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近未来ガジェットとは? AI・空間表示・ロボットはどこまで来たか

SFのような道具は、どこまで現実になったのか。5つのテーマごとに実在の製品を例に取り、技術の到達点と、日本で手に取る前に確かめたいことを整理しました。

Modern-G 編集部約14分で読めます
中心の小さな点のまわりを5つの軌道がゆっくり巡り、未来の技術が日常へ近づいてくる様子を抽象的に示す、抽象的なイラスト
イラスト:Modern-G

視界に字幕が浮かぶメガネ、iPhoneを顔にして予定を教えてくれる卓上ロボット、ワイヤーなしで庭を走るロボット芝刈り機。そんな話を耳にするたびに、「それ、もう買えるの?」と気になったことはないでしょうか。

答えは「一部は、もう買える」です。ただ、日本の公式ストアで普通に買えるもの、クラウドファンディングで開発の途中にあるもの、海外でしか売られていないものが、同じ「近未来ガジェット」という言葉の中に混ざっています。

ここでは、近未来ガジェットとは何かを短く整理し、5つのテーマごとに技術がどこまで来ているかを、実在の製品を例に見ていきます。読み終えたとき、気になる製品が「いま日本で手に取れる未来」なのか、「追いかけて楽しむ未来」なのかを自分で判断できるようになるはずです。

近未来ガジェットとは:「完成前の未来」を先に手に取れる道具

この記事でいう近未来ガジェットは、「数年後には当たり前になっているかもしれない技術を、いま個人が買える形にした製品」です。SF映画の小道具と違うのは、実際に注文できること。そして、完成品の家電と違うのは、多くが量産や日本展開の途中にあることです。

だからこそ、近未来ガジェットを見るときは「何ができるか」と同じくらい「まだ何ができないか」が大切になります。たとえば、AIを内蔵したメガネでも、視界に文字を出せるものと出せないものがあります。言葉は同じでも、到達点は製品ごとにかなり違います。

例に挙げる製品は、Modern-Gのカタログに載っていて、メーカーの公式サイトやキャンペーンページで仕様と販売状況を確認できたものに絞りました。価格は2026年10月22〜23日に公式サイトで確認したもので、変わることがあります。クラウドファンディング製品のキャンペーン状況も日々変わるため、各製品ページのリンク先で最新の情報を確認してください。

暮らしに入りつつある技術を、5つのテーマで見る

近未来ガジェットは種類が多く、製品名だけを追うと全体像が見えにくくなります。そこで編集部は、技術が暮らしのどこに入ってくるかで、5つのテーマに分けました。

近未来ガジェットを5つのテーマに分けた図。AIを身につける、空間に映す、家とデスクが考える、移動が変わる、作る道具が個人に、の5つが中心を囲む。
この記事で使う5つのテーマModern-G作図

ひとつ目は、スマートフォンを取り出さずにAIを使う「AIを身につける」。ふたつ目は、情報が手のひらの画面から視界や部屋へ広がる「空間に映す」。三つ目は、ロボットや家庭内のAIが手伝う「家とデスクが考える」。四つ目は、電動化と自律走行が進む「移動が変わる」。五つ目は、工房の加工機が机に載る大きさになる「作る道具が個人に降りてくる」です。

それぞれの到達点は、テーマによってかなり違います。いちばん身近なところから順に見ていきましょう。

AIを身につける:画面のないAIメガネと指輪は、もう手に取れる

スマートフォンを取り出さずにAIを呼び出す。そのための入り口として、メガネと指輪が有力になってきました。このテーマは、5つのなかでも製品化がいちばん進んでいる分野です。AIを使ったガジェット全体の地図はAIガジェットの記事でも整理しています。

LookTech AI Glasses:画面を持たない、34gのAIメガネ

LookTech AI Glassesは、カメラとマイク、スピーカーを備えたメガネ型のAIアシスタントです。公式サイトによると重さは34g、カメラは1,300万画素で、AIは「GPT-5を搭載」とうたっています。見たものを記録しながら、声だけでAIに質問できるのが特徴です。

日本ではMakuakeで先行販売が行われ、プロジェクトは2025年12月30日に終了しています。Makuakeのページでは、ディスプレイ機能はなく、音声アシスタントを通じて機能を提供すると説明されています。視界に字幕を出すような使い方はできません。日本での一般販売の時期は、執筆時点では確認できませんでした。

