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Google Labsとは?いま試せるAI実験と日本での使い方、終わった実験

2025年7月に紹介した10の実験は、2026年10月の一覧に一つも残っていません。Google Labsの仕組みと、いま試せるもの、使う前に知っておきたい条件をまとめ直しました。

Modern-G 編集部更新 約7分で読めます
三角フラスコの輪郭の中に小さな四角いカードが何枚も浮かび、そのうち1枚だけがフラスコの口から外へ出ていく、抽象的なイラスト
イラスト:Modern-G

Google Labs(グーグル ラボ)は、Googleが開発中のAIの試作品を公開し、使った人の反応を見ながら育てていく場所です。公式サイトlabs.googleは、自らを「GoogleのAI実験の拠点」と説明しています。

この記事は2025年7月4日に公開した記事を、2026年10月29日時点の情報で書き直したものです。当時紹介した10の実験は、その後すべてLabsの一覧から姿を消しました。一覧の入れ替わりの早さこそがLabsの性格をよく表しています。ここでは、仕組み、いま並んでいる実験、日本から使うときの条件、そして実験が終わるときに気をつけたいことを順に整理します。

Google Labsとは:試作品を公開して育てる場所

labs.googleのトップページには、「早く試して、感想を送り、日々使う製品に育てる手助けをしてほしい」という趣旨の説明があります。並んでいるのは完成品ではなく実験で、仕様が変わったり、予告なく終わったりする前提のものです。

うまく育った実験は、独立した製品として「卒業」します。2026年10月時点でlabs.googleが卒業生として挙げているのは次の5つです。

  • Gemini(旧Bard)
  • Google Flow(旧VideoFX):画像と動画を作るAIのスタジオ
  • Gemini Notebook(旧Project Tailwind、のちのNotebookLM。2026年7月16日に改名)
  • Google Flow Music(旧ProducerAI)
  • Google AI Studio(旧MakerSuite)
Google Labsの実験がたどる3つの道を示した図。左にLabsで公開される実験があり、右に3つの行き先がある。1つ目は製品として独立する道で、例はGemini、Google Flow、Gemini Notebook。2つ目は別の製品に統合される道で、例はWhiskとImageFXがFlowに統合されたこと。3つ目は終了する道で、例はGenChess。
実験の行き先は3通り(模式図)。labs.googleの「Life beyond the Lab」とGoogleの告知をもとに作図Modern-G作図

2002年の初代Labsから、2023年のAI実験の場へ

Labsという名前自体は古く、Googleは2002年にはlabs.google.comで試作品を公開していました。2006年の旧ページの「Labsの卒業生」には、Googleマップ、Google Scholar、Googleデスクトップなどが並んでいます。

旧記事では「Gmailなどの名作も、実はこのLabsから生まれている」と書きましたが、これは確認できませんでした。Googleが2004年4月1日に出したGmailの発表は、Gmailを社員が業務時間の一部を自由な開発に使う「20%ルール」から生まれたものとしており、Labsには触れていません。旧Labsの卒業生一覧にもGmailはありません。Gmailの中にあった「Gmail Labs」は、Gmailの試験機能を切り替える別の仕組みです。

初代Labsは、2011年7月20日の公式ブログで終了が発表されました。その後、2023年5月のGoogle I/Oで検索の新機能を試す「Search Labs」が始まり、Labsは生成AIの実験を公開する場として戻ってきました。

Google Labsの歩みを示す年表。2002年にlabs.google.comで試作品を公開。2006年の旧ページに「Labsの卒業生」としてGoogleマップやGoogle Scholarなどが並ぶ。2011年7月20日に公式ブログで初代Labsの終了を発表。2023年5月のGoogle I/OでSearch Labsが始まり、生成AIの実験の場として復活。2026年4月30日にWhiskが終了し、主な機能はGoogle Flowに統合。2026年7月16日にNotebookLMがGemini Notebookに改名。2026年10月29日時点でlabs.googleに17の実験が並ぶ。
初代Labsから現在のAI実験の場までの主な出来事Modern-G作図

2026年10月時点で試せる主な実験

labs.googleには2026年10月29日時点で17の実験が並んでいます。分野ごとに主なものを抜き出すと次のとおりです。説明はlabs.googleの紹介文の要約です。

分野実験何ができるか
つくるGoogle Flow MusicAIと一緒に曲をつくる音楽スタジオ
つくるStitch言葉で説明したアイデアからアプリやウェブの画面(UI)を生成
つくるOpal自然な言葉でAIの小さなアプリを作り、編集し、共有
開発Julesバグ修正やテスト作成などを任せられる、非同期で動くコーディングエージェント
学ぶLearn Your Way読みたい資料を、自分に合わせた学習コンテンツに変える
暮らしDreambeans関心に合わせた話題を毎日まとめて届ける(米国のみ)

このほか、家族の予定や用事を手伝うエージェント「CC」、ゲームを言葉で作れる「Playground」、研究者向けの論文調査ツールなどが並んでいます。一覧は数か月単位で入れ替わるので、使う前にlabs.googleで確かめるのが確実です。

