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ChatGPTはどこまで記憶する?2025年4月のメモリ強化と今の設定・オフ方法
新しいチャットで前の話が通じたり、通じなかったり。2025年4月に強化されたChatGPTのメモリの中身と、今の設定画面での確認・オフの方法を、OpenAIの発表とヘルプから整理しました。

ChatGPTで新しいチャットを開いたら、前に話したことを覚えていた。あるいは逆に、きのうの話がまったく通じなかった。「ChatGPT 新しいチャット 記憶」「前の会話 覚えてない」と検索する人の多くは、この二つのあいだで戸惑っているはずです。
鍵になるのが、ChatGPTの「メモリ」機能です。2025年4月10日(米国時間)、OpenAIはこのメモリを強化し、明示的に保存した情報に加えて、過去のチャットそのものも参照できるようにしました。この記事は、その発表を当時の内容のまま整理し直したうえで、2026年10月時点の設定画面で記憶を確認・削除・オフにする方法をまとめています。
前半が2025年4月の出来事、後半が今の使い方です。設定だけ知りたい人は「メモリを確認・削除・オフにする手順」から読んでください。
2025年4月に何が変わったのか:「チャット履歴」も参照するように
OpenAIは2025年4月10日、メモリの紹介ページに追記する形で強化を発表しました。それまでのメモリは「保存したメモリ(saved memories)」が中心でしたが、これに過去の会話から得た情報を使う「チャット履歴(chat history)」が加わり、メモリは二本立てになりました。
当時の発表によると、対象はChatGPT PlusとProのユーザーで、Team、Enterprise、Eduには「数週間後」に提供するとしていました。無料プランで使えるのは、従来の保存したメモリだけでした(2025年5月8日のリリースノート)。すでにメモリをオフにしていた人は、過去の会話も既定では参照されない仕組みです。
地域にも制限がありました。MaginativeやDecryptの当日の報道によると、欧州経済領域(EEA)、英国、スイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインは対象外で、Maginativeは追加の規制面の確認が必要なためと伝えています。日本はこの除外地域に入っていません。
OpenAIのサム・アルトマンCEOは同日、X(旧Twitter)で「過去のすべての会話を参照できるようになった」と投稿し、人生を通じて利用者を知り、役に立つAIへの一歩だと位置づけました。
メモリそのものは、このとき初めて登場したわけではありません。2024年2月に一部ユーザーでテストが始まり、同年4月にPlus、9月には無料プランやTeam、Enterpriseにも広がっていました。2025年4月の強化は、記憶の「範囲」を広げたアップデートです。
「保存したメモリ」と「チャット履歴の参照」はどう違うか
2つの記憶は、残り方も消し方も違います。ここを押さえておくと、「覚えている・覚えていない」の多くは説明がつきます。
| 項目 | 保存したメモリ | チャット履歴の参照 |
|---|---|---|
| 中身 | 覚えるよう頼んだことや、ChatGPTが役に立つと判断して保存した詳細 | 過去の会話から得た関連する情報 |
| 一覧で見られるか | 見られる(編集・削除できる) | 個別の一覧はない。回答の「ソース」やメモリの概要で一部を確認できる |
| 元のチャットを消すと | 消えない。メモリ側も削除が必要 | 参照元から外れる(反映には時間がかかることがある) |
| オフにすると | 「保存したメモリを参照する」をオフにすると、チャット履歴の参照もオフになる | 「チャット履歴を参照する」をオフにすると、過去のチャットから記憶した情報は30日以内に削除予定になる |
(OpenAIの日本語ヘルプ「ChatGPT のメモリ」による。2026年10月23日に確認)
旧記事は、新機能を「過去の会話すべてを自動で文脈に含める」と表現していました。2025年4月の発表文も「すべての過去の会話を参照する」と書いていますが、現在のヘルプは、メモリは会話のあらゆる詳細を保持するわけではなく、毎回の回答で履歴を検索するわけでもないと説明しています。実際には「関連がありそうなときに、必要な部分を探して使う」仕組みと考えるのが正確です。
新しいチャットで前の会話を覚えていないとき
「リセットされた」「忘れられた」と感じたら、故障を疑う前に次の点を確かめてください。いずれもOpenAIのヘルプに書かれている条件です。
- メモリ、または「チャット履歴を参照する」がオフになっている。
- 一時チャットで話していた。一時チャットは、パーソナライズの有無にかかわらず、メモリを作ったり更新したりしません。
- プロジェクトの中で話していて、そのプロジェクトが「プロジェクト専用メモリ」になっている。プロジェクトの外の会話とは互いに参照し合いません。
