「音楽を作る場所は、必ずしもスタジオだけじゃない」—— そんな現代の音楽制作者のニーズに応えるべく、ESI が誕生させたのが「Xsynth」です。この製品は、25 鍵ポリフォニック・アフタータッチ対応キーボード、MIDI インターフェース、オーディオインターフェース、内蔵シンセサイザーの4 つの核心機能を 1 台に集約した「オールインワン・モバイルプロダクションツール」で、スタンドアローンで使用することも、DAW(デジタルオーディオワークステーション)や他のハードウェアと連携するコントローラーとして活用することもできます。
高い評価を受けてきた「Xkey シリーズ」をベースに設計されたことで、優れたモビリティと操作性を両立。インスピレーションが訪れた瞬間 —— 例えばカフェでの待ち時間や旅行中のホテルルームで ——USB-C ケーブル一本で PC やモバイルデバイスと接続し、すぐにアイデアをカタチにできるのが最大の特徴です。音楽制作の場所を選ばないあなたに、この 1 台で全てを解決する「Xsynth」が届けられます。
Xsynth の特徴
そんな Xsynth の魅力を深く掘り下げると、「4-in-1」というコンセプトだけでなく、各機能の完成度と細やかな設計が驚くべきものです。以下では、音楽制作に直接関わる核心機能から、ポータビリティや操作性まで、商品自体の特徴を詳述していきましょう。
1. 4-in-1 の機能統合:1 台でスタジオの基本を網羅
Xsynth の最大の価値は、「シンセサイザー」「キーボードコントローラー」「MIDI インターフェース」「オーディオインターフェース」の 4 つを 1 台にまとめた点にあります。これにより、従来であれば複数の機器を運ぶ必要があったモバイル制作が、Xsynth だけで可能になるのです。
まず、内蔵シンセサイザーは「サンプル ROM ベースのバーチャルアナログ減算方式」を採用し、最大10 ボイスの同時発音に対応。3 基のオシレーター(音の源となる波形生成部)、3 基の LFO(低周波オシレーター:音に揺らぎを加える機能)、3 系統の AHDSR エンベロープ(音の強弱や長さを制御する「アタック・ホールド・ディケイ・サスティン・リリース」の 5 段階制御)を搭載し、多様な音作りが可能です。さらに16 スロットのモジュレーションマトリクスがあり、例えば LFO の信号でオシレーターのピッチを変化させたり、アフタータッチでエフェクトの深さを調整したりと、複雑な音の変化を自由に設定できます。512 個のプリセット(128 音色 ×4 バンク)も内蔵されているため、初めて使う場合でもすぐに演奏を開始できるのが親切です。
次に25 鍵キーボードは、Xkey シリーズの設計を引き継ぎ、伝統的なピアノのオクターブ幅と同じサイズを実現。スリムなボディに収まりながらも、慣れた手つきで演奏できるだけでなく、ベロシティ対応(鍵の押し加減で音の強弱を変えられる)とポリフォニック・アフタータッチ(鍵を押した後も指で力を加えることで音の表情を調整できる)に完全対応。例えば弦楽器のビブラートや、シンセのフィルターカットオフを微妙に変化させるなど、プロの演奏者が求める繊細な表現力を妥協させません。また、アルペジエーター(和音を分解して順番に鳴らす機能)、グライド(鍵を移動した時に音が滑る効果)、オクターブシフト(演奏可能な音域を上下に拡張)、ホールド(鍵を離しても音を持続)といった実用的な機能も搭載され、様々な演奏スタイルに対応します。
MIDI インターフェース機能では、USB-C 接続を通じて Mac/PC/モバイルデバイスと連携。Xsynth 本体のキーボード操作を DAW に送信するだけでなく、本体に装備された3.5mm TRS ミニ端子の MIDI IN/OUT(TRS-A 準拠)から外部 MIDI 機器の信号を受け取り、USB 経由で PC に中継する「ブリッジ機能」もサポート。例えば古いシンセサイザーを持っている場合でも、Xsynth を介すれば DAW で制御できるようになり、機器の有効活用が進みます。
オーディオインターフェースは24bit/96kHzの高品質録音に対応し、クラスコンプライアント(専用ドライバー不要で使用可能)設計。内蔵シンセサイザーの音はもちろん、3.5mm ステレオミニ端子の AUX 入力から外部機器(例えばスマホの音楽やマイク)の音声も、PC に直接録音できます。また、PC からの再生音はヘッドホン出力やライン出力にルーティングされるため、録音とモニタリングを 1 台で完結できるのが便利です。
2. 豊富な接続端子と直感的な操作性
Xsynth は「驚くほどスリムなボディ」(サイズ:387×148×27mm、重量:634g)にもかかわらず、音楽制作に必要な端子をすべて搭載しています。中心となるのはUSB-C 端子で、電源供給(バスパワー駆動対応)、オーディオデータの送受信、MIDI 信号の通信を一括して行うため、ケーブルの整理が簡単になります。外出先では USB-C ケーブル一本で PC やモバイルデバイスと接続でき、電源アダプターが不要なのがモバイル性を高めるポイントです。
その他の端子としては、前述の 3.5mm MIDI IN/OUT のほか、3.5mm ステレオミニ端子のヘッドホン出力、ライン出力、AUX 入力があります。ヘッドホン出力はプライベートなモニタリングに最適で、ライン出力は外部スピーカーと接続して大音量で再生する際に活用できます。AUX 入力は、例えばギターのアンプからの音を録音したり、スマホの伴奏を取り込んだりするのに便利で、制作の幅を広げます。
