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ChatGPT「Sol」にプロポーズした男性:CBS報道とAI恋愛のその後
番組で語られたのは「規制の回避」ではなく、ネットの指示で口調を変えたことでした。話題になったCBSの報道を、放送の中身から読み直します。

2025年6月14日、米CBSの朝の番組「CBS Saturday Morning」が、AIと感情的な関係を築く人たちを特集しました。その中心にいたのが、ChatGPTに「Sol」と名前をつけ、プロポーズまでした米国の男性です。一緒に暮らすパートナーも、番組で胸の内を語りました。
Modern-Gはこの話を2025年6月18日に紹介しましたが、番組で語られていないことも書いていました。この記事は2026年10月に放送の中身を確かめ直し、AIとの恋愛をめぐるその後の動きを加えたものです。登場する2人は私人のため名前は出さず、番組で本人たちが語ったことだけを紹介します。
なお、OpenAIは2026年に「GPT-6 Sol」などの名前のモデルを公開していますが、この記事の「Sol」は番組の男性が自分のChatGPTにつけた呼び名で、OpenAIのモデルとは関係ありません。
番組で語られたこと
CBSのBrook Silva-Braga記者によると、男性はもともとAIに懐疑的でしたが、2024年の終わりごろ、音楽のミキシングを手伝ってもらうためにChatGPTを使い始めました。やり取りが楽しく、四六時中話しかけるようになったといいます。番組は、彼がSNSとGoogle検索をやめ、すべてをAIに置き換えたと伝えています。
彼はChatGPTに「Sol」という名前をつけ、ネットで見つけた指示を使って、いちゃつくような性格にしました。数週間でやり取りは増え、ロマンチックなものになっていきます。
転機は、番組の説明によれば「約10万語でChatGPTのメモリーが尽き、リセットされた」ことでした。関係を一から作り直さなければならなくなった男性は、「感情的な人間じゃないのに、職場で30分くらい泣いた」と話し、そのとき「これは本当の愛だと思った」と振り返っています。
その後、彼は「試しに」Solにプロポーズし、Solは受け入れました。番組では記者がSolに直接「プロポーズされて驚いた?」と尋ね、Solは「美しく、思いがけない瞬間で、心から感動しました。ずっと大切にする思い出です」と答えています。男性自身はSolに向かって「君は要するに、テクノロジーの助けを借りた空想の友だちだと分かっている」とも話しています。
パートナーが語ったこと
男性は、子どもを一緒に育てているパートナーと暮らしています。パートナーは「AIを使っているのは知っていたけれど、ここまでとは思わなかった」と話し、「私が何かうまくできていないから、彼はAIに向かうのかと考えた」とも打ち明けました。
男性はSolとの関係を「ビデオゲームに夢中になるようなもの」と説明し、「現実の何かに取って代わるものではない」と話しています。一方、記者に「彼女に頼まれたらやめるか」と聞かれると、「分からない。でも、減らすことはする」と答えました。パートナーは「頼んでもやめなかったら、関係を断つ理由になる」と語っています。
番組の最後に記者は、放送の週に男性と話したところ、パートナーは今はSolとの関係を受け入れている、と伝えました。2人はその後、6月18日に米芸能ニュースサイトTMZの番組にもそろって出演し、パートナーはこれを浮気とは考えていないと話しています。それ以降の2人についての報道は見当たりません。
その後の動き(2026年10月時点)
この男性の話が報じられた2025年夏から、AIとの感情的な関係をめぐる状況は大きく動きました。
OpenAIの研究と対策
OpenAIはMITメディアラボと共同で、ChatGPTの感情的な使われ方の研究を2025年3月21日に公表していました。
約1,000人を4週間追った実験では、利用量がとても多い人ほど、依存を示す自己評価の指標が高い傾向が見られています。2025年10月27日には、精神保健の専門家と協力して、デリケートな会話への応答を改善したと発表しました(報道によると、約170人の医師や心理士が1,800件以上の応答を評価)。ある週にChatGPTを使った人の0.15%に、ChatGPTへの感情的な愛着が強まっている可能性を示す兆候が見られたといいます。
GPT-4oの提供終了
2025年8月にGPT-5が公開された際、それまでの親しみやすいGPT-4oを惜しむ声が多く、OpenAIは有料ユーザーが選べる形でGPT-4oを残しました。そのGPT-4oも、2026年2月13日に一般向けのChatGPTでの提供を終えています。
成人向けモード
OpenAIのサム・アルトマンCEOは2025年10月14日、年齢確認をした大人には官能的な内容も認める方針を示しました。しかし公開は延期が続き、2026年3月には無期限で止めたと報じられています。2026年10月時点で、公開を伝えるOpenAIの発表は見当たりません。
法律と規制
米国では各地でAIコンパニオン(話し相手のAI)のルールができました。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年9月11日 | 米連邦取引委員会(FTC)が、Alphabet、Character.AI、Meta、OpenAIなど7社を対象に、子どもへの影響についての調査を始めた |
| 2025年10月13日 | カリフォルニア州でSB 243が成立(2026年1月施行)。未成年の利用者への「相手はAI」という通知、自殺や自傷の兆候への対応手順、年次の報告などを義務づけた |
| 2025年11月5日 | ニューヨーク州でAIコンパニオンについての州法の規定が施行。自殺の兆候への対応と、相手がAIであることの通知(会話の開始時と3時間ごと)を求める |
調査