AIVELA Ring Pro:体のデータを集める、2.4gからの指輪

AIVELA Ring Proは、睡眠、心拍、皮膚温などを記録するスマートリングです。公式サイトによると重さは2.4〜3.6g(サイズによる)、バッテリーは最大7日間、価格は249ドルで、サブスクリプションは不要とされています。指先のタッチ操作で、スマートフォンの音楽やカメラのシャッターを操作する機能もあります。

注意したいのは、メーカー自身が「医療機器ではなく、ウェルネス向けのウェアラブル」と明記している点です。睡眠段階などはアルゴリズムによる推定値だとも説明しています。また、公式サイトでは米国内の送料無料が案内されていますが、日本への販売や配送についての記載は見当たりませんでした。

「聞く・記録する」AIはすでに身につけられる段階に来ました。では、AIの答えを目の前に「見せる」技術はどうでしょうか。

空間に映す:視界やガラスに情報が浮かぶ段階へ

情報を表示する場所は、手のひらの画面から、視界や部屋の空間へ広がりつつあります。ただし表示の色や大きさにはまだ制約があり、「何でも映せる」段階ではありません。

Rokid Glasses:視界に字幕と翻訳を映すAIグラス

Rokid Glassesは、両眼に光導波路方式のMicro LEDディスプレイを組み込んだAIグラスです。日本公式サイトによると、重さは49g、カメラは1,200万画素、89言語のリアルタイム翻訳に対応し、そのうち8言語はオフラインで使えます。価格は109,890円(税込)です。

この記事で例に挙げた製品のなかで、日本の公式サイトで普通に購入できることを確認できた数少ない製品です。ただし表示はグリーンの単色で、映画を大画面で見るような用途には向きません。メガネ型の機器全体の違いは、AIグラスの解説で比べています。

MorningBlues SonicGlass A1:歌詞が浮かぶ透明なスピーカー

MorningBlues SonicGlass A1は、透明度の高いガラスの奥に21.5インチのディスプレイ(1920×1080)を組み込んだスピーカーです。曲に合わせて歌詞をリアルタイムで表示する機能をうたい、公式サイトではSpotify、Apple Music、Amazon Musicを推奨サービスとして挙げています。

公式サイトの仕様表によると、スピーカーは4インチのフルレンジ1基と10Wアンプ2基の構成です。音質の数値だけを見ると、据え置きのHi-Fiスピーカーと張り合う製品ではなく、インテリアとしての「見せる音楽」に価値を置いた製品と編集部は考えます。Bluetooth 5.3とWi-Fiの両方の接続が必要で、通常価格は999ドルです。歌詞表示が日本語の曲に対応するかは、公式サイトでは確認できませんでした。

映す技術が「見る体験」を変える一方で、家のなかでは、機械が自分から動いたり考えたりする方向の変化が始まっています。

家とデスクが考える:ロボットとローカルAIは「試せる」段階

家のなかのAIは、スマートスピーカーの次の形を探している段階です。動くロボットと、データを外に出さないAIという2つの流れがあり、どちらもまだ「先に試す人のための製品」が中心です。

Loona Deskmate:iPhoneを顔にするデスクロボット

Loona Deskmateは、iPhoneを磁石で取り付けて「顔」にする卓上ロボットです。公式サイトによると、対応はiPhone 12以降のみで、MagSafeで装着し、Qi2の15Wで充電しながら使います。首振りなど3軸の動きを持ち、GmailやGoogleカレンダー、Slack、Notionなどと連携して、予定や作業の準備を手伝うとメーカーは説明しています。価格は299ドルで、基本機能にサブスクリプションは不要です。

近未来らしさと同じくらい目を引くのが、プライバシーの設計です。メーカーは、画面を黙って監視することはなく、ユーザーが示したものだけを見ると説明しています。連携するツールは一つずつオンにする方式で、初期状態はオフ。顔や視線のデータはiPhone上で処理し、クラウドに送るのは明示的な作業指示だけとしています。日本語での会話や日本向けの販売は、公式サイトでは確認できませんでした。

Zettlab AI NAS:家の中に置く「自分専用のAIクラウド」

Zettlab AI NASは、写真や動画、音声、書類を自然な言葉で検索したり、録音を文字起こししたりするAI機能を備えたNAS(ネットワーク接続ストレージ)です。公式サイトは「処理は100%本体内で行い、クラウドにはアップロードしない」と説明しています。

ただし、モデルによってできることは違います。上位のD6 Ultra/D8 Ultraは本体でLLM(大規模言語モデル)を動かせる一方、D4/D6のAIによる質問応答は「PCの計算能力を使う」と書かれています。日本ではMakuakeで先行販売が行われ、プロジェクトは2026年2月25日に終了しました。一般販売の状況は執筆時点では確認できていません。

