本文へ移動

Guide

ホームジムの作り方:器具を買う前に決める「目的・部屋・続け方」

器具を増やす前に、どれくらい動けばいいのか、部屋と床がどこまで許すのかを確かめる。続くホームジムの組み立て方をまとめました。

Modern-G 編集部約11分で読めます
床に一枚のマットが静かに敷かれ、その上に小さなダンベルと、ゆるく弧を描くチューブが置かれた、余白の多い、抽象的なイラスト
イラスト:Modern-G

ジムに通う時間をなくして、家で運動を習慣にしたい。けれど、どの器具をどこまでそろえればいいのか、床や騒音は大丈夫か、月額のフィットネスサービスは本当に続くのか。ホームジムを作ろうと思った瞬間に浮かぶ疑問は、だいたいこの3つです。

たとえば、6畳の部屋に話題のスマートマシンを置こうとして、届いてから「思ったより大きい」「下の階に響かないか心配」と気づく。そんな失敗の多くは、器具を選ぶ前の確認で防げます。

ここでは、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を目安に、何をどの順でそろえるか、床と音をどう考えるか、スマートフィットネスの月額とサービス終了をどう見極めるかを整理します。読み終えるころには、自分の部屋で最初に買うべきものが決まるはずです。

結論:ホームジムは「目的・部屋・続け方」の順に決める

ホームジムは、器具のスペックから選ぶと失敗しやすくなります。最初に決めるのは目的です。筋力をつけたいのか、有酸素運動をしたいのか、体をほぐしたいのか。次に部屋の条件、つまり置ける広さ、床の強さ、下の階への音と振動を確かめます。最後に、自分でメニューを組むのか、アプリやスマート機器の指導がほしいのかという続け方を決めます。

ホームジムを決める3つのステップの図。1は目的(筋力・有酸素・柔軟)、2は部屋(広さ・床・音と振動)、3は続け方(自分で組むか、アプリやスマート機器に頼るか)の順に考える。
器具のスペックより先に、目的・部屋・続け方の順で考える(模式図)Modern-G作図

厚労省のガイドは、筋力トレーニングに自分の体重を使う腕立て伏せやスクワットも含めています。つまり、器具ゼロでも始められます。編集部としては、「マット1枚から始めて、続いたら足す」くらいがちょうどいいと考えます。

どれくらい運動すればいい?厚労省ガイド2023の目安

器具を選ぶ前に、目標の量を知っておきましょう。何をどれだけやるかが見えると、必要な道具も自然に絞れます。「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人について次のように推奨しています。

  • 歩行またはそれと同等以上の強さの身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上に相当)
  • 息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上
  • 筋力トレーニングを週2〜3日(週60分の運動に含めてもよい)
  • 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する
厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023による成人の目安を3つのカードで示した図。歩行などの身体活動は1日60分以上、息が弾む運動は週60分以上、筋力トレーニングは週2〜3日。
成人の目安。数字は目安で、いきなり満たす必要はない(厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」より作図)Modern-G作図

高齢者については、1日40分以上の身体活動(1日約6,000歩以上に相当)に加え、有酸素運動・筋力トレーニング・バランス運動・柔軟運動などを組み合わせた運動を週3日以上としています。

ガイド全体の方向性は「個人差を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む」「今よりも少しでも多く身体を動かす」です。数字は目安で、いきなり満たす必要はありません。

筋トレは「全身の大きな筋肉」を、休みを入れて

ガイドの「筋力トレーニングについて」は、胸、背中、腕、腹、お尻、脚などの大きな筋肉を全身まんべんなく使うこと、負荷を少しずつ上げること、休息日をとることを勧めています。自宅で行う場合は、無理をせず「できなくなるところまで実施する」が最も簡単な目安だとし、血圧の急な上昇を抑えるために息をこらえないよう注意しています。

