本文へ移動

Featureシリーズ: Life Upgrade

XREALとVITURE、ARグラスを買うならどっち?画質・視野角・装着感を比較

2社の差は画質より、目の合わせ方と画面の置き方にあります。近視の度数と、画面を空中に留めたいかどうか。その2つで、選ぶべき1台はほぼ決まります。

Modern-G 編集部約10分で読めます

このページのリンクから購入・支援されると、Modern-G に紹介料が支払われることがあります。

左右に並んだ2つのレンズの輪郭。左のレンズの中には目盛りのついた小さなダイヤル、右のレンズの上には点線の枠に留められた四角い画面が浮かび、2つのレンズの間に小さな光の点がともる、抽象的なイラスト
イラスト:Modern-G

XREALとVITUREの主なモデルは、4万円台から9万円弱までのあいだに並んでいます。形はどれも少し厚めのサングラスで、USB-Cケーブル1本でスマホやPCにつなぎ、目の前に大きな画面を浮かべます。価格.comや知恵袋で「XREALとVITURE、どっちがいいか」という相談が見られるのは、カタログを見比べても差が見えにくいからでしょう。

先に答えを書きます。近視の度数が軽く、メガネを外してそのまま見たいならVITUREのPro 2かLumaです。画面を空中に留めて、首を動かしても同じ場所に置いておきたいならXREALの1SかOne Pro。映画の明るさと視野の広さを最優先するなら、VITURE Beastが有力です。そして、手持ちのスマホが映像を出せない人や、細かい文字を一日中読みたい人は、どちらもまだ買わなくていい。

取り上げる製品を、Modern-Gは実機で試していません。仕様の出典は、2026年10月31日に確認した各社の製品ページとプレス発表で、見え方の評価は、実機を試した専門メディアの記事を出典つきで紹介しています。

2社の違いは「目の合わせ方」と「画面の置き方」

スペック表を並べると、2社の差は思ったより小さく見えます。視野角はどちらも50°前後から58°前後、上位機の重さは80g台。違いがはっきり出るのは、数字より設計の重心です。

VITUREは、近視の補正をグラスの中で済ませる方向に力を入れてきました。Pro 2は左右独立のダイヤルで0〜−5.00D、Lumaは最大−6.0D、Luma Ultraは最大−4.0Dまで、レンズの奥でピントを合わせられます。メガネを外してかけるだけで見える、というのがVITUREの分かりやすい強みです。

XREALは、画面を空間に置く処理をグラス自身のチップに任せる方向に進みました。1SやOne Proは独自のX1チップを載せ、スマホ側のアプリに頼らずに画面を空中に固定できます。XREALはOne Proの頭の動きから表示までの遅れを約3ミリ秒と説明しています。近視については、提携する眼鏡店で度付きのインサートレンズを作る方式です。

ただ、この色分けはブランド全体には当てはまりません。VITUREのフラッグシップBeastは近視ダイヤルを外して画面固定を内蔵し、XREALの入門機xbx a01+は画面固定を持ちません。だからこそ、「どちらのブランドか」ではなく「どの機種か」で比べる必要があります。

価格帯ごとに向かい合うモデル

日本で買える2社の主なモデルは、ほぼ3つの価格帯で向かい合っています。発売時のメーカー発表の税込価格では、4万円台〜5万円弱がxbx a01+(43,980円)とPro 2(49,880円)、6万円台が1S(67,980円)とLuma(64,880円)、8万円台がOne Pro(84,980円)とBeast(82,880円)です。11月2日に国内発売されるXREAL AURA(Android XR搭載、22万9,800円から)は価格も用途も別の製品なので、ここでは比べません。