- 会社や学校のアカウント(Enterprise・Edu)を使っている。プロジェクトの外のチャットでは、ほかのチャットを参照できない仕様です。管理者がメモリを無効にしている場合もあります。
- 細かい内容だった。メモリはすべての詳細を保持するわけではありません。
プランによる差もあります。2025年6月に無料プランにも過去の会話の参照が広がりましたが、OpenAIは無料プラン向けを「短期間の連続性を保つ軽量版」、PlusとProを「より長期的な理解」と説明していました。このとき無料ユーザーには、ログインしていることと最新のアプリが条件とされています。
確実に覚えておいてほしいことがあるなら、「これを覚えておいて」と頼むのがいちばんの近道です。毎回の応答の仕方まで決めたいなら、メモリよりカスタム指示のほうが向いています。OpenAIは、カスタム指示を「直接の指示」、メモリを「会話を通じて育つ情報」と区別しています。口調や性格の選び方はChatGPTの「個性」機能の記事でも取り上げました。
逆に、古い話を引きずって回答がぶれると感じるなら、記憶が多すぎるのかもしれません。会話の文脈がたまりすぎる問題は、エッセイ「コンテキスト汚染」でも考えています。
メモリを確認・削除・オフにする手順(2026年10月時点)
ここからは2026年10月23日時点の、OpenAIの日本語ヘルプに基づく手順です。項目名はプラン、地域、アプリの版によって異なり、表示されない項目はまだそのアカウントで使えない可能性がある、とOpenAIは注記しています。
記憶の確認と修正
- 「設定」を開き、「パーソナライズ」「メモリ」の順に選ぶ。
- 表示される「メモリの概要」や「保存したメモリ」「管理」で、ChatGPTが使う可能性のある情報を確認する。
- 誤りや古い内容は、概要の入力欄に直したい内容を書くか、該当箇所を選んで訂正する。
チャットの中で「私について何を覚えている?」と聞くこともできます。ただし概要は大まかなまとめで、すべてが載るわけではありません。回答の下に「ソース」が出たときは、その回答に使われた過去のチャットや保存したメモリを開いて、修正や削除ができます。
記憶をオフにする、消す
- 過去の会話だけ使ってほしくない:「チャット履歴を参照する」をオフ。過去のチャットから記憶した情報は30日以内に削除予定になり、チャット自体は履歴に残ります。保存したメモリは消えません。
- メモリ全体を止めたい:「メモリ」(または「保存したメモリを参照する」)をオフ。過去のチャットは削除されません。
- 記憶を消してオフにしたい:メモリの概要のメニュー(•••)から「削除してメモリをオフにする」。
- 特定の情報を完全に消したい:保存したメモリと、その情報を最初に話したチャットの両方を削除する。アーカイブ済みのチャットやライブラリのファイルにも残っていないか確認する。
チャットを消しても、そこから作られた保存したメモリは自動では消えません。また、OpenAIは削除した保存したメモリのログを、安全確保とデバッグのため最長30日保持することがあるとしています。
一時チャットと、学習への利用
その場かぎりの相談なら一時チャットが便利です。新しいチャットで「一時チャット」を選び、最初のメッセージを送る前に「パーソナライズなし」を選ぶと、既存のメモリもカスタム指示も使いません。どちらを選んでも、一時チャットのあいだはメモリは作られません。保存すると通常のチャットになり、メモリの対象に戻る点には注意してください。
メモリをオフにしても、会話がモデルの学習に使われるかどうかは別の設定です。個人のアカウントでは、「設定」の「データコントロール」にある「すべての人のためにモデルを改善する」で切り替えます。AIに打ち明ける話が深くなるほど、この2つの設定は確かめておきたいところです。人がAIに本音を預けるようになった背景は、エッセイ「AIはもう「ただの道具」ではない」で書きました。
その後の動き(2026年10月時点)
2025年4月の強化のあと、OpenAIはメモリの対象と管理の手段を少しずつ広げてきました。リリースノートで確認できた主な動きは次のとおりです。
| 日付(米国時間) | 動き | 対象 |
|---|---|---|
| 2025年4月16日 | ウェブ検索の検索語づくりにもメモリを使うように | — |
| 2025年5月8日 | EEA・英国・スイスなどでもPlus・Proに提供。欧州では既定でオフ | Plus・Pro |
| 2025年6月3日 | 無料プランでも最近の会話を参照(軽量版) | 無料 |
| 2025年8月22日 | プロジェクトの作成時に「プロジェクト専用メモリ」を選べるように | プロジェクト |
| 2025年10月15日 | 保存したメモリの自動整理。検索・並べ替え、以前の版の復元も | Plus・Pro(ウェブ) |
| 2026年1月15日 | 過去のチャットから細部を探す精度を改善。使ったチャットをソースとして表示 | Plus・Pro |