家の中の機械が考え始めると、次は家の外、つまり移動の道具にも同じ変化が及びます。

移動が変わる:電動化と自律走行は、日本の制度がカギ

移動の未来は、新しい乗り物を買うことだけではありません。いま持っている道具を電動化したり、機械が自分で動き回ったりする方向にも進んでいます。技術的にはすでに製品になっていますが、日本で使えるかどうかは、道路のルールや販売地域で決まります。

Kamingo:手持ちの自転車を電動化するキット

Kamingoは、モーター、バッテリー、コントローラーを自転車に後付けして、電動自転車に変えるキットです。公式サイトによると、モーターのピーク出力は750W、航続距離は最大50km、防水性能はIPX6で、CES 2026のアワード(Honoree)に選ばれたとしています。公式ストアでは、Kickstarterでは完売し、自社ストアでの販売を準備中と案内しています。

日本で使うなら、ここが最も大事な点です。公式サイトは、ペダルをこがずにモーターだけで進む「クルーズ」モードを紹介しています。警察庁は、ペダルとモーターを備えた車両でも、スロットルがあるものや電動アシスト自転車の基準に合わないものは「自転車」ではなく「一般原動機付自転車」や「自動車」にあたると説明しています。編集部としては、この種のキットを日本の公道で自転車として使うことはできないと考えるべきだと判断します。

Lymow One:境界ワイヤーのいらないロボット芝刈り機

Lymow Oneは、庭に境界ワイヤーを埋めずに使えるロボット芝刈り機です。公式サイトで現在販売されている後継機「Lymow One Plus」は、RTK(衛星測位の補正技術)とVSLAM(カメラによる自己位置推定)で位置をつかみ、AIの画像認識で障害物を避けると説明されています。キャタピラのような履帯で走り、最大45度(勾配100%)の坂を登れるとしています。

公式ストアの販売地域は米国・カナダ、英国、EU、オーストラリア・ニュージーランドで、日本は含まれていません。日本の住宅事情では庭の広さも条件も違うため、編集部としては「海外の郊外住宅で、芝刈りがロボットの仕事になりつつある」という兆しとして見るのがよいと考えます。

最後のテーマは、移動とは反対に、机の上で起きている変化です。

作る道具が個人に降りてくる:工房の加工機が机に載る

かつて工場や業務用の工房にしかなかった加工の道具が、机に載る大きさになってきました。日本の公式ストアで買える製品も出てきた一方、価格や置き場所、安全の面では、まだ「家電」より「工具」に近い存在です。

eufyMake E1:凹凸まで印刷できるUVプリンター

eufyMake E1は、Ankerグループが手がける個人向けのUVプリンターです。紫外線で固まるインクを重ねて、色だけでなく最大5mmの凹凸(3Dテクスチャ)を表現できます。Anker Japanの公式ストアによると、プラスチック、紙、皮革、木材、アクリル、金属などに印刷でき、最大プリントサイズは約420×330mm、発売は2026年7月です。

日本の公式ストアで購入できることを確認できた、もう一つの製品です。ただし、ベーシックセットで379,800円(税込、2026年10月23日確認)、本体は約20kgと、気軽な家電とは言えません。インクは専用品のみで、付属品にUV保護ゴーグルが含まれます。置き場所や換気、インク代を含めた費用は、購入前に確かめておきたいところです。

NeoBlade:コードのない超音波カッター

NeoBladeは、刃を毎秒4万回(40kHz)振動させて素材を切るワイヤレスの超音波カッターです。製造元のHOZO Designの公式サイトによると、6種類の刃に対応し、出力は40Wで自動調整され、冷却機構も備えています。プレミアムコンボの価格は338ドルです。

プラモデルや樹脂、レザーなどの加工を楽にする道具として注目されていますが、切れ味がよいぶん、取り扱いには注意が必要です。公式ストアの電源プラグの選択肢は米国・EU・英国・オーストラリアの4種類で、日本向けの販売や代理店についての記載は見当たりませんでした。

5つのテーマを見てきました。最後に、気になる製品を見つけたときの物差しを整理します。

近未来ガジェットの見極め方:日本で確かめたい3つのこと

例に挙げた10製品を「日本でいま手に入るか」という目で並べると、次のようになります。状況は2026年10月22〜23日時点で、公式サイトの記載をもとにしています。

