)2025年10月(報道)22,000円(報道)同じ仕様にゴールドのイオンプレーティング
G-SHOCK DWN-5600(黒・赤・黄)2025年11月8日14,300円樹脂、耐衝撃構造、20気圧防水、穴式バンド

出典:カシオの日本の製品ページ、カシオ計算機のニュースリリースとトピックス記事、カシオ中国の製品ページ。ゴールドの価格と発売月はカシオの公式ページで確認できず、Impress Watchの報道による。情報は2026年11月5日時点。

「G-SHOCK nano」と呼ばれるDWN-5600は、カシオがG-SHOCK史上最小とする指輪サイズのモデルです。通常のG-SHOCKと同じ20気圧防水と耐衝撃構造を持ち、穴式の樹脂バンドで指の太さに合わせられます。3段階の調整しかないCRW-001との大きな違いです。

CRW-001について、カシオの日本の製品ページはCASIOオンラインストアでの抽選販売を案内しています(11月5日に確認)。ゴールドも発売時に抽選販売だったとImpress Watchが報じています。欲しい人は公式ストアの告知を待つことになります。

後継モデルは何が確かか

確かなものと、報道にとどまるものを分けておきます。

確かなのは、中国で「CRW-H001」が発売されていることです。カシオ中国の製品ページでは、心拍、血中酸素、体温、睡眠を測るスマートリングに液晶の時計を組み合わせ、価格は1,990元。充電式の測定部は満充電で約4〜6日、時計表示は約2年の電池で動くとされます。ページには医療機器ではないこと、販売とサービスは中国国内に限ることが明記されています。日本での発売についてカシオは発表していません。

一方「CRW-002」は、ロシアのカシオ専門サイトCasioblogが2026年9月に報じた名前です。定番の金属バンド時計A168の顔を指輪にしたモデルで、11月に約130ドルで出ると伝えられていますが、カシオは発表しておらず、日本の価格や発売も分かっていません。

結論:小さな機械を持つ楽しさに払う時計

時刻を読む道具としては、CRW-001は手首の時計にかないません。それでも、デジタル時計の機能を10分の1の体積に収めたこと自体が、この製品のいちばんの面白さです。指のサイズがスペーサーの範囲に収まり、水仕事を避けて使えるなら、シルバーかゴールドを抽選で狙う。水や衝撃を気にせず着けたい、あるいは指が細いならG-SHOCK nanoのほうが無理がありません。健康データが目当てなら、日本で買えるスマートリングを選ぶほうが確実です。

Sources

  1. 指輪サイズの異色の時計「CASIO RING WATCH」 モジュール開発の裏側を語る(カシオ計算機 トピックス、2024年12月13日)(新しいタブで開きます)
  2. 指輪サイズの“G-SHOCK”(カシオ計算機 ニュースリリース、2025年10月21日)(新しいタブで開きます)
  3. 【開発者インタビュー】サイズ10分の1への挑戦!指輪型の“G-SHOCK nano” 開発秘話(カシオ計算機 トピックス)(新しいタブで開きます)
  4. カシオの歴史:創業(カシオ計算機)(新しいタブで開きます)
  5. CRW-001-1 製品ページ(カシオ中国)(新しいタブで開きます)
  6. CRW-001G-9 製品ページ(カシオ中国)(新しいタブで開きます)
  7. DWN-5600-1 製品ページ(カシオ中国)(新しいタブで開きます)
  8. CRW-H001M-8 製品ページ(カシオ中国)(新しいタブで開きます)
  9. Celebrate Casio's 50th Anniversary with Innovative CRW-001 Ring Watch(Casio America, Inc.、2024年12月19日)(新しいタブで開きます)
  10. CASIO RING WATCH CRW-001 製品ページ(カシオ)(新しいタブで開きます)
  11. カシオ、ゴールドの指輪ウォッチ(Impress Watch、2025年10月2日)(新しいタブで開きます)

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