モデル重さ視野角最大輝度近視の補正と画面固定
XREAL xbx a01+XREAL xbx a01+62g50°1,600ニト度付きレンズ別途/固定なし
VITURE Pro 263g50°1,600ニト0〜−5.00Dダイヤル/アプリ側で固定
XREAL 1S82g52°700ニト度付きインサート/グラス単体で固定
VITURE Luma77g50°1,000ニト0〜−6.0Dダイヤル/アプリ側で固定
XREAL One ProXREAL One Pro87g57°700ニト度付きインサート/グラス単体で固定
VITURE Beast88g58°1,250ニトレンズフレーム同梱/グラス単体で固定

(各社の公式仕様・プレスリリースと、発売時の報道による。確認日は10月31日。XREALの輝度はメーカーが「知覚輝度」「ピーク輝度」と表記する値。Pro 2の画面固定はVITURE日本公式サイトの対応表(無料アプリSpaceWalker経由)、LumaはMogura VRのレビューの記載による)

入門の価格帯は、ほぼ同じ重さと明るさです。違いは近視の扱いと、Pro 2ならアプリを使えば画面を固定できる点にあります。上の2つの価格帯では、XREALが固定の手軽さ、VITUREが明るさで差をつけています。

画質:明るさの差は大きく、視野の差は小さい

上位機どうしで比べると、明るさはVITURE Beastが最大1,250ニト、XREAL One Proが700ニトと、数字の開きが大きくなります。AV Watchで両機を比べた西田宗千佳氏は、Beastは平均の明るさが高いぶん色がしっかり見え、映画ではOne Proより好ましいと評価しました。

いっぽうで西田氏は、Beastの左右の端にわずかな色のにじみがあること、明るい映像が視界の下側に映り込むことも指摘しています。Mogura VRの比較でも、VITURE LumaはXREAL Oneより色がはっきりしていると評価されました。

視野角はOne Proが57°、Beastが58°。西田氏も、この差は極端というほどではないと書いています。上位機どうしなら視野角は決め手になりにくく、Redditの比較スレッドでも、端の色ずれや歪みの感じ方を気にする声が見られます。そこは個人差も大きい部分です。

外の光の遮り方も見え方を左右します。Beastは9段階、One Proは3モードの電子調光を持ちます。

装着感:重さより先に、サイズが合うか

重さは、入門機の62〜63gと、画面固定を持つ機種の77〜88gで2つに分かれます。鼻に載る重さは長く使うほど効くので、動画を見るだけなら軽い機種のほうが楽です。

それ以上に差が出るのが、瞳孔間距離(IPD、左右の瞳の間隔)との相性です。One ProはIPD 57〜66mmのMと66〜75mmのLの2サイズ、Beastはレギュラー(64±6mm)とラージ(68±6mm)の2サイズを用意しています。Pro 2は57.0〜71.0mm、Lumaは56〜72mmに対応するとされます。XREALはOne Proのサイズを合わせることで端のぼやけや映像の欠けを抑えられると説明しており、上位機を買うなら、まず自分のIPDを眼鏡店の処方データなどで確かめてからサイズを選ぶのが順番です。

Mogura VRは、顔を振ったときのずれにくさでVITURE LumaがXREAL Oneを上回ったと書いています。顔の形にも左右される部分なので、できれば店頭でかけ比べたいところです。

メガネの人は、度数で行き先が決まる

いちばん後悔が出やすいのが、メガネの人の選び方です。知恵袋では、XREALは補正レンズを別に作る手間と費用がかかるという指摘が、Redditでもインサートの追加費用への不満が見られます。

近視だけで、度数がPro 2の−5.00DやLumaの−6.0Dに収まるなら、VITUREのダイヤルで済ませられます。これは2社の差が最もはっきり出る場面です。

乱視がある人や遠近両用が必要な人は、事情が変わります。ダイヤルが動かすのは近視のピントなので、乱視の補正はできません。

XREALの提携店JUN GINZAのOne Pro用インサートは、乱視を通常の度付きレンズで作り、遠近両用には加入度のデータが必要としています。度数に合わせた受注生産なので、度数違いや変更による作り直し・返品は受けていません。VITURE Beastも近視ダイヤルを持たず、同梱のレンズフレームに度付きレンズを入れる方式です。乱視のある人にとっては、どちらを選んでも「レンズを作る」手間は残ると考えておくほうが現実的です。

