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Comparison

電子ペーパータブレット比較:BOOX・Kindle Scribe・reMarkable

読書と手書きメモを1台にまとめたい人へ。3ブランドの違いを「読む・書く・アプリ」で比べ、日本の電子書籍との相性まで整理しました。

Modern-G 編集部約14分で読めます
一枚の薄い板の上に、左半分は本の文字の行、右半分は手書きの線が流れ、境目にペン先が置かれている、抽象的なイラスト
イラスト:Modern-G

寝る前に本を数ページ読み、翌朝の会議ではPDFの資料に手書きで書き込む。紙のような見え方で目が疲れにくく、それを1台で済ませたい。そう考えて電子ペーパータブレットを調べると、BOOX、Kindle Scribe、reMarkableの3つの名前が必ず出てきます。

ただ、この3つは「同じジャンルの別メーカー」というより、設計の出発点がまったく違う製品です。スペック表を横に並べるだけでは、自分に合う1台は見えてきません。

そこでここでは、「読む・書く・アプリを入れる」の3つの軸で違いを整理し、日本の電子書籍ストアとの相性、カラー電子ペーパーの実際、2026年10月時点の国内価格まで、確認できた範囲で並べます。読み終えるころには、どのブランドを候補にすべきか、自分の答えが出ているはずです。

結論:3ブランドは「何を中心に考えたか」が違う

先に結論を置いておきます。

  • Kindle Scribe:Kindleストアで本を読み、そこに手書きを足す端末。日本のKindleユーザーなら最短距離
  • BOOX:Androidタブレットを電子ペーパーにしたもの。Google Playからアプリを入れられ、複数の電子書籍ストアを1台で使える
  • reMarkable:書くことに特化した「紙のノート」の置き換え。電子書籍ストアはなく、読書端末としては割り切りが必要

「どのストアで本を買っているか」と「手書きを何に使うか」の2点を決めると、候補はほぼ自動的に絞れます。 なぜそう言えるのかを、電子ペーパーの性格から順に説明します。

本をどこで買うかと手書きの用途から、Kindle Scribe、BOOX、reMarkableのどれが候補になるかをたどる判断の流れ図。
「本を買う場所」と「手書きの用途」で候補はほぼ決まるModern-G作図

電子ペーパータブレットとは?iPadとの違い

電子ペーパーは、紙のように外の光を反射して表示するディスプレイです。代表的な技術であるE Ink社の電子ペーパーは、マイクロカプセルの中に白と黒の帯電した粒子を入れ、電界で粒子を動かして文字や画像を描きます。E Ink社によると、表示を変えない部分は書き換えの必要がなく、そのぶん消費電力を抑えられます。

iPadなどの液晶・有機ELタブレットは、画面そのものが光る「自発光」です。動画や写真、動きの速いアプリには液晶のほうが向いています。いっぽう電子ペーパーは、長時間の読書や、紙に近い見え方を重視する人に向いています。

その代わり、電子ペーパーは書き換えが遅く、スクロールの多いウェブ閲覧や動画は得意ではありません。SKTのよくある質問では、画面を頻繁に書き換えると、スマートフォンよりも電力を多く使うことがあると説明されています。「何でもできるタブレット」ではなく、「読む・書くに集中する道具」として選ぶのが失敗しないコツです。

「読む・書く・アプリ」の3軸で比べる

読む・書くに集中する道具だとすれば、比べるべきはその「読む」「書く」と、どこまで拡張できるかです。3ブランドの違いを、使い方の軸で並べました。

比べる軸Kindle ScribeBOOXreMarkable
読む(電子書籍)KindleストアのみGoogle Playの各ストアアプリ(相性あり)ストアなし。PDFなどを取り込む
書く(手書き)ノート、PDFへの書き込みノート、PDFやアプリ上への書き込みノートが中心。会議メモなどの機能
アプリ追加できないAndroidアプリを追加できる追加の案内なし(連携はConnectで拡張)
クラウド連携Google Drive、OneDrive、OneNoteAndroid上の各種クラウドアプリ自社クラウド。無制限保存はConnect
向いている人Kindleで本を買っている人複数ストアやアプリを使いたい人書くことが主目的の人

Kindle Scribe:Kindleで読んで、そのまま書く

Amazonは2026年5月12日、Kindle Scribeシリーズを刷新し、日本で6月10日から出荷すると発表しました。シリーズ初のカラー表示に対応した「Kindle Scribe Colorsoft」、モノクロの「Kindle Scribe」、ライトを省いた「Kindle Scribe フロントライト非搭載モデル」の3種類です。3モデルとも11インチ、厚さ5.4mm、重さ400gで、プレミアムペンを搭載します(Amazon発表)。

新モデルでは、Google DriveとMicrosoft OneDriveから文書を取り込んで書き込めるようになり、作ったノートはOneNoteに書き出せます。Amazonは、手書きとページめくりの速度が前モデルより約40%向上したと説明しています。

Amazonのヘルプによると、PDFやSend to Kindleで送った文書のページには直接書き込めます。ただし、USB-Cで転送したPDFや、EPUB形式のコミック・マンガ・絵本への手書きには、現時点で対応していません。マンガに書き込みたい人は注意してください。

Amazonが発表文で「気が散るアプリや通知もない」とうたうとおり、Androidのようにアプリを追加する仕組みはありません。読めるのはKindleストアの本と、自分で送った文書です。この割り切りが、Kindle Scribeのわかりやすさでもあります。