使い始めるには、labs.googleで気になる実験のカードを開き、「Try It Now」(今すぐ試す)から個人のGoogleアカウントでログインします。「Learn More」や「Join Waitlist」と書かれたものは、説明だけのものや順番待ちの登録が必要なものです。検索の実験(Search Labs)は、Googleアプリや検索画面に表示されるLabsのアイコンから試せます。

AIで画像や動画、音楽を作る道具に関心があるなら、Google以外の選択肢としてAI音楽制作機「LAVA STUDIO」の記事も参考になります。

2025年7月に紹介した10の実験はどうなったか

旧記事で取り上げた10の実験の、2026年10月29日時点の状況です。

実験現在の状況
Whisk(画像生成)2026年4月30日に終了し、主な機能はGoogle Flowに統合。期限後に残った画像は削除された
National Gallery Mixtape、Food Mood、Talking ToursもともとGoogle Arts & Cultureの実験。Arts & Cultureのサイトにページが残っている
GenChessURLがLabsのトップに転送され、提供されていない(終了の告知は見当たらない)
GenTypeページは残るが、Labsの一覧から外れている
Career DreamerGrow with Googleで「初期段階の実験」として提供中。米国のみ
Learn About登録ページだけが残り、Labsの一覧にない
Illuminateページのタイトルが「Illuminate \
Stitch現在もLabsの実験として一覧の上位に掲載

Stitchのように育ち続ける実験がある一方、Whiskのように、旧記事の公開から1年足らずで役目を終えた実験もあります。

日本から使うときの条件

Labsの実験は「誰でも自由に」使えるわけではありません。共通の利用規約ページはなく、条件は実験ごとに決まっています。2026年10月時点の公式ヘルプで確認できる主な条件は次のとおりです。

  • 年齢とアカウント:Search Labsは18歳以上で、自分で管理する個人のGoogleアカウントが必要です。Google Workspace(学校や会社のアカウント)では使えません。
  • 地域:Search Labsは日本でも提供されていますが、「限られた人数」が対象です。Career DreamerやDreambeansのように米国だけの実験もあります。
  • 有料プラン:Google Flowは18歳以上で年齢確認が済んでいること、対応地域にいること、Google AI Plus・Pro・Ultraのいずれかに登録していることが条件です(対象のGoogle Workspaceプランでも、追加料金なしで使えます)。日本は対応地域に入っていますが、追加のAIクレジットは日本では購入できません。
  • 毎月のクレジット:Googleの料金ページでは、Flowのクレジットは月にAI Plusが200、AI Proが1,000、AI Ultraが10,000または25,000です。

検索の「AIモード」は、2025年9月9日から日本語で一般に使えるようになっており、Labsへの参加は必要ありません。Pixelなど端末に組み込まれたGoogleのAI機能については、Pixel 9 Proと8 Proの比較も参考になります。

実験を使う前に知っておきたいこと

いちばん大事なのは、実験は終わることがあるという点です。Whiskの終了時、Googleは期限までに作品を保存するよう呼びかけ、期限後に残ったデータは削除するとしていました。Flowが提供されていない国の利用者には移行の手段もありませんでした。気に入った実験で作ったものは、こまめに手元へ保存しておくのが安全です。

もう一つは、入力する内容です。実験の多くは、利用者の反応をもとに改良することを目的に公開されています。仕事の資料や個人情報を入れる前に、その実験のプライバシーの説明を確認してください。AIに預けた情報の扱いを確認する考え方は、ChatGPTのメモリの仕組みと確認方法でも整理しています。

編集部としては、Labsは「次の定番」を早く知る場所としては今も価値があると考えます。ただ、旧記事のように「次のバズの原石」として一つひとつに期待をかけるより、試して合えば使い、終わる前提で付き合う、くらいの距離感が実際的です。

Sources

  1. Google Labs「Google's home for AI experiments」 (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  2. Google Workspace Updates「Whisk is moving to Flow on April 30, 2026」(2026年3月) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  3. Google Blog「Flow updates: New changes to Google AI video editing tool」(2026-02-25) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  4. Google Blog「NotebookLM is now Gemini Notebook」(2026-07-16) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  5. Google Flow ヘルプ「Google Flow を使ってみる」 (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  6. Google Flow ヘルプ「Google Flow を利用できる国と地域」 (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  7. Google 検索ヘルプ「Try experiments in Labs」 (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  8. Google 検索ヘルプ「Where Search Labs & experiments are available」 (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  9. Google Japan Blog「Google 検索の AI モードを日本語で提供開始します」(2025-09-09) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  10. Gemini「Google AI Pro と Ultra」プランのページ(Flowクレジット) (2026-10-29確認、価格はブラウザ表示のため未確認)(新しいタブで開きます)
  11. Grow with Google「Career Dreamer」 (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  12. Stitch「Design with AI」 (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  13. Google Arts & Culture「Talking Tours」 (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  14. Google Blog「Sign up for Google Search Labs」(2023-05-10) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  15. Official Google Blog「More wood behind, fewer arrows」(2011-07-20) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  16. Google Press Center「Google Gets the Message, Launches Gmail」(2004-04-01) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)
  17. Internet Archive保存版:Google Labs(labs.google.com、2006-06-13保存、「Graduates of Labs」) (2026-10-29確認)(新しいタブで開きます)

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