XREALとVITUREを選ぶための3つの問いの図。1つ目、スマホやPCのUSB-Cから映像が出るか。出なければ、どちらもまだ買わない。2つ目、メガネの度数が近視だけで、−5Dまでに収まるか。収まるならVITURE Pro 2かLuma。3つ目、画面を空中に留めたいか。留めたいならXREAL 1S、One Pro、VITURE Beast。留めなくてよいならXREAL xbx a01+かVITURE Pro 2。
3つの問いで候補を絞る(各社の公式仕様にもとづくModern-Gの整理。2026年10月31日時点)Modern-G作図

画面を空中に留めたいか

寝転んで映画を見る、首を少し動かしても画面を正面の壁に置いておく。この使い方には、頭の回転を検知して画面を固定する3DoFが要ります。知恵袋でも「寝ながら動画を見たい」という相談が見られますが、固定のない機種では、頭を傾けると画面も一緒に傾きます。

ここはXREALが一歩先を行っています。1SとOne Proはグラス単体で固定と追従を切り替えられ、Mogura VRもアプリなしでワンタッチで切り替えられる点をXREALの利点に挙げました。One Proは別売のカメラXREAL Eyeを足すと、6DoF(頭の前後左右の移動も追う)に広げられるとされます。

VITUREはBeastで固定を内蔵しましたが、Pro 2とLumaは無料アプリSpaceWalker経由で(iPhoneでは別売のアダプターなどが必要になる場合があります)、Luma Ultraの6DoFは別売のネックバンドかMac・Windowsの専用ソフトが前提です。西田氏の記事の時点(2026年5月)では、Beastの6DoFはまだ提供されていませんでした。

反対に、座って動画を見るだけなら固定はなくても困りません。その場合は軽さと価格で入門機を選ぶほうが、満足度は高いはずです。

つなぐ機器は、2社で条件がほぼ同じ

接続の条件はどちらもほぼ共通で、つなぐ機器のUSB-Cが映像出力(DisplayPort Alt Mode)に対応していることが条件です。iPhoneならAppleが外部ディスプレイ対応とする15以降のUSB-Cモデルで、16eと17eは対象外です。Nintendo Switchは、XREALなら別売のXREAL Hub、VITUREなら別売のモバイルドックなどが要ります。

価格.comでは「iPhoneのアプリがそのまま見られるのか」という質問も見られますが、グラスはスマホの画面を映すだけなので、見られるかどうかは手持ちの機器しだいです。機器ごとの詳しい条件はARグラスとは?の記事で整理しています。

どちらも買わなくていい人

次に当てはまるなら、XREALとVITUREのどちらを選ぶかより先に、買うかどうかを考え直す価値があります。

  • 手持ちのスマホやPCのUSB-Cから映像が出ない(LightningのiPhone、映像出力のないAndroidなど)。変換アダプターを足すと荷物も費用も増えます。
  • 表計算やコードの細かい文字を一日中読みたい。画面は大きく見えても、横の画素数は1,920です。インチ数の大きな宣伝から想像するほど、文字は細かく表示できません。据え置きに近い作業なら、ポータブルモニターが素直な選択です。
  • 乱視や遠近両用で、度付きレンズの作成に時間と費用をかけたくない。
  • 家ではテレビやモニターで足りていて、外で大画面を使う場面が月に数回もない。

結論:使い方ごとの1台

近視がPro 2の範囲に収まり、座って動画を見るのが中心なら、VITURE Pro 2がいちばん素直な選択です。近視の補正が要らないか、度付きレンズを作るつもりがあるなら、同じ軽さのxbx a01+が入門機の候補になります。