ガイドはまた、筋トレと有酸素性の身体活動を組み合わせると、さらなる健康増進効果が期待できるとしています。ホームジムでも、筋トレの道具と、体を動かし続けられる道具(踏み台やバイクなど)を組み合わせると、ガイドの推奨に沿いやすくなります。

目標の量がわかったら、次はそれを自分の部屋でどう実現するかです。

目的と住環境から器具を選ぶ

目的ごとに、最初にそろえたい道具と、住まいで気をつけたい点を表にしました。

目的最初の道具次に足すなら住まいでの注意
筋力をつけるマット、トレーニングチューブ(ゴムバンド)ダンベル、トレーニングベンチ、懸垂スタンドダンベルの落下、器具の重さによる床へのへこみ
有酸素運動マット、踏み台フィットネスバイク、ステッパー連続した振動、ジャンプの着地音
柔軟・バランスマット、フォームローラーバランス用の器具比較的静か。転倒しない広さを確保

マンションやアパートでは、器具の「稼働音」より、跳ぶ・落とす・踏み込むといった動作で床に伝わる振動が問題になりがちです。下の階に人が住んでいるなら、ジャンプを多く含むメニューは時間帯や回数を考える、ダンベルは床の近くでゆっくり下ろす、といった工夫も器具選びと同じくらい大切です。

広さの目安は、器具の設置面積だけでなく、腕を広げて回したり、寝転んで手足を伸ばしたりできる余白で考えます。

最初にそろえるもの、省スペースで足せるもの

まずは「敷く・引く・持つ」の3つ

最初の一式は、マット、トレーニングチューブ、軽めのダンベルの3つで十分です。マットは床の保護と滑り止めを兼ねます。チューブは引っぱる強さを変えれば全身に使え、丸めてしまえます。ダンベルは、重さを変えられる可変式なら置き場所を節約できますが、重さを切り替える仕組みの扱い方は製品ごとに違うため、取扱説明書の確認が欠かせません。

国内のホームフィットネスブランドSTEADYは、フィットネスバイクや懸垂マシンなどの下に敷く6mm厚のトレーニングマット(ST137)を出しています。メーカーは防音・防振と床の保護をうたい、ヨガやストレッチにも使えるとしています。

足すなら、しまえる器具・ひと工夫ある器具

続くようになってから足すなら、使わないときにしまえるかどうかを重視しましょう。Modern-Gでも、省スペースを特長にした器具をいくつか紹介しています。

Tai Chi Balance Blockは、フィットネス、回復、瞑想に使え、インテリアにもなるとうたうブロック型の器具です。Z-ROPEは、太いロープを床に広げずにバトルロープのような動きができるロープレスの器具で、スプリングで負荷を調整するとしています。どちらも、キャンペーンや販売の状況はリンク先で確認してください。

クラウドファンディング発の器具は、日本語の説明書や国内での保証窓口がない場合もあります。支援する前に、届くまでの期間とサポート体制を確認してください。注意点はクラウドファンディングのリスクにまとめています。

在宅勤務の人なら、運動用の器具を増やす前に、座りっぱなしを減らす工夫から始めるのも手です。ガイドも座位行動を長くしすぎないよう求めています。スタンディングデスクのように、仕事中に立つ時間を作る道具も、広い意味でのホームジムの一部になります。

ここまでは自分でメニューを組む前提の道具でした。レッスンや記録の力を借りたいなら、選択肢はスマートフィットネスに広がります。

スマートフィットネスの選び方:月額とサービス終了を確かめる

スマートホームジムとミラーフィットネスとは

画面やセンサーを持ち、アプリやオンラインのレッスンと連動する運動器具を、ここではスマートフィットネスと呼びます。大きく分けると、次の3つがあります。

  • ミラー型:鏡のような画面にレッスン動画を映し、自分の姿と見比べながら動く。Modern-GではMIRROR FIT.を紹介している
  • オールインワン型のスマートホームジム:モーターで負荷を作るケーブルマシンに大画面を組み合わせたもの。AEKE K1など
  • アプリ連携型の単体器具:バイクなどがBluetoothでアプリにデータを送る。STEADY スピンバイク Plusなど

