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AIボイスレコーダーを会議で使う前に:録音の伝え方・社内ルール・保存先

録音ボタンを押す前の一言と、会議が終わったあとのデータの行き先。AIボイスレコーダーを仕事で使い始める人が、相手にも会社にも気持ちよく使うための手順をまとめました。

Modern-G 編集部約13分で読めます

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会議テーブルを上から見た、抽象的なイラスト
イラスト:Modern-G

会議の冒頭、机の上に置かれた薄いカードのような機械に気づいた人が「それ、録音してます?」と聞く。AIボイスレコーダーを使い始めた人の多くが、一度は経験する場面です。

この記事は、機種の比較ではなく「会議でどう使うか」のガイドです。相手への伝え方、勤務先で確かめておくルール、会議のあとに残る音声と文字起こしデータの扱いを、公式の情報をもとに順に整理します。

Modern-Gはこの記事の製品を実機でテストしていません。法律に関する記述は、2026年10月28日に確認した個人情報保護委員会の公表資料の範囲にとどめています。この記事は一般的な情報で、個別の法的助言ではありません。実際の運用は、勤務先の規程と担当部署の判断に従ってください。

先に結論:伝える、会社のルールに合わせる、残しすぎない

AIボイスレコーダーを会議で使うときに押さえたいのは、次の3つです。

  • 録音を始める前に、録音することと目的を参加者に伝える
  • 録音の可否、使ってよいクラウドやAIサービス、保存先と保存期間は、勤務先のルールに合わせる
  • 会議が終わったら、必要な人にだけ共有し、不要になった音声とデータは消す

機種選びは、そのあとです。どの機種を選ぶかより、この3つを決めておくほうが、トラブルを防ぐ効果は大きいと編集部は考えます。機種ごとの費用や文字起こしの枠を比べたい人は、AIボイスレコーダーの比較記事を先に読むと全体像がつかめます。

公式に言われていること:個人情報保護委員会の見解

録音と法律の関係について、ここでは個人情報保護委員会が公表している内容だけを紹介します。

同委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A(通則編)は、顧客との電話の通話内容について、特定の個人を識別できる場合は個人情報に当たるとしています。そのうえで、個人情報取扱事業者は利用目的を通知または公表する義務を負うものの、「録音していることについて伝える義務までは負いません」と説明しています(Q1-10)。

同じQ&Aは、通話内容から特定の個人を識別できない録音は基本的に個人情報に当たらないとしつつ、ほかの情報と容易に照合して個人を識別できる場合は個人情報に当たることがあり、個別の事例ごとの判断が必要だとしています(Q1-11)。

ここで注意したいのは、これらが「事業者が顧客との通話を録音する場面」についての説明だという点です。社内会議や取引先との打ち合わせにどう当てはまるかは、録音する立場や目的で変わります。編集部が言えるのは、法律上の通知義務の有無と、相手が気持ちよく録音に応じてくれるかどうかは別の問題だ、ということまでです。

AIで文字起こしや要約をする場合には、もうひとつ関係する資料があります。個人情報保護委員会は2023年6月に「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」を公表しました。事業者向けには、個人情報を含む内容を生成AIサービスに入力するときは、利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確認すること、入力した個人データがサービス側で機械学習に使われないことなどを十分に確認することを求めています。

一般の利用者向けにも、入力した個人情報が機械学習に使われる可能性があること、出力に不正確な内容が含まれることがあること、利用規約やプライバシーポリシーを確認して判断することを挙げています。AIボイスレコーダーの多くは、録音をクラウドに送ってAIで処理する仕組みなので、この注意点はそのまま当てはまります。

勤務先で確かめておきたい5つのこと

会社の会議で使うなら、個人の判断で始める前に、次の5点を確かめておくと安心です。いずれも就業規則や情報セキュリティの規程、IT部門の案内に書かれていることが多い項目です。

  1. 会議の録音そのものが認められているか。社外の人が参加する会議で扱いが違うか
  2. 外部のクラウドサービスやAIサービスに、会議の音声や文字起こしを送ってよいか
  3. データを保存してよい場所(国・地域、会社が契約したサービスか個人のアカウントか)
  4. 文字起こしや要約を共有してよい範囲と方法
  5. 保存期間と、削除するタイミング

ルールが見当たらない場合は「書かれていないから自由」と考えず、担当部署に聞くのが確実です。取引先との打ち合わせでは、相手の会社にも録音やAIサービスについてのルールがある場合があります。事前の連絡で「議事録作成のために録音してもよいか」を尋ねておくと、当日に断られて慌てることがありません。

相手への伝え方:冒頭の一言と、断られたとき

伝え方に決まった形はありませんが、編集部は「何のために」「どう使うか」を短く添えるのがよいと考えます。たとえば次のような一言です。

  • 「議事録を作るために録音して、AIで文字起こしします。共有は参加者の皆さんだけにします」
  • 「聞き漏らしを防ぐために録音してもいいですか。メモが整ったら音声は消します」

