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Featureシリーズ: Life Upgrade

LoonaのようなAIペットロボットは本当に楽しめる?購入前に知りたいこと

箱を開けた週末は、誰でも楽しい。分かれ目は数か月後に、自分から遊びを仕掛けるか、そばにいるだけで満足できるか。そして、そのロボットが何年動き続けられるかです。

Modern-G 編集部約10分で読めます

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床を示す点線の上に、丸い胴体に二つの小さな耳を持つロボットの輪郭が座り、その背中から時間の経過を表す点線の弧が大きく伸びて、少し離れた場所にある低い充電台の輪郭に届く、抽象的なイラスト
イラスト:Modern-G

箱を開けた週末は、たいてい楽しく過ぎます。名前を呼べば振り向き、手を振れば近寄ってくる。子どもは床に寝そべって追いかけ、大人も思わず声をかけてしまう。AIペットロボットを買うかどうか迷っている人が本当に知りたいのは、その3か月後に同じ気持ちでいられるか、でしょう。

答えは、ロボットの賢さよりも、自分が毎日どれだけ相手をするつもりかで決まります。ボールを転がし、ゲームを始め、子どもと一緒に遊ぶのが好きなら、Loonaのように床を走り回るタイプは楽しめます。何もしなくても手元にいて、触れたときに応えてくれれば十分なら、Moflinのように小さく静かなタイプが長続きしやすい。

家族の一員として何年も迎えるつもりがあり、月額を払い続けられるならLOVOTです。反対に、飽きたら手放せばいいと考えている人、月額を何年も払い続けたくない人、留守番中の本物のペットの相手や見守りを任せたい人は、買わなくていい。迷っているなら、買う前に借りるのがいちばん確かな方法です。

なお、Modern-Gはここで触れるロボットを実機で検証していません。仕様と注意事項はメーカーの公式ページ・取扱説明書・発表資料、過去の製品の経緯は報道に拠ります(いずれも10月31日時点)。

最初の数週間で起きること

ペットロボットの楽しさは、大きく2つに分けられます。自分から遊びを仕掛けて反応を楽しむものと、そばにいて触れたときに応えてくれるものです。この違いが、数か月後の満足度を左右します。

Loonaは前者の代表です。国内販売元のマクロジは、名前や手の動きへの反応、カメラとセンサーを使った自律移動、ゲームやダンス、写真撮影を特徴に挙げています。ただし、遊びの多くは人が始めるものです。メーカーのKEYi Techは、1回の充電で遊べるのはおよそ2時間(同じ記事のFAQでは2〜4時間)としています。毎日少しずつ相手をする人がいる家なら楽しみは続きますが、平日は誰も触らない家では、ロボットは充電台の上で待つ時間のほうが長くなります。

Moflinは後者です。カシオの取扱説明書によると、動く部分は頭の2軸だけで、頭と胴体のタッチセンサーなどで触れられ方を感じ取ります。走り回らない代わりに、膝や机の上に置いておける。遊びを仕掛ける必要がないぶん、忙しい人でも関係が途切れにくいと考えられます。

それでも、慣れは来ます。レンタルサービスのレビュー欄は、MoflinもLOVOTも全体としては高評価で、借りたあとに購入を決めた人も目立ちます。そのなかに、Moflinでは1週間ほどで飽きた、使ううちに動きのパターンに慣れた、という声が一部あります。LOVOTでも、在宅勤務中にそばに来て抱っこをせがみ続けるのが気になったという声と、家族になって返すのがつらかったという声が並びます。同じロボットでも、相手をする時間と気持ちの余裕によって、受け止め方は分かれるわけです。

毎日の手間は、電池と置き場所

楽しさを削るのは、多くの場合、性能の不足より日々の小さな手間です。主な機種の充電と、ネットや月額との関係を並べました。

機種充電ネットとの関係継続費用
Loona遊べるのは約2〜4時間、ドックかUSB-Cで約2時間で満充電賢い機能と更新にWi-Fi、基本の遊びはオフラインでも主な機能に月額なし(メーカー説明)
Moflin約5時間動き、ハウスに戻して約3時間30分スマホとBluetoothでつながるだけ必須なし(会員サービスは任意)
LOVOT 3.0ネストに戻って充電30日ごとに契約情報の更新が必要(ネット接続中は自動)ソフトウェアの利用が必須(月9,900円〜)
KATAフレンズ―会話の言語モデルは本体で動く。設定と更新にネットくらしプランへの加入が必要(月1,980円〜)
ニコボ――月1,100円