寝転んでの映画や、画面を空中に置いての作業が目的なら、XREAL One Proです。アプリなしで固定と追従を切り替えられる手軽さは、毎日使うほど効きます。IPDに合わせてMとLを選び分けてください(下のカードはMサイズです。Lが合う人は、購入時にLサイズを選んでください)。

映画の明るさと色、視野の広さを最優先するなら、VITURE Beastです。端のにじみの指摘はあるものの、明るさの差は上位機の中で最も大きな違いです。近視の人は同梱のレンズフレームに入れる度付きレンズが必要になるので、その手間も見込んでおきましょう。レギュラーとラージのサイズは、購入時に選びます。

迷ったまま決めきれないなら、それは「まだ要らない」というサインかもしれません。外で大画面を使う場面を1か月数えてみてから決めても、遅くはありません。

Sources

  1. XREAL「One Series Specifications」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  2. XREAL「Connect Devices(One Series)」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  3. XREAL 日本公式サイト「XREAL One Pro」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  4. XREAL 日本公式サイト「XREAL 1S」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  5. VITURE 日本公式サイト「VITURE Beast XRグラス」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  6. VITURE 日本公式サイト「VITURE Pro 2 XRグラス」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  7. VITURE 日本公式サイト「VITURE Luma XRグラス」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  8. VITURE 日本公式サイト「VITURE Luma Ultra XRグラス」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  9. VITURE(PR TIMES)「VITURE、『Luma Ultra』『Luma』『Beast』3モデルのXRグラスを同時発表」2025年11月18日(新しいタブで開きます)
  10. VITURE(PR TIMES)「VITURE Pro 2 XRグラスを8月20日に発売」2026年8月(新しいタブで開きます)
  11. Impress Watch「5万円を切る『VITURE Pro 2 XRグラス』63gで近視調整対応」2026年8月20日(新しいタブで開きます)
  12. XREAL(PR TIMES)「XREALが若年層向け新ブランド『xbx』をローンチ はじめての一台に最適なARグラス『xbx a01+』を発売開始」2026年7月6日(新しいタブで開きます)
  13. PHILE WEB「XREAL、業界最軽量で43980円のAR/XRグラス『xbx a01+』」2026年7月6日(新しいタブで開きます)
  14. テクノエッジ「XREAL One Pro国内発表、8万4980円で7月24日発売」2025年7月2日(新しいタブで開きます)
  15. Mogura VR「XREAL 1S」発表記事(新しいタブで開きます)
  16. ITmedia Mobile「スマートグラス『XREAL One』対応カメラ『XREAL Eye』発表」2025年5月14日(新しいタブで開きます)
  17. AV Watch 西田宗千佳「VITUREもついに3DoF対応。画質・視野角が良好な新モデル『VITURE Beast』を試す」2026年5月28日(新しいタブで開きます)
  18. Mogura VR「ARグラス『VITURE Luma』と『XREAL One』選ぶならどっち?」2026年4月17日(新しいタブで開きます)
  19. JUN GINZA「XREAL One Pro 度付きインサートレンズ」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  20. JUN GINZA(XREAL 1S・xbx a01+の度付きレンズ公認制作店の案内) (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  21. Mogura VR「GoogleらのXRグラス『XREAL AURA』がローンチ 日本では11月2日発売」2026年10月29日(新しいタブで開きます)
  22. Apple サポート「iPhoneのUSB-Cコネクタで充電および接続する」 (2026-10-31確認)(新しいタブで開きます)
  23. 購入前の疑問の例:価格.com XREAL One クチコミ掲示板(新しいタブで開きます)

Newsletter

こうした発見を、メールで受け取りませんか。

新着製品と読みものを、週2回お届けします。

日本語版ニュースレター(日本の読者向け)English newsletter for international readers →

配信と米国の委託先への情報提供に同意します(随時停止可)。 プライバシーポリシーを確認

週2回お届けします。いつでも配信を停止できます。

More from the Journal