機器は、参加者から見える場所に置きます。胸元に付けるタイプや、スマホの背面に貼るタイプは、録音していることが周りから見えにくいので、言葉で伝えることがいっそう大切です。途中から参加した人がいれば、その人にも一言伝えましょう。

メーカー自身も、同意を得ることを求めています。たとえばPlaudは、Amazon.co.jpの販売ページで、Plaud Note Proについて「録音を始める前に、参加者に録音する旨を伝え、同意を得てください」と記載し、NotePin Sについても録音の同意を取得するよう書いています。

断られたら、録音はしないで手書きやPCのメモに切り替えます。「一部だけ録音しないでほしい」と言われたら、その間は止めます。録音を止めたり、要らない部分を消したりする操作に、事前に慣れておくと落ち着いて対応できます。

Web会議の場合は、会議ツール側の録画・文字起こし機能と、手元のレコーダーのどちらを使うかを決めておきます。両方で記録すると、データの置き場所が増えるだけです。声の拾い方そのものに悩んでいるなら、Web会議ヘッドセットの選び方も参考になります。

会議のあと:保存・共有・削除を決めておく

録音のトラブルは、会議中より会議のあとに起きやすいものです。音声と文字起こし、要約は、次の順で扱うと散らかりにくくなります。

まず、要約はそのまま配らず、内容を確かめてから共有します。個人情報保護委員会も、生成AIの出力には不正確な内容が含まれることがあると注意を促しています。発言者の取り違えや、数字・固有名詞の聞き間違いは、AIの要約でも起こりえます。

次に、共有は必要な人だけに絞ります。共有リンクを使う場合は、誰でも開ける設定になっていないかを確認します。共有するのは要約や議事録だけにして、元の音声は手元に残す、という分け方もできます。

最後に、消すタイミングを決めます。議事録が確定したら音声を消す、プロジェクトが終わったらまとめて消す、など自分なりのルールを決め、会社の規定があればそれに合わせます。クラウドに保存したデータは、アプリから消しても、パソコンに書き出したファイルや共有先には残ります。どこにコピーがあるかを把握しておくことが、結局はいちばんの安全策です。

会議のあとに音声・文字起こし・要約を扱う3手順。1 要約はそのまま配らず、内容を確かめてから共有する(発言者の取り違えや数字・固有名詞の聞き間違いが起こりうる)。2 共有は必要な人だけに絞り、共有リンクが誰でも開ける設定になっていないか確認する。3 消すタイミングを決める(議事録が確定したら、など)。クラウドのデータはアプリから消してもコピーが残るので、どこにあるかを把握する。
確認、共有、削除の順で散らかりにくくなるModern-G作図

配慮しやすい機種の見分け方

機種を選ぶときは、文字起こしの精度や料金に加えて、会議で配慮しやすいかどうかを見ておくと後で困りません。編集部が重視したいのは次の3点です。

  • 録音中であることが見えるか(画面やランプ、操作のわかりやすさ)
  • データがどこに保存され、AIの学習に使われるかどうかが公開されているか
  • 本体を紛失したときに、中のデータが読み取られにくいか
機種形録音状態の見え方・操作データの扱い(メーカーの説明)
Plaud Note Proカード型0.95インチの画面に録音状況を表示同意しない限りAIの学習に使わない
Plaud NotePin S身につける長押しで録音開始同意しない限りAIの学習に使わない
Notta Memo ProNotta Memo Proカード型0.95インチの画面本体で暗号化、東京リージョンに保存
Soundcore WorkSoundcore Work身につけるボタン操作初期設定は端末内に保存
SwitchBot AIマインドクリップSwitchBot AIマインドクリップ身につけるスライドスイッチで開始・終了転送後に本体のデータを自動削除

(2026年10月28日、各社の公式サイトと販売ページの説明で確認)

ここからは5機種を、会議での使いやすさの視点で紹介します。仕様と説明はメーカーの公表情報です。料金プランや文字起こしの枠は変わりやすいので、購入前に各社の公式サイトで確かめてください。

机に置いて、録音中が見える:Plaud Note Pro

Plaud Note Proは、厚さ2.99mm、重さ30gのカード型です。公式サイトによると、0.95インチのAMOLEDディスプレイに録音状況やバッテリー残量が表示されます。会議テーブルの上に置いておけば、参加者からも「録音中」が見える形です。

Plaudは公式サイトで、ISO 27001、ISO 27701、SOC 2などの基準に準拠していること、利用者が同意しない限りデータがAIモデルの学習に使われないことを説明しています。販売ページによると、連続録音は音声強化モードで最大30時間、長時間駆動モードで最大50時間です。製品の詳細はPlaud Note Proの製品ページにもまとめています。

立ち話や移動中も記録したいなら:Plaud NotePin S

NotePin Sは、クリップ、ピン、ネックストラップ、リストバンドで身につけるカプセル型です。公式サイトによると重さは17.4g、連続録音は最大20時間。ボタンの長押しで録音を始め、短押しで重要な瞬間をハイライトとして記録します。