この記事で例に挙げた10製品の日本での入手状況。日本の公式ストアで買えるのは2製品、日本のクラウドファンディングが終わり一般販売が未確認なのが2製品、日本向けの記載がない製品が6製品。
例に挙げた10製品の日本での入手状況(2026年10月23日時点、公式サイトの記載による)Modern-G作図
製品テーマ日本での入手状況購入前に確かめたいこと
LookTech AI GlassesAIを身につけるMakuake終了、一般販売は未確認国内での販売とサポート
AIVELA Ring ProAIを身につける日本向けの記載なし配送可否、技適
Rokid Glasses空間に映す日本公式サイトで販売中表示は単色、用途との相性
SonicGlass A1空間に映す日本向けの記載なし技適、日本語の歌詞表示
Loona Deskmate家とデスク日本向けの記載なし日本語対応、iPhone必須
Zettlab AI NAS家とデスクMakuake終了、一般販売は未確認モデルごとのAI機能
Kamingo移動日本向けの記載なし日本の公道では自転車扱いにならない可能性
Lymow One移動販売地域に日本なし日本での正規販売
eufyMake E1作る道具Anker Japanで販売中価格、置き場所、換気
NeoBlade作る道具日本向けの記載なし電源、安全な扱い

技術そのものは製品になっていても、日本で普通に買えて使えるところまで来ている例は、まだ多くありません。気になる製品を見つけたら、次の3点を確かめてください。

1. クラウドファンディングは「予約購入」ではない

紹介した製品の多くは、クラウドファンディングから生まれています。支援は完成品の購入とは違い、遅延や仕様の変更が起きることがあります。プロジェクトの見極め方や、MakuakeとKickstarterの違いはクラウドファンディングのリスクと見極め方にまとめています。

2. 無線機器は技適を確認する

Bluetooth、Wi-Fiを使う製品を日本で使うには、原則として技適マークが必要です。日本向けの販売が確認できない製品は、技適を取得していない可能性があります。購入前に、本体や公式サイトの表示、総務省の検索で確認してください。確かめ方は技適マークの解説にまとめています。

3. 法規制や安全の前提が日本と違うことがある

Kamingoのように、海外では自転車として使える製品が、日本では原付などの扱いになる例があります。UVプリンターのインクや超音波カッターの刃のように、安全に使うための前提を確認したい製品もあります。「海外で売られている」ことは、日本で同じように使えることを意味しません。

まとめ:近未来は「どこまで来たか」を知ると、もっと楽しい

5つのテーマのどれにも、すでに注文できる実在の製品があります。ただし到達点はばらばらで、AIを身につける分野は製品化が進み、空間に映す技術は表示に制約が残り、移動の分野は日本の制度が普及のカギを握っています。日本の公式ストアで購入を確認できたのは、例に挙げた10製品のうち2つでした。

いますぐ日本で未来を体験したい人は、Rokid GlassesやeufyMake E1のように国内販売のある製品から入るのが確実です。開発の途中から関わるのが楽しい人は、クラウドファンディングのリスクを理解したうえで、LookTechやZettlabのような日本向けプロジェクトを追いかけるとよいでしょう。海外でしか売られていない製品は、技適と法規制を確かめてから選んでください。

テーマのなかでもAIに絞って深く知りたい人は、次の記事へどうぞ。

Related ReadingAIガジェットとはAIを内蔵した機器の種類と、選ぶときの考え方

Sources

  1. LookTech 公式サイト (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  2. Makuake「ハンズフリーのAI世界へ。新時代を切り拓くLooktech AIスマートグラス」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  3. AIVELA「AIVELA Ring Pro」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  4. Rokid Japan 公式サイト (2026-10-23再確認)(新しいタブで開きます)
  5. MorningBlues「SonicGlass A1」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  6. Loona(KEYi Tech)「Loona Deskmate」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  7. Zettlab「D4/D6・D6 Ultra/D8 Ultra」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  8. Makuake「大容量&超高速。AIでデータ管理が一気に効率化|Zettlab AI NAS」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  9. Kamingo 公式サイト (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  10. Kamingo「Kamingo Bikebot」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  11. 警察庁「自転車の安全利用の促進」(いわゆるペダル付き原動機付自転車について) (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  12. Lymow 公式サイト (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  13. Anker Japan「eufyMake」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  14. Anker Japan「EufyMake UV Printer E1 ベーシックセット」 (2026-10-23再確認)(新しいタブで開きます)
  15. HOZO Design 公式サイト(NeoBlade) (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)

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