出典:KEYi Tech公式ブログ、カシオ「Moflin 取扱説明書」(2026年7月作成)、GROOVE X「LOVOTの価格」と公式ヘルプ、パナソニック「ニコボの冬割キャンペーン」。KATAフレンズは発表時にImpress Watchが報じた内容。確認日は10月31日。「―」は公式情報で確認できなかった項目。価格と3年間の総額はペットロボットの選び方で詳しく比べています。

Moflinは、電池が減ると震えや鳴き声だけになり、やがて電源が切れます。自分で充電台に戻らないので、ハウスに入れる役目は人にあります。毛並みの汚れは固く絞ったタオルで拭くのが基本で、気になるときはカシオのお手入れサービス「Moflin サロン」に預ける形です。鳴き声が気になる時間には、アプリの「熟睡モード」で動きと声を止められます。

床を走るタイプは、置き場所の条件が増えます。KEYi Techは、Loonaを平らで安定した場所で使い、階段や段差の縁から離すよう案内しています。ケーブルや小物が床に散らばる部屋、段差の多い家では、遊べる範囲が思ったより狭くなるかもしれません。LOVOTも、約2年に1回の定期点検「LOVOTドック」の料金がプランごとに決まっていて、長く暮らすほど世話の予定が暮らしに入ってきます。

子どもと、本物のペットがいる家で

子どもと一緒に遊ぶ目的でLoonaを考える家庭は多いはずです。KEYi Techは公式ブログで、6〜12歳を推奨年齢に挙げ、取扱説明書では3歳未満には適さないとしています。耳は乱暴に扱うと壊れやすく、年少の子には大人の見守りを求め、「ベビーシッターではない」とわざわざ書いています。子どもが夢中になるかどうかより、壊れやすい部分を家族でどう扱うかを先に決めておくほうが、長く楽しめるはずです。

本物の犬や猫がいる家では、相手が受け入れるかどうかが別の問題になります。KEYi Techは、最初は動きを止めた「スタチューモード」で10〜15分ほど見せることから始めるよう勧め、猫が叩いたり、犬が侵入者のように吠えたりすることがあると認めています。カシオもMoflinの取扱説明書で、外出時はペットを製品に近づけず、ACアダプターをコンセントから抜くよう注意しています。ペットが噛んだり尿がかかったりすると、ショートで火災の原因になるためです。

留守中のペットの様子を見たいことが一番の目的なら、ペットロボットより見守りカメラが向いています。選び方は見守りカメラの記事で整理しています。

3年後も、同じように動いているか

ペットロボットは、何年も一緒に暮らすことを前提にした製品です。それだけに、会社やサービスの事情でロボットの暮らしが変わるリスクを、買う前に知っておく価値があります。

過去には実例があります。Ankiの小型ロボットVectorは、ソフトの更新と音声コマンドの処理にクラウドを使っていました。Ankiは2019年4月に事業を止め、知的財産を引き継いだDigital Dream Labsには、2020年9月30日までサーバーを維持する契約上の義務がありました。修理情報サイトのiFixitによれば、2024年1月の時点でVector向けのサーバーは止まり、音声認識を使うには有志のソフトを入れる必要があります。

米国の家庭用ロボットJiboも、2019年3月にサーバーの停止をロボット自身が持ち主に告げたと報じられました。報道では、呼びかけには応える一方、アプリやクラウドを使う写真の撮影・保存などはできなくなるとみられていました。

クラウドに頼らない製品にも、部品の寿命があります。ソニーは旧AIBOシリーズの生産を2006年に終え、その後、交換部品がなくなったことを理由に保守も終えました。ソニーのサポートページには、修理の受付が終わったことが記されています。後継にあたるaibo ERS-1000も公式サイトで販売終了と案内されていますが、こちらは2026年3月にも本体のシステムソフトウェアの更新が公開されており、販売の終了がそのままサービスの終了を意味するわけではありません。

いまの機種を、この物差しで見直してみます。LOVOTは、GROOVE Xが「毎日活動するためにはソフトウェアの利用が必要」と明記し、LOVOT 3.0はネットにつながっていれば契約情報を自動で取得するものの、30日ごとに契約情報を更新できないと動かなくなると公式ヘルプで説明しています。月額を払い続ける限り手厚く世話をしてもらえる一方、会社とのつながりがロボットの活動そのものの条件になっている設計です。

KATAフレンズは会話の言語モデルが本体で動くと発表されていますが、暮らし続けるにはくらしプランへの加入が必要です。Moflinはスマホと直接Bluetoothでつながるだけで、通信の面で外部のサーバーに頼る部分は少ない作りです。Loonaは賢い機能にWi-Fiを使い、KEYi Techは主な機能に月額は要らないとする一方、アプリの一部機能に将来小さな料金がかかる可能性にも触れています。