身につけるタイプは、手が空くぶん、相手からは録音していることがわかりにくくなります。会議室の外で使う場面こそ、冒頭の一言を忘れないようにしたい機種です。データの扱いはNote Proと同じく、同意しない限りAIの学習に使わないとPlaudは説明しています。

保存先の地域を重視するなら:Notta Memo Pro

Notta Memo Proは、保存先について具体的に公表しているのが特徴です。公式サイトによると、アップロードした録音と文字起こしは日本(東京リージョン)で保存し、本体の録音データはチップで暗号化します。「保存先の国・地域」を社内ルールで問われたときに、答えを用意しやすい機種です。

公式サイトの仕様では、重さ30g、0.95インチのAMOLEDカラー表示で、1回の録音は最長5時間で自動停止します。同じWi-Fiにつながると録音や文字起こしが自動で同期される仕組みで、自動アップロードにはWi-Fiの事前設定とNottaアカウントへのログインが必要です。製品の詳細はNotta Memo Proの製品ページへ。

クラウドに上げる範囲を自分で決めたいなら:Anker Soundcore Work

Soundcore Workは、取り外せる小さなマイクと、カード型の充電ケースの組み合わせです。公式サイトによると、連続録音はマイク本体のみで最大8時間、充電ケースを含めて最大32時間です。

データの扱いについて、Ankerは公式サイトで、初期設定では録音と文字起こしのデータを端末内に保存し、クラウドに上げるのはクラウドバックアップを有効にしたときや、スマホとPCの同期にWebサービスを使うときだけだと説明しています。文字起こしの処理では音声が一時的にクラウドへ送られ、処理後に自動で消去されるとしています。保存されるデータセンターは米国だと明記しているので、保存地域の条件がある職場では事前に確認してください。

録る・止めるを手元ではっきり操作したいなら:SwitchBot AIマインドクリップ

SwitchBot AIマインドクリップは、約16.8gのクリップ型です。公式サイトによると、本体のスライドスイッチで録音の開始と終了を操作します。ボタンの押し間違いで録音したままになる、といった心配を減らしたい人に向いた操作方法です。

データについては、録音を暗号化して転送し、クラウドへの転送後は本体のデータを自動で削除するとSwitchBotは説明しています。USB-Cポートから録音データを直接取り出すことはできないとしており、本体をなくしたときに中身を読まれにくい設計です。連続録音は最大20時間。製品の詳細はAIマインドクリップの製品ページにもあります。

5機種の限界

画面付きのNote ProとMemo Proは、ポケットに入れて歩きながら使うより、机に置く使い方に向きます。身につける3機種は、録音していることが周りから見えにくいぶん、伝える手間を省けません。Soundcore Workは保存先が米国と明記されており、地域の条件がある職場には合わない場合があります。

どの機種も、文字起こしの精度は録音環境や話し方で変わり、AIの要約には誤りが入りえます。メーカーの認証や「学習に使わない」という説明も、勤務先のルールで認められているかどうかとは別の話です。会社のルールで外部のAIサービスが使えない場合は、どの機種でも会議では使えません。

よくある質問

社内の会議なら、録音を伝えなくてもいい?

個人情報保護委員会のQ&Aは、事業者が顧客との通話を録音する場面について、録音していることを伝える法律上の義務までは負わないと説明しています。ただし、社内会議での扱いは勤務先のルールで決まります。編集部としては、社内でも冒頭で一言伝えることをおすすめします。

録音データを、会社と契約していないAIサービスで要約してもいい?

勤務先のルールしだいです。個人情報保護委員会は事業者に対し、生成AIサービスに個人データを含む内容を入力する場合、利用目的の範囲内かどうかや、サービス側で機械学習に使われないことなどを十分に確認するよう求めています。個人のアカウントで使う前に、担当部署に確認してください。

録音した内容を、あとで社外の人に渡してもいい?

参加者に伝えた目的の範囲を超えて使うと、信頼を損ねるおそれがあります。社外への提供は、勤務先の規程と、必要に応じて参加者の了承を確かめてからにしてください。法的な判断が必要な場合は、勤務先の法務担当や専門家に相談するのが確実です。

まとめ:録音ボタンの前と、会議のあとを決めておく

机に置いて見せたいならPlaud Note Pro、保存地域を重視するならNotta Memo Pro、クラウドに上げる範囲を自分で決めたいならSoundcore Work、操作をはっきりさせたいならAIマインドクリップが候補です。AIで何ができて何ができないかをもう少し広く知りたい人は、AIガジェットの見分け方も読んでみてください。

Sources

  1. 個人情報保護委員会「『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン』に関するQ&A」Q1-10・Q1-11 (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
  2. 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日) (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
  3. 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」 (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
  4. Plaud公式「Plaud Note Pro」 (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
  5. Plaud公式「Plaud NotePin S」 (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
  6. Notta公式ストア「Notta Memo Pro」 (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
  7. Anker Japan公式「Soundcore Work」 (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)
  8. SwitchBot公式「SwitchBot AIマインドクリップ」 (2026-10-28確認)(新しいタブで開きます)

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