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モニターアームの選び方:買う前にVESA・重さ・天板の3つを確かめる

自分のモニターと机に付くのか。購入前に確かめたいVESA・重量・天板の3点を手順にし、タイプや取付方法、曲面モニターの注意点までまとめました。

Modern-G 編集部更新 約11分で読めます
関節でつながった2本のアームが、浮かんだ1枚の画面を支える様子を、横から線で描いた、抽象的なイラスト
イラスト:Modern-G

新しいモニターを買った日、付属のスタンドで机の奥が半分ふさがってしまった。画面の高さもあと少し上げたい。そんなときに候補に上がるのがモニターアームです。ただ、アームは「買えば付く」ものではありません。モニターの背面と机の天板、その両方の条件が合って、はじめて取り付けられます。

この記事では、購入前に確かめたい3つの点(VESA、重さ、天板)を、そのまま手元で確認できる手順にしました。読み終えたら、自分のモニターと机に付くかどうか、どのくらいの耐荷重のアームを探せばよいかが判断できるはずです。

モニターアームで何が変わる?向いている人と向かない人

モニターアームの効果は大きく2つあります。ひとつは、スタンドの台座がなくなって机の奥まで使えるようになること。もうひとつは、画面の位置を体に合わせて細かく動かせることです。

画面の位置には公的な目安があります。厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」は、画面の上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さが望ましいとしています。眼から画面までは、おおむね40cm以上離すことも求めています。

ガイドラインの解説は、大画面のディスプレイでは上端が眼より上になる場合があるとして、できるだけ高くならないよう配置することをすすめています。付属のスタンドでは高さが合わない人にとって、アームはこの目安に近づけるための手段になります。

一方で、向かないケースもあります。ガラスの天板や、薄い板を組み合わせた机、奥の縁にフレームがある机には、そのままでは取り付けられないことがあります。画面をほとんど動かさず、台座のスペースも気にならないなら、付属スタンドで十分かもしれません。

自分は「向いている側」だと思えたら、次は実際に付くかどうかの確認です。

購入前の確認3点:VESA・重さ・天板

次の3点を、モニター→重さ→机の順に確認すれば、取り付けられるかどうかの見通しが立ちます。

モニターアームを買う前の確認を3段階で示した図。1はモニター背面のVESA 75×75mmか100×100mm、2はスタンドを除いた重さが耐荷重の下限と上限の間にあるか、3は天板の厚みがクランプ対応範囲に入り縁の裏に障害物がないか。
購入前の確認は、モニター→重さ→机の順にModern-G作図

確認1:モニター背面にVESAのネジ穴があるか

モニターアームとモニターをつなぐネジ穴の規格が、VESA(Video Electronics Standards Association)の「Flat Display Mounting Interface(FDMI)」です。VESAは、4インチから90インチまでの薄型ディスプレイについて、画面サイズと重さの区分ごとに取付インターフェースを定めています。

家庭用のモニターアームでよく使われるのは、ネジ穴の間隔が75×75mmと100×100mmの2種類です。サンワサプライやHUANUOの製品ページでも、対応VESAはこの2つと書かれています。モニターの仕様表で「VESA 100×100」などの表記を探すか、背面に4つのネジ穴があるかを見てください。

ネジ穴がないモニターでは、モニターを挟んで固定する「VESA変換アダプター」を使う方法があります。HUANUOも公式ブログで、別売の変換プレートで取り付けられる場合があると案内しています。持ち運び用の薄型モニターは背面にネジ穴がないものが多いため、ポータブルモニターの選び方もあわせて確認してください。

一体型のディスプレイには、購入時の構成でVESA対応を選ぶものもあります。たとえばAppleの公式ストアでは、Studio Displayの構成のひとつとして「VESAマウントアダプタ」が用意されています。

確認2:モニターの重さが耐荷重の「範囲内」か

モニターアームの耐荷重は「2〜10kg」のように範囲で書かれています。上限だけでなく、下限もある点が大事です。

アームは、モニターの重さとバネやガスの力を釣り合わせて画面を空中に止めています。軽すぎるモニターでは画面が上に戻りやすく、重すぎれば下がってきます。たとえばサンワサプライのCR-LAC1406BKは8〜20kgの大型モニター向けで、8kgに満たないモニターは対象外です。

モニターの重さは、スタンドを外した本体だけの重さで確認します。仕様表で「スタンドを除く」重さを探し、その数値と耐荷重を比べてください。サンワサプライも、対応インチ数は目安であり、ディスプレイの重さと耐荷重を基準に選ぶよう案内しています。

確認3:天板の厚みと、奥の縁の構造

最後に机です。クランプ式のアームは天板の縁を上下から挟んで固定するため、挟める厚みに上限と下限があります。

公式の数値を見ると、サンワのCR-LA1301BKN2は10〜50mm、CR-LAC1406BKは15〜70mm、HUANUOのHNSS33は10〜90mmです。HUANUOは公式ブログのFAQで「一般的には」厚さ2〜9cmの平らな面なら固定できるとも書いていますが、製品ごとの対応厚は製品ページの数値で照合するのが確実です。