公式情報で確認できたこと

AEKEの公式サイトによると、K1は43インチの4Kタッチスクリーンを備え、モーターによる負荷は合計100kg(片腕50kg)です。本体の重さは約77kg、ペダルを畳んだ状態で約455×693×1,740mm、定格消費電力は約800Wとされています。メーカーはK1についてサブスクリプション(月額契約)は不要と説明しています。ただし、AEKEの配送ポリシーは北米とEUへの出荷を案内しており、2026年10月時点で日本への公式出荷は確認できませんでした。

STEADYのスピンバイク Plus(ST145)は、Bluetoothで「Zwift」「Kinomap」といったバーチャルサイクリングアプリにデータを送れる国内ブランドのバイクです。公式ストアの表示価格は49,990円(2026年10月時点)で、本体重量は約27kg、耐荷重は120kg、適応身長は145〜185cmです。稼働音についてメーカーは「40dB以下」で、図書館の静音基準以下だとしています。アプリ側の料金や条件は、各アプリの公式情報で確認が必要です。

月額とサービス終了のチェックリスト

スマートフィットネスで見落としやすいのが、器具を買ったあとの費用と、サービスが変わったときの扱いです。AEKE自身もブログで、サブスクリプションが終わったときに、レッスン、保存したプログラム、記録、器具の操作がそれぞれどうなるかは別々に確かめるべきだと書いています。そのうえで、K1については解約後にどの機能が動くかを現時点の公式情報では示せていないとしています。

購入前に、次の5点をメーカーに確認しておくと安心です。

  1. 器具を使うのに月額契約は必要か。必要なら金額と最低契約期間はいくらか。
  2. 月額をやめたら、どの機能が使えなくなるか(レッスン、記録、負荷の調整など)。
  3. インターネット接続やアカウントがないと動かない機能はあるか。
  4. サービスが終了したとき、器具の基本機能は使えるか。
  5. 日本語のサポート窓口と、保証・修理の受付先はどこか。
スマートフィットネスを買う前にメーカーへ確認する5点。1 器具を使うのに月額契約は必要か(必要なら金額と最低契約期間)。2 月額をやめたら、どの機能(レッスン、記録、負荷の調整など)が使えなくなるか。3 インターネット接続やアカウントがないと動かない機能はあるか。4 サービスが終了したとき、器具の基本機能は使えるか。5 日本語のサポート窓口と、保証・修理の受付先はどこか。
答えは文書やメールで残しておくModern-G作図

答えは文書やメールで残しておきましょう。月額サービスの解約でトラブルになったときは、消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターに相談できます。

器具とサービスが決まったら、最後に確かめたいのは、それを置く床と、使う自分自身の安全です。

床・防音・安全:住まいで続けるための条件

床の強さは「重さ」と「集中」で考える

建築基準法施行令第85条は、住宅の居室の床を構造計算するときの積載荷重を、1平方メートルあたり1,800ニュートン(おおよそ180kg)と定めています。これは設計で使う数値で、あなたの部屋の床がどこまで耐えるかを保証するものではありません。

器具は狭い面積に重さが集中しやすい点にも注意が要ります。重い器具や、器具と人の重さが脚の数点に集まるマシンを置く場合は、賃貸なら管理会社や大家さんに、分譲なら管理組合の規約を確認しましょう。床のへこみや傷を防ぐには、器具の下にマットを敷くのが基本です。

音と振動:稼働音の数字だけで判断しない

メーカーが示す「○dB以下」は、多くの場合、器具そのものが動くときの音の目安です。ジャンプの着地やダンベルを置く衝撃、バイクのペダルを踏み込む振動は、床を通じて別の形で伝わります。編集部としては、稼働音の数値に加えて、マットを敷く、時間帯を選ぶ、跳ぶ動きを減らす、といった使い方の工夫を組み合わせることをすすめます。

