「足音は聞こえていたのに、方向がつかめなかった」「ヘッドセットを替えても、ボイスチャットの聞き取りやすさがいまひとつ」「せっかく気に入ったイヤホンなのに、PCへ直挿しすると音が薄く感じる」。こうした小さな不満は、ゲームでも音楽でも、積み重なるほど没入感を削っていきます。
そこで頼りになるのが、TOPPINGのコンパクトゲーミングDAC/AMP「DX1Ⅱ」です。DACとは、PCなどから届くデジタル音声を、イヤホンやヘッドホンで再生できるアナログ信号へ変換する機器のこと。DX1Ⅱは、その音声変換だけでなくヘッドホンを駆動するアンプ、マイク入力、サウンド調整、外部機器への出力までを一台にまとめています。
しかも、PCとはUSB Type-Cで接続するだけ。幅100mm、奥行100mmという小さな筐体の中に、ESS製DAC「ES9039Q2M」と4チャンネル・フルバランス構成のヘッドホンアンプを収めています。ゲーム用だから音楽を妥協するのでも、Hi-Fi機だからゲームには扱いにくいのでもない。その間にあった面倒を、すっと消してくれる一台です。

DX1Ⅱの特徴
100mm四方のボディに、本格的なDACとアンプを凝縮
オーディオ環境を良くしたいと思っても、大きなDAC、アンプ、電源アダプターがデスクを占領するようでは気軽に始められません。DX1Ⅱの魅力は、まずその壁が低いこと。サイズは100×100×32mm、重量約275g。キーボードやマウスの横に置いても圧迫感を生みにくく、USB Type-CによるDC 5V/1.0Aのバスパワー駆動に対応しているため、PCとの組み合わせなら接続もシンプルです。
しかし、小さいから中身まで簡素というわけではありません。核となるDACにはESS ES9039Q2Mを採用し、ヘッドホンアンプは4チャンネル・フルバランス構成。USB入力ではPCM最大384kHz/32bit、DSDはNativeでDSD256まで扱えます。つまり、普段の動画やゲームだけではなく、高解像度の音源をじっくり聴く環境まで一台でカバーできるわけです。
机の上は軽く。音は軽くしない。そのバランスこそ、DX1Ⅱの使いやすさにつながっています。

4.4mmバランスなら最大1000mW×2。ヘッドホンを替えても使い続けやすい
お気に入りのヘッドホンをPCへ直接つないだとき、「音量は出ているのに、どこか勢いがない」と感じたことはないでしょうか。ヘッドホンは、ただ音を大きくすれば本来の魅力が出るとは限りません。十分な駆動力があってこそ、低域の押し出しや音の立ち上がり、細かな強弱まで表現しやすくなります。
DX1Ⅱは前面に3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスの2系統を搭載。4.4mmバランス出力では32Ω、64Ωともに最大1000mW×2、300Ωでも230mW×2を確保しています。3.5mm側も32Ωで510mW×2。さらにLow/Highの2段階Gainを切り替えられるため、感度の高いイヤホンから、より駆動力を必要とするヘッドホンまで合わせやすい設計です。
イヤホンを買い替えるたびにDAC/AMPまで考え直す必要が少ない。これは、長く使うほど効いてくる買い点です。

足音も環境音も、自分の耳に合わせて追い込めるPEQ
FPSなどで重要なのは、「音が良い」ことだけではありません。相手の足音、リロード音、遠くの環境音。それぞれがどこから、どの距離で鳴ったのかを判断できることが、プレイの快適さを大きく左右します。
DX1ⅡはTOPPING Home Web APPとTOPPING Tuneに対応。さらにPEQ、つまり「特定の周波数帯を細かく調整できるパラメトリックイコライザー」を利用できます。PC上から設定できるため、ゲームでは重要な効果音が認識しやすい方向へ整え、音楽では愛用しているイヤホンの癖を自分好みに近づける、といった使い分けが可能。PEQはPCM 192kHz/32bitまで反映されます。
既製の「ゲームモード」に耳を合わせるのではなく、自分の耳と用途に音を合わせられる。ここが面白いところです。

マイク付きヘッドセットをそのまま接続。通話まで一台で完結
音は豪華になったのに、ボイスチャット用マイクだけは別のUSB機器へ。そんな配線の増殖を避けられるのもDX1Ⅱの強みです。
前面の3.5mm 4極ヘッドセット端子は、通常の3.5mmヘッドホンだけでなくCTIA規格のマイク付きヘッドセットにも対応。マイク入力は最大192kHz/24bitを扱えるため、ゲーム中のボイスチャットはもちろん、音声録音にも利用できます。
つまり、聞くためのDAC/AMPと、話すためのマイク入力を一か所に集約できるということ。ゲーム開始前に「ヘッドホンはこっち、マイクはあっち」と接続先を探す手間が減り、電源を入れたらすぐプレイへ集中できます。

光デジタル入出力と2系統のラインアウトで、デスク環境を広げられる
DX1Ⅱはヘッドホン専用機として閉じた存在でもありません。デジタル入力はUSBとOPTICAL(S/PDIF)、さらに光デジタル出力も備えています。ラインアウトにはRCAシングルエンドと4.4mmバランスを用意。アンプやアクティブスピーカーへ音を渡すこともでき、ヘッドホンを外した後もシステムの中心として活用できます。
たとえば昼はスピーカー、夜はヘッドホン。音楽はPC、別のデジタル機器は光入力。そんな使い分けを、一台を軸に組み立てられます。
さらに背面ではUAC 1.0/2.0を切り替え可能。モード変更後はケーブルを一度外して再接続する必要がありますが、接続する機器に応じてUSB Audio Classを選べるため、PC中心の環境だけに用途を固定されません。

ブラックとホワイト。ゲーム機材にもオーディオデスクにも溶け込む佇まい
前面にはLED表示と大型のマルチファンクションノブを配置し、3.5mm、4.4mmの端子も正面からアクセスできる構成。背面にUSB、RCA、光デジタル端子などをまとめることで、普段触れる部分はすっきりとしています。カラーはブラックとホワイトが用意され、黒系のゲーミングデバイスで統一したデスクにも、白を基調としたミニマルなセットアップにも合わせやすい仕上がりです。
存在感を主張しすぎないのに、ボリュームノブへ手を伸ばすたび「ちゃんとしたオーディオ機器を使っている」という満足感がある。この距離感が絶妙です。どちらを選ぼうかと迷う時間も、DX1Ⅱを手に入れる楽しみの一つ。デスクにこれが一台加わるだけで、これまで感じていた音への物足りなさや接続の煩わしさが、少し待ち遠しいほど快適なリスニング体験へ変わっていきます。

まとめ
DX1Ⅱが魅力的なのは、単にES9039Q2Mを積んでいるからでも、1000mW×2という出力を持っているからでもありません。
**PCにつないですぐ使える手軽さ、3.5mmと4.4mmのヘッドホン出力、マイク付きヘッドセットへの対応、PEQによる細かな音作り、そして光デジタルやラインアウトまで一台に集約されていること。**それらが重なることで、「ゲーム用」「音楽用」「通話用」と別々に考えていたオーディオ環境を、ひとつにまとめられます。
ゲームでは、聞き逃したくない音へ集中するために。音楽では、好きなイヤホンやヘッドホンの力をもっと引き出すために。そして普段は、面倒な接続や大げさな機材を意識せず、ただ良い音を楽しむために。
DX1Ⅱは、「もっと良い音が欲しい。でも、デスクも使い方も複雑にはしたくない」という人にこそ似合うコンパクトDAC/AMPです。