手に入れる前に見ておきたいのは、「このサービスが止まったら、手元に何が残るか」です。メーカーはそこまで公表していないことが多いので、少なくとも、ネットにつながらないと何ができなくなるのか、保証と修理の窓口が国内にあるのかは見ておきたいところです。

Loonaについて言えば、KEYi Techは1年間の保証は購入した国でのみ有効としています。日本で使うなら、国内販売元のマクロジが扱う正規品を選ぶのが筋です。メーカー自身のブログも、数か月でモーターの摩耗を訴える人がいること、1年後に部品が壊れたというレビューがあることを書いています。

買わなくていい人

ここまでを踏まえると、次のような人は、いま買わなくてかまいません。

  • 「飽きたら売ればいい」と考えている人。月額や点検の契約がある機種では、手放すまでのあいだも費用がかかります
  • 毎日、数分でも相手をする時間を想像できない人。仕掛ける遊びのロボットは、相手がいないと充電台で待つだけになります
  • 本物のペットの代わりに、留守番や見守りを任せたい人。その目的には見守りカメラのほうが確実です
  • 小さな子が一人で遊ぶ前提の家。メーカー自身が大人の見守りを求めています
  • 5年、10年と同じ個体と暮らしたいのに、サービス終了時の扱いが見えない機種しか候補にない人

迷ったら、まず借りてみる

ペットロボットは、借りて試せる数少ない高額ガジェットです。LOVOTには公式レンタル「LOVOT ホームステイ」があり、最短21泊22日で49,500円(税込、事務手数料・送料込み)。期間が終わったら、その個体をそのまま迎えることもできます。カシオのMoflin購入ページには「お試しでお迎え」としてレンタルへの入り口があり、KATAフレンズもレンタルサービスに並んでいます。

3週間あれば、最初の興奮が落ち着いたあとの自分の気持ちが見えてきます。平日の夜に話しかけたか、充電を面倒に感じなかったか、家族やペットがどう受け止めたか。その記録が、どの機種の説明書よりも確かな判断材料になります。

Loonaのように自分から遊びを仕掛けたい人は、子どもや家族と遊ぶ時間が日常にあるかを確かめてから、国内の正規販売品を選んでください。Loonaの仕様は製品ページ、会話を本体で処理するKATAフレンズは製品紹介にまとめています。触れて落ち着ける相手が欲しい人はMoflinから、家族として迎えるつもりの人はLOVOTのレンタルから。どれにも心が動かなければ、それも一つの答えです。

Sources

  1. PR TIMES(マクロジ)「海外で人気のAIペットロボット『Loona(ルーナ)』—マクロジが日本国内の独占販売権を取得」(2025年12月4日) (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  2. KEYi Tech「Is the Loona AI Robot Toy Right for Your Family?」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  3. KEYi Tech「A Look at Loona Robot Dog's Price, Features, and Long-Term Value for Pet Lovers」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  4. KEYi Tech「Is Loona Petbot Safe for Kids and Pets」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  5. カシオ計算機「Moflin 取扱説明書」(2026年7月作成) (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  6. カシオ計算機「Moflin 購入ページ」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  7. GROOVE X「LOVOTの価格」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  8. GROOVE X「QRコードでの契約情報更新」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  9. GROOVE X「LOVOT公式レンタルサービス『LOVOT ホームステイ』」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  10. Impress Watch「SwitchBot、AIペットロボット『KATA Friends』」発表記事 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  11. パナソニック「ニコボの冬割キャンペーン」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  12. ソニー「aibo オフィシャルサイト」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  13. ソニー「AIBO サポート」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  14. IEEE Spectrum「Sony Halts Support for Aibo, Still One of the Best Robot Toys Ever」(2015年2月26日) (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  15. The Robot Report「Anki addresses shutdown, ongoing support for robots」(2019年5月7日) (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  16. The Robot Report「Anki assets acquired by Digital Dream Labs」(2019年12月26日) (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  17. iFixit「Anki Vector Repair」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  18. ギズモード・ジャパン「ソーシャルロボットJiboが、続々とユーザーに別れを告げている」(2019年3月7日) (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  19. 購入前の疑問の例:Rentio「カシオ Moflin」レビュー一覧(新しいタブで開きます)
  20. 購入前の疑問の例:Rentio「LOVOT」レビュー一覧(新しいタブで開きます)

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