下限は意外な落とし穴になります。たとえば山善の電動昇降デスク(ハイエンドモデル)のレギュラー天板は厚さ1.8cmで、下限が2cmのアームなら対応範囲を外れます。天板の厚みはメジャーで実測してください。

厚みと同じくらい大事なのが、天板の奥の縁の裏側です。補強の板(幕板)や脚のフレームがあると、クランプの下側が入りません。天板の裏をのぞいて、縁から10cmほどの範囲に何もないかを確かめておくと安心です(編集部の目安)。

3つの確認を通過したら、あとは「どんな腕で、どう固定するか」を選ぶ段階です。

タイプと取付方法:ガス式・メカニカル式・ポール式

アームの「腕」の仕組みには、主に3つの考え方があります。

  • ガス式(ガススプリング・ガスシリンダー):内部のガスの力で画面を支える。HUANUOのアームは窒素ガスを充填した構造だと説明している
  • メカニカルスプリング式:金属のバネで支える。Modern-Gで紹介しているCOFO無重力モニターアームProはダブルメカニカルスプリング式で、保持力を工具なしのノブで調整できる
  • ポール式(支柱取り付け):机に立てた支柱にモニターを固定し、高さを支柱上でずらす。サンワのCR-LA351は支柱に取り付けるタイプで、耐荷重は10kg

画面を頻繁に動かす人にはガス式やメカニカル式、位置を決めたらほとんど動かさない人や複数台を縦に並べたい人にはポール式が向いています。

取付方法は、クランプ式とグロメット式が中心です。サンワサプライは、クランプ式を「板状の天板であれば、基本的には設置可能で天板に穴をあける必要が無く」と説明しています。グロメット式は天板の穴にボルトを通して固定する方式で、机の奥に壁があってクランプを入れる隙間がない場合にも使えます。ただし穴あけ加工が必要です。

クランプで天板がたわんだり傷ついたりするのが心配なら、補強プレートを挟む方法もあります。サンワは、歪みやたわみを軽減するための補強プレートを別売りしていて、CR-LAC1406BKには補強プレートが付属しています。

デュアル・大型・曲面モニターの注意点

2画面を並べるデュアルアームでは、2台分の重さが1か所のクランプにかかります。耐荷重が「1アームあたり」なのか「合計」なのかを仕様で確認してください。2台を並べたときの横幅が、机の幅に収まるかも見ておきたい点です。

曲面(湾曲)モニターには、さらに注意が必要です。サンワサプライは、耐荷重2〜10kgのCR-LA1301BKN2について、湾曲モニターの場合の耐荷重は7kg程度になると明記しています。8〜20kgのCR-LAC1406BKでも、湾曲モニターでは14kg程度です。理由として、湾曲モニターは平面モニターよりアームに負荷がかかりやすいことを挙げています。

34インチ以上のウルトラワイドや曲面モニターを付けるなら、モニターの重さに対して耐荷重に余裕のあるアームを選んでください。編集部としては、曲面モニターでは公称耐荷重の7割程度を上限の目安にするのが無難だと考えます(サンワの表記から逆算した目安です)。

大きな画面を手前に引き出すと、机の奥行きにも影響します。ガイドラインの解説は、大型ディスプレイを使うときは奥行きに余裕のある机を使い、体のねじれや見上げる姿勢が生じないよう配置することを求めています。

主な製品の考え方:公式仕様で比べる

2026年10月時点で国内の公式ページを確認できた製品を、比較用に並べます。順位ではありません。数値はメーカー公表値です。

製品対応重量(公称)対応サイズの目安クランプ対応厚方式・特徴
HUANUO HNSS332〜12kg13〜35インチ10〜90mmガス式。最大持ち上げ高さ560mm
HUANUO HNSS346〜16kg27〜49インチ製品ページに記載なしガス式。ベースにUSB-Aポート
サンワ CR-LA1301BKN22〜10kg(曲面は7kg程度)17〜34インチ10〜50mmガスシリンダー内蔵。アーム長635mm
サンワ CR-LAC1406BK8〜20kg(曲面は14kg程度)32〜49インチ15〜70mmガススプリング式。補強プレート付属
COFO 無重力モニターアームPro2.5〜14kg17〜40インチ10〜50mmダブルメカニカルスプリング式

表の5製品は、いずれもVESA 75×75mmと100×100mmに対応しています。HUANUOのHNSS34のように対応厚が製品ページに見当たらない場合は、購入前に販売元へ確認してください。

選び方のコツは、対応サイズより対応重量を先に見ることです。同じ34インチでも、平面か曲面か、スピーカー内蔵かで重さは大きく変わります。表のHNSS34は下限が6kgなので、軽いモニターには向きません。