| 2026年5月5日 | 回答に使った記憶を「ソース」として表示し、修正・削除できるように | 個人向けの全プラン |
| 2026年6月4日 | 記憶を自動で最新に保つ「改善されたメモリ」。容量は2倍に | 米国のPlus・Proから順次 |
| 2026年6月12日 | メモリの概要の修正と「削除してメモリをオフにする」 | 全ユーザー(ウェブから) |
| 2026年8月14日 | 既存のプロジェクトでもメモリ設定を切り替え可能に | 全プラン |
| 2026年8月27日 | 一時チャットで「パーソナライズあり/なし」を選べ、保存もできるように | — |
プロジェクトのメモリ設定は、プロジェクトを開いてメニュー(•••)から「プロジェクト設定」を選び、「メモリ」で「デフォルトメモリ」か「プロジェクト専用メモリ」を選んで保存します。反映まで数時間かかることがあります。ほかの人と共有したプロジェクトは、自動的にプロジェクト専用メモリになり、デフォルトには戻せません。
2026年9月には、メモリやデータの扱いをまとめて案内する「プライバシーセンター」も設けられ、ウェブではアカウントメニューの「ヘルプ」から開けます。一方で、記憶の使い道は広がっています。2026年2月に米国で始まった広告のテストでは、広告のパーソナライズを有効にしている場合、過去のチャットやメモリも広告の選択に使われると説明されています。広告導入をめぐる当時の議論はChatGPTの広告に関する記事にまとめました。
まとめ:覚えてほしいなら頼む、忘れてほしいなら設定で
2025年4月の強化で、ChatGPTの記憶は「頼んだことを覚える」から「過去の会話も参照する」へ広がりました。旧記事が書いた「あなたを忘れない」は言いすぎで、実際には関連がありそうな部分を探して使う仕組みであり、オン・オフも中身も利用者が管理できます。
覚えていなくて困っている人は、まずメモリと「チャット履歴を参照する」がオンか、一時チャットやプロジェクト専用メモリで話していないかを確かめてください。覚えていてほしくない人は、「チャット履歴を参照する」のオフ、一時チャットの「パーソナライズなし」、保存したメモリの削除を組み合わせるのが確実です。
モデルの世代交代でChatGPTの話し方が変わっても、メモリの設定は残ります。2025年当時の主力モデルだったGPT-4oの退役についてはGPT-4oとの別れを書いた記事もあわせてどうぞ。
Sources
- OpenAI「Memory and new controls for ChatGPT」(2024-02-13公開、2024-09-05・2025-04-10・2025-06-03追記) (2026-10-23確認)(新しいタブで開きます)
- OpenAI Help Center「ChatGPT — Release Notes」(2024-04-29〜2026-10-20の該当項目) (2026-10-23確認)(新しいタブで開きます)
- OpenAI Help Center「ChatGPT のメモリ」(日本語版) (2026-10-23確認)(新しいタブで開きます)
- OpenAI Help Center「Memory in ChatGPT」(英語版) (2026-10-23確認)(新しいタブで開きます)
- OpenAI Help Center「一時チャット」(日本語版) (2026-10-23確認)(新しいタブで開きます)
- OpenAI Help Center「ChatGPT のプロジェクト」(日本語版) (2026-10-23確認)(新しいタブで開きます)
- OpenAI Help Center「Projects in ChatGPT」(英語版) (2026-10-23確認)(新しいタブで開きます)
- OpenAI Help Center「ChatGPT のデータ管理」(日本語版) (2026-10-23確認)(新しいタブで開きます)
- OpenAI Developer Community「ChatGPT can now reference all past conversations – April 10, 2025」(2025-04-10、サム・アルトマン氏の投稿を引用) (2026-10-23確認)(新しいタブで開きます)
- Maginative「ChatGPT Can Now Remember Your Past Conversations」(2025-04-10) (2026-10-23確認)(新しいタブで開きます)
- Decrypt「ChatGPT Gets Total Recall: OpenAI's Memory Upgrade Remembers Your Whole Chat History」(2025-04-10) (2026-10-23確認)(新しいタブで開きます)
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