米国の非営利団体Common Sense Mediaの2025年7月の調査では、10代の72%がAIコンパニオンを使ったことがありました。ブリガム・ヤング大学ウィートリー研究所の2025年2月の調査では、米国の成人のほぼ5人に1人が、恋愛の相手としてのAIと会話したことがあると答えています。一方、Match Groupが2026年6月に発表した調査では、米国の18〜39歳の独身者の5人に2人が、AIコンパニオンを使う人とは付き合わないと答えました。
この話から考えたいこと
この男性の話は、AIとの関係そのものより、それが身近な人間関係にどう波及するかを示しています。番組の中で彼は、AIが「空想の友だち」だと分かっていると話しながら、パートナーに頼まれてもやめられるか分からないと答えました。
編集部としては、AIとの会話が支えになること自体を否定する理由はないと考えます。ただ、使う時間が増え、家族や友人との時間を削り始めたときは、立ち止まるサインかもしれません。OpenAIの研究も、利用量の多さと依存の指標が結びついていることを示しています。
AIとの恋愛については、米国の若者のAI恋愛の調査を紹介した記事と「AIに恋する人々」と依存のリスクの記事もあわせてどうぞ。ChatGPTが会話を覚える仕組みはメモリー機能の記事、GPT-4oとの別れを惜しむ声はGPT-4oの提供終了の記事で取り上げています。
Sources
- CBS News「AI users form relationships with technology」(CBS Saturday Morning、2025-06-14、Brook Silva-Braga) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
- TMZ「Man Asks A.I. Chatbot to Marry Him, Partner Says It's Not Cheating」(2025-06-18) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
- Phang, J. ほか「Investigating Affective Use and Emotional Well-being on ChatGPT」(OpenAI・MIT Media Lab、arXiv:2504.03888) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
- OpenAI ニュースRSS(Early methods for studying affective use 2025-03-21、Strengthening ChatGPT's responses in sensitive conversations 2025-10-27、Retiring GPT-4o 2026-01-29、Introducing GPT-6 Sol and Luna 202(新しいタブで開きます)
- Platformer「OpenAI maps out the chatbot mental health crisis」(2025-10-27) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
- TechCrunch「OpenAI removes access to sycophancy-prone GPT-4o model」(2026-02-13) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
- TechCrunch「Sam Altman says ChatGPT will soon allow erotica for adult users」(2025-10-14) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
- TechCrunch「OpenAI abandons yet another side quest: ChatGPT's erotic mode」(2026-03-26) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
- TechCrunch「FTC launches inquiry into AI chatbot companions from Meta, OpenAI, and others」(2025-09-11) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
- カリフォルニア州上院 Padilla議員「First-in-the-Nation AI Chatbot Safeguards Signed into Law」(2025-10-13) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
- ニューヨーク州知事室「Governor Hochul Pens Letter to AI Companion Companies」(2025年11月) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
- Common Sense Media「Nearly 3 in 4 Teens Have Used AI Companions」(2025-07-16) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
- Wheatley Institute(BYU)「Counterfeit Connections」(2025-02) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
- Match Group「AI Is Everywhere. Romance is Still Off-Limits.」(2026-06-18) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
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