ノートPCを1本のケーブルでつなぎたい人には、ベースにドッキングステーションを内蔵したアームもあります。HUANUOのHNSS35は、ベースにHDMIや有線LAN、USB-C(PD入力100W)などの端子を備えています。机まわりの接続をまとめる考え方はドッキングステーションの記事で整理しています。

取り付けと安全:保持力の調整と、昇降デスク・ライトとの組み合わせ

取り付けたら、最初に保持力(バネやガスの強さ)を調整します。サンワは、CR-LA1301BKN2の初期設定は保持力が強い状態だとして、載せる機器に合わせた調整を求めています。画面が勝手に上がる・下がる場合は、保持力が合っていないサインです。

モニターをブラケットに取り付けるネジにも注意します。CR-LA1301BKN2には、ディスプレイ取付用としてM4×14のボルトが4本付属しています。モニターによって適したネジの長さが異なる場合があるため、モニターの取扱説明書も確認してください。

地震への備えも気になるところです。HUANUOは、日本国内の試験施設で震度6強相当の揺れを再現した自社試験で、モニターが落下しなかったと公表しています。ただしHUANUO自身が、すべての使用環境での安全を保証するものではないと書いています。編集部としては、クランプのボルトを定期的に締め直すことが基本の対策だと考えます。

昇降デスクにアームを付ける場合は、2つの点を確認します。ひとつは、アームとモニターの重さが昇降デスクの耐荷重に含まれること。もうひとつは、天板を最も高くしたときにもケーブルが突っ張らない長さがあることです。

モニターの上に載せるライト(スクリーンバー)を使う人は、アームのブラケットや配線と干渉しないかも見ておきましょう。BenQ ScreenBar Proのような製品の選び方はモニターライトの記事で紹介しています。

よくある質問

賃貸の机や、穴をあけたくない机にも付けられますか?

クランプ式なら天板に穴をあける必要はありません。ただし、天板の厚みがクランプの対応範囲に入っていること、縁の裏に補強板やフレームがないことが条件です。天板の傷が心配なら、補強プレートや保護パッドを挟んでください。

ノートPCも載せられますか?

ノートPC用のトレーを付けられるアームや、ノートPC専用のアームがあります。サンワサプライもノートPCアームを用意しています。ノートPCを画面として使うなら、外付けのキーボードとマウスを組み合わせると、画面の高さを目線に合わせやすくなります。

ガス式とメカニカル式、どちらがいいですか?

どちらも、モニターの重さが対応範囲に入っていれば問題なく使えます。違いは調整の仕方と、製品ごとの対応重量です。編集部としては、方式よりも、対応重量の範囲と保持力の調整のしやすさで選ぶことをすすめます。

まとめ:あなたのモニターに合うアームの探し方

モニターアーム選びは、製品を見比べる前に、自分の側の3つの数字をそろえるところから始まります。モニター背面のVESA、スタンドを除いた本体の重さ、そして天板の厚み。この3つが手元にあれば、仕様表を見るだけで候補を一気に絞れます。

24〜27インチの平面モニター1台なら、2〜10kg前後に対応する一般的なシングルアームが候補になります。34インチ以上の曲面やウルトラワイドなら、20kgクラスの大型向けを選び、耐荷重に余裕を持たせてください。机の奥にフレームがある、天板が薄いといった場合は、グロメット式や補強プレートも含めて検討しましょう。

アームを付けると、次は机全体の配置が気になってくるはずです。高さと光と配線の順番はデスク環境の作り方で、天板ごと高さを変えたい人は昇降デスクの選び方で整理しています。

Sources

  1. 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて」(令和元年7月12日 基発0712第3号、令和3年12月1日一部改正) (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  2. VESA「Flat Display Mounting Interface (FDMI) Overview」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  3. VESA「Mounting Standard」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  4. サンワサプライ「モニターアームの選び方」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  5. サンワサプライ「CR-LA1301BKN2」製品ページ (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  6. サンワサプライ「CR-LAC1406BK」製品ページ (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  7. サンワサプライ「CR-LA351」製品ページ (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  8. サンワサプライ「CR-LAPLT1W」製品ページ (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  9. HUANUO「モニターアーム シングル ガススプリング式 13~35インチ対応」 (2026年10月23日確認)(新しいタブで開きます)
  10. HUANUO「モニターアーム シングル ゲーミング 27~49インチ対応」 (2026年10月23日確認)(新しいタブで開きます)
  11. HUANUO「モニターアーム シングル ドッキングステーションベース付き」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  12. HUANUO 公式ブログ「モニターアームの選び方」(2025年5月7日) (2026年10月23日確認)(新しいタブで開きます)
  13. HUANUO 公式ブログ 震度6強相当の揺れ試験(2024年7月1日) (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  14. COFO「無重力モニターアームPro」 (2026年10月23日確認)(新しいタブで開きます)
  15. 山善「電動昇降デスク ハイエンドモデル」発表資料(共同通信PRワイヤー、2024年10月24日) (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  16. Apple「Studio Display を購入」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)

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