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カメラを外したRay-Ban Meta Audio。撮らないAIグラスに払う理由はあるか
写真も動画も撮れない代わりに、軽さと電池の持ちを取った。Metaが初めて出したカメラなしのAIグラスは、誰のための1本なのか。

レンズの脇にあるはずの小さな丸い窓が、このメガネにはありません。Metaが9月23日(米国時間)のイベント「Connect 2026」で発表した「Ray-Ban Meta Audio」は、同社のAIグラスとして初めてカメラを持たないモデルです。音楽を聴き、電話をかけ、AIアシスタントと話すことはできても、写真や動画は撮れません。
米国では349ドルからで、10月13日に出荷が始まりました。日本について、Metaの日本語ブログは「日本での展開については、2027年を予定しています」と書くだけで、円の価格や時期はまだ示していません。カメラという看板機能を外したAIグラスに、お金を払う理由はあるのか。発表内容と、先に使った海外メディアの評価から考えます。
Modern-Gはこの製品を実機でテストしていません。仕様と価格はMetaの発表、使用感は記事中に名前を挙げた海外メディアの報道にもとづきます。
撮れない代わりに、軽く、長く
Metaの発表によれば、Ray-Ban Meta Audioの重さは43g。1回の充電でAIアシスタントとの会話に最大12時間使え、付属の充電ケースでさらに最大48時間ぶん充電できます。フレームは丸みのある「Clubmaster」と長方形の「Burbank」の2型で、色とレンズの組み合わせは23通り。度付きレンズにも対応します。通話については「イヤホンよりもクリアに」声を拾うとMetaは説明しています。
比べる相手は、同じ日に出たカメラ付きの「Ray-Ban Meta (Gen 3)」です。
| 項目 | Ray-Ban Meta Audio | Ray-Ban Meta (Gen 3) |
|---|---|---|
| 米国価格 | 349ドルから | 449ドルから |
| カメラ | なし | 1200万画素、3K動画 |
| 電池(メーカー公称) | 最大12時間 | 最大9時間 |
| 日本での販売 | 2027年予定 | 9月23日から78,980円(税込)から |
(Metaの英語版・日本語版ブログ、2026年9月23日公開。電池の時間は条件が異なる公称値で、単純には比べられない)
100ドル安く、電池は長い。そのぶん、カメラを前提にした機能、つまり目の前のものを見せて質問する使い方は、仕組みの上で成り立ちません。それでも、Engadgetのレビューによれば、リアルタイム翻訳や徒歩のナビなど、Meta AIの機能の多くはこのモデルでも使えます。
先に使った記者が見たこと
米Engadgetのカリッサ・ベル記者は10月13日のレビューで、10点満点の8.5点を付けました。音楽やポッドキャスト、通話の音は手持ちのGen 2と「同じくらい良かった」と書き、通話相手からはAirPods Proより声がはっきり聞こえると言われたそうです。鼻への圧迫が少なく、ずっと軽く感じるとも述べています。ただし記者のClubmasterの実測は47gで、43gはMetaが示す最軽量の数字と読むのが妥当でしょう。
電池については、5時間の音楽再生と1時間の通話のあとでも50%近く残っていたと報告しています。一方で同記事は、12時間という公称値は「混在した使い方」での値で、音楽を流し続ける場合は最大6時間だとも伝えています。
不満として挙がったのは、つるにあるアクションボタンです。カメラなしのモデルでは割り当てられる動作が2つしかなく、電話に出ることも、通話をミュートすることもできません。ソフトウェア更新で改善される可能性はある、と記者は見ています。
「撮らない」で消える心配、残る心配
カメラを外した理由について、Metaの発表文は直接触れていません。米TechCrunchのサラ・ペレス記者は9月23日の記事で、カメラ付きのAIグラスが無断撮影への懸念から批判を浴びてきたことを挙げ、音声専用の設計はブランドの立て直しにつながりうると書いています。Modern-Gでも、若い世代がMetaのスマートグラスに抱く拒否感を取り上げてきました。
周りの人にとっては、撮られる心配はなくなります。けれど、マイクとAIはそのまま残ります。Engadgetによれば、Metaはグラスで話しかけた音声の記録を保存し、米国のユーザーは保存を拒否する設定を選べなくなっています。記録は訓練を受けた担当者が聞く場合があり、利用者がアプリから手動で消すことはできる、とのことです。カメラをなくしたことで、プライバシーの論点は「周りの人の姿」から「かけている本人の声」へ移った、と編集部は見ています。
どんな人に向くか
向いているのは、度付きのメガネを一日中かけていて、耳をふさがずに音楽や通話、AIとのやりとりを済ませたい人です。カメラ付きのメガネを職場や人の多い場所でかけることに、ためらいがある人にも合います。翻訳を主な目的にするなら、専用の翻訳機との比較もしておくと判断しやすくなります。
逆に、旅先で目線の写真や動画を残したい人には、カメラ付きのGen 2やGen 3が向きます。日本ではこちらはすでに販売されていて、Gen 2は73,700円(税込)からです。Metaは日本での販売開始時に、他国で使える機能の一部が日本では使えないか順次展開になると注記しています。
日本でAudioを買えるようになるのは早くても2027年です。円の価格、技適の取得、日本でどの機能が使えるかはいずれも発表されていないため、米国版を急いで手に入れるより、正式な案内を待つほうが無難だと編集部は考えます。AIグラス全体の選び方はAIグラスとは?できること、日本で使う注意点にまとめています。
Sources
- Meta「Introducing Ray-Ban Meta Audio and Our Deepest Lineup of AI Glasses Yet」(2026年9月23日) (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
- Meta 日本語版ブログ(同記事の日本語版) (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
- Meta「Ray-Ban Meta (Gen 2)およびOakley Meta、5月21日より日本でも販売開始」 (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
- Engadget、Karissa Bell「Ray-Ban Meta Audio review」(2026年10月13日) (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
- TechCrunch、Sarah Perez(2026年9月23日) (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
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