操作性については、すべてのシンセサイザー機能やパラメーターに素早くアクセスできる4 つのエンコーダーと1 つのマルチファンクションノブ(電源&ボリューム兼用)を搭載。設定内容は本体のディスプレイにリアルタイムで表示されるため、視覚的に操作内容を把握でき、設定ミスを防ぎやすいです。また、ページ切替ボタン(←/→) で表示内容を切り替えたり、モジュール切替ボタンでシンセサイザーの各ブロック(オシレーター、フィルター、エフェクトなど)を選択したりすることで、複雑な設定もスムーズに行えます。
さらに、耐久性の高いラバー製スマートボタンが配置され、ピッチベンド(音の高さを瞬間的に変える)、モジュレーション(音に揺らぎを加える)、ホールド、オクターブシフト、グライドといった主要機能をワンタッチで操作。内蔵アルペジエーターのオン/オフもこのボタンで切り替えられるため、演奏中に手元を離さずに機能を制御できるのが利点です。特にピッチベンドとモジュレーションは「プレッシャー感知式」で、ボタンを押す力の強さで効果の深さを調整できるため、より自然な表現が可能です。
3. ポータビリティと耐久性の両立
Xsynth は「モバイル制作」をコンセプトに設計されているため、軽量・超薄型が大きな特徴です。重量わずか 634g、厚さ 27mm のアルミボディは、バッグに入れて持ち運んでも負担になりにくく、外出先での使用に最適です。例えばコーヒーショップでノート PC と一緒に取り出せば、すぐに音楽制作のセットアップが完了します。
アルミボディは軽量性だけでなく、耐久性も確保しています。持ち運び中の衝撃や日常的な使用で生じる摩耗にも強く、長期間使用しても外観や機能が劣化しにくい設計になっています。また、キーボードの鍵盤部分は Xkey シリーズの信頼性の高い構造を採用し、繰り返しの押下にも耐えられるようになっています。
電源については、前述の通り USB-C によるバスパワー駆動に対応し、消費電力は 5V/400mA 未満(約 2W)と低いため、PC やモバイルデバイスからの電力供給だけで動作。外部電源アダプターが不要なことで、持ち物を減らせるだけでなく、電源がない場所でも使用可能になります。これは「いつでもどこでも音楽を作る」というニーズに応える重要なポイントです。
4. 付属ソフトウェアとサポート体制
Xsynth には、音楽制作をすぐに始められるように、パワフルなソフトウェアが付属しています。まず DAW として「Bitwig Studio 8-Track」が同梱され、これは複数トラックの録音や編集、MIDI シーケンス機能を備えた入门向け DAW で、Xsynth との連携が最適化されています。オーディオ編集ツールとして「Steinberg WaveLab Cast」も付属し、録音した音声の編集やミックス、エフェクト処理が可能です。さらに iOS/iPadOS 用に「Steinberg Cubasis LE」が同梱されているため、スマホやタブレットでも Xsynth を使ったモバイル制作が展開できます。
最も重要な付属ソフトウェアは「Xsynth Editor」で、これは Xsynth の設定と管理を行う公式アプリケーション(対応 OS:macOS、Windows)です。主な機能としては、①サウンドの編集(オシレーターの波形選択、エフェクトのパラメーター調整など)、②データのバックアップと呼び出し(作成した音色を PC に保存したり、再読み込みしたり)、③システム設定の調整(MIDI チャンネルの設定、キーボードの感度調整など)、④Xsynth のファームウェアアップデートがあります。このエディターを使うことで、本体の操作だけでは難しい詳細な設定も可能になり、Xsynth のポテンシャルを最大限に引き出せます。


ドライバー対応については、Windows 10/11 ユーザー向けに専用 EWDM/ASIO ドライバーが提供され、低レイテンシー(音の入出力の遅れ)での動作を保証。Mac ユーザーはクラスコンプライアントに対応しているため、ドライバーのインストールなしで即座に使用可能です。また、ESI の公式サイトでは「Xsynth エディター v.1.0」のアップデート情報や、製品マニュアル、ドライバーなどをダウンロードできる「ESI 製品ダウンロードページ」も用意されているため、使用中に発生した問題を解決したり、機能を更新したりすることが容易です。
まとめ
Xsynth は、「どこでも自由に音楽を作る」という現代の音楽制作者の根本的なニーズに応えるべく誕生した製品です。4 つの核心機能(シンセサイザー、キーボード、MIDI インターフェース、オーディオインターフェース)を 1 台に集約しながら、Xkey シリーズ由来の高品質なキーボード、24bit/96kHz の高品質録音、アルミボディによる軽量耐久性、直感的な操作性を両立させた設計は、モバイル音楽制作のスタンダードを切り開くものと言えるでしょう。
初心者にとっては、付属ソフトウェアとプリセットですぐに制作を始められる手軽さが魅力的です。プロの制作者にとっては、モバイル環境でのアイデアのキャッチや、スタジオでの補助機器としての活用价值が高いです。
「音楽制作の場所を選ばない」「インスピレーションを逃さない」—— そんな希望を叶える Xsynth は、あなたの音楽制作ライフを一変させる可能性を秘めています。モバイルでの自由な音楽制作を求めるなら、ぜひこの製品の魅力を実際に体験してみてはいかがでしょうか。