一人で行うトレーニングの注意

消費者庁は2026年8月、パーソナルトレーニングでの事故について注意を呼びかけました。その中で、トレーナーなしで一人で行うトレーニングは、自分で健康状態や正しいやり方、器具の使い方を理解したうえで行う必要がより高いとして、事前に器具の使い方と状態を確認すること、自分のペースで無理なく行うことを挙げています。始めは無理のない低めの負荷で、というのも同庁の勧めです。

厚労省のガイドの「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」は、運動中に次のような異変を感じたら、すぐに運動を中止するよう求めています。

  • 胸の痛み、動悸、冷や汗
  • めまいやふらつき
  • いつもと違う強い疲れ、強い空腹感やふるえ
  • 関節や筋肉の強い痛み

同じ資料は、ある程度の強さの運動の前にはウォームアップを、後には5〜10分ほどのクールダウンを行うこと、運動中も15分に1回程度は水分と塩分を補給すること、室温や湿度に気を配ることも挙げています。同資料によれば、翌日の生活に支障が出るほど疲れが残るのは、強さや量が多すぎるサインです。

よくある質問

ホームジムは何から買えばいいですか?

マットとトレーニングチューブから始めるのが無難です。厚労省のガイドは自重の腕立て伏せやスクワットも筋力トレーニングに含めています。週2〜3日の筋トレが続くようになってから、ダンベルやバイクを足しましょう。

マンションで筋トレをしても大丈夫ですか?

器具の重さと、床に伝わる振動に気をつければ、できることは多くあります。マットを敷き、ジャンプやダンベルを落とす動作を避け、重い器具は管理規約や管理会社に確認してください。

スマートホームジムは月額がかかりますか?

製品によって違います。AEKE K1のようにメーカーが月額不要と説明する製品もあれば、レッスンの利用に月額が必要な製品もあります。解約やサービス終了後に何が使えるかまで、購入前に確認しましょう。

まとめ:器具より先に「量の目安」と「床の条件」を

続くホームジムは、立派な器具からではなく、どれくらい動くかの目安と、部屋が許す条件から生まれます。厚労省ガイドの目安を知り、床と音の制約を確かめてから道具を選べば、買いすぎも置き場所の後悔もぐっと減ります。

家での運動を始めたばかりの人は、マットとチューブで週2〜3日の筋トレを続けることから。それが続いた人は、ダンベルやバイクを足す段階です。一人では続かない、レッスンの力を借りたいという人だけが、月額と解約後の扱いを確かめたうえでスマート機器を検討する。この順番なら、部屋も予算も無理なく、ホームジムを育てていけます。

Related Readingヘルスケアガジェットのおすすめ睡眠や姿勢の計測から、健康づくりを考えたい人に

Sources

  1. 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  2. 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(概要)」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  3. 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 成人版」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  4. 厚生労働省「筋力トレーニングについて」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  5. 厚生労働省「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  6. 消費者庁「パーソナルトレーニングでの事故に注意」(2026年8月6日) (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  7. e-Gov法令検索「建築基準法施行令」第85条 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  8. AEKE「AEKE K1 Smart Home Gym」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  9. AEKE「FAQ」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  10. AEKE「Shipping Policy」 (2026年10月23日確認)(新しいタブで開きます)
  11. AEKE「What Happens When a Smart Gym Subscription Ends? Check These Features」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  12. STEADY公式ストア「スピンバイク Plus ST145」 (2026年10月23日確認)(新しいタブで開きます)
  13. STEADY公式ストア「トレーニングマット ST137」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)

Newsletter

こうした発見を、メールで受け取りませんか。

新着製品と読みものを、週2回お届けします。

日本語版ニュースレター(日本の読者向け)English newsletter for international readers →

配信と米国の委託先への情報提供に同意します(随時停止可)。 プライバシーポリシーを確認

週2回お届けします。いつでも配信を停止できます。

More from the Journal