BOOX:電子ペーパーのAndroidタブレット

BOOXはOnyx Internationalのブランドで、日本ではE Ink製品の専門店SKTが販売しています。SKTの直販サイト(SKTNETSHOP)、楽天市場店、Yahoo!ショッピング店の3店舗では、日本語の初期設定マニュアルと1年間のサポートがつきます。

最大の特徴は、Androidを搭載し、Google Playからアプリを入れられることです。SKTが新製品として案内している10.3インチの「Note Air6 C」はAndroid 16を搭載し、カラー電子ペーパー「Kaleido 3」と、電磁誘導方式のペン「BOOX Pen3」が付属します(SKT製品ページ)。

ラインナップの幅もBOOXの強みです。6インチのスマートフォン型「Palma」、物理ボタン付きの7インチ「Go 7」シリーズ、モノクロ10.3インチの「Go 10.3 Gen2」、13.3インチの「Tab X C」「NoteMax」まで、サイズと色を選べます。Modern-Gでは6インチのBOOX Go6 Gen2も紹介しています。

ただし、モデルによってはペンが付属しません。たとえばGo 7シリーズのペン「InkSense Plus」は別売りです。価格を比べるときは、ペン込みかどうかを確認してください。

reMarkable:書くことに絞った「紙のタブレット」

reMarkableは、自社の製品を「ペーパータブレット」と呼んでいます。2026年10月時点の公式サイトのラインナップは、モノクロ10.3インチの「Paper Pure」、カラー7.3インチの「Paper Pro Move」、カラー11.8インチの「Paper Pro」の3機種です。

公式サイトが打ち出しているのは、手書きメモ、取り込んだ文書への書き込み、カレンダーと連動した会議メモ、手書きのテキスト変換などです。電子書籍ストアやアプリの追加は案内されていません。読書端末というより、ノートとPDFのための道具です。

reMarkableの公式サイトでは、配送先の国の一覧に日本が含まれています。ただし日本語のページはなく、円での価格は確認できませんでした。欧州向けストアでは、Paper Pureが399ユーロから、Paper Pro Moveが479ユーロから、Paper Proが649ユーロからで、いずれもペン(Marker)が付属します。

日本の電子書籍ストアで使えるか

3つの性格の違いが、日本の読者にとっていちばん効いてくるのがこの点です。

Kindle Scribeは、Kindleストアの本を読むための端末です。楽天Koboやebookjapanなど、ほかのストアで買った本は読めません。そのかわり、Kindleでまとめて本を買っている人には、何も考えずに済む安心感があります。

BOOXは、Android版の電子書籍アプリを入れて使います。SKTの製品ページでは、Kindle、honto、Sony Reader、BOOK☆WALKER、ブックライブ、DMMブックス、Kinoppyなどが音量ボタンでのページめくりに対応すると案内しています。ebookjapan、LINEマンガ、ピッコマ、コミックシーモア、少年ジャンプ+など、ブラウザに近い仕組みのアプリは、物理ボタンでのページめくりに対応しないとされています。

reMarkableには電子書籍ストアがなく、アプリを追加する仕組みも案内されていないため、日本の電子書籍ストアの本を読む用途には向きません。DRM(コピー防止)のない自炊PDFや、仕事の資料を読む使い方が中心になります。

つまり、Kindle一本ならKindle Scribe、複数のストアを使い分けているならBOOX、本はスマホや紙で読み、ノートだけを置き換えたいならreMarkable、という分け方が現実的です。

カラー電子ペーパーの現状:便利だが、色は「淡い」

ストアの次に迷いやすいのが、カラーにするかどうかです。現在は3ブランドすべてにカラーモデルがありますが、液晶のような鮮やかさを期待すると、印象はかなり違うはずです。

BOOXのカラーモデルが使うE Inkの「Kaleido 3」は、白黒の電子ペーパーの上にカラーフィルターを重ねる方式で、E Ink社によると4,096色を表示できます。SKTの仕様表では、Note Air6 Cの解像度はモノクロ時300ppi、カラー時150ppiです。色をつけると、細かさは半分になると考えてください。

白黒の電子ペーパーの上にカラーフィルターを重ねる方式の模式図。BOOX Note Air6 Cの場合、モノクロ表示は300ppi、カラー表示は150ppi。
カラーフィルター方式は白黒の層の上に色の層を重ねる。カラー時の細かさは半分に(模式図、数値はNote Air6 Cの公式仕様)Modern-G作図

SKTはさらに、Go Color 7 Gen2について「カラーモデルはモノクロモデルと比べると背景となる地色が10%ほど暗くなる」と明記しています。文字の本が中心ならモノクロ、カラーのマンガや図表が多いならカラー、という選び分けがすすめられています。

Kindle Scribe Colorsoftも、カラーフィルターと窒化物LEDのライトガイドを組み合わせた独自のディスプレイだとAmazonは説明しています。ペンは10色、ハイライターは5色を使えます。reMarkableは独自のカラー表示を「Canvas Color」と呼び、最大2万色をうたっています。

E Ink社は、カラーフィルターを使わずに1画素ごとにフルカラーを出す「Gallery」系の技術も展開しています。カラー電子ペーパーはまだ発展途上で、編集部としては「色がつくと便利な場面がある人」が選ぶもので、全員にカラーが必要なわけではないと考えます。

2026年10月時点の主なモデルと価格

ここまでの軸を頭に置いて、具体的なモデルと価格を見ていきます。国内価格は、Amazonは発表時の税込価格、BOOXはSKTNETSHOPの税込表示(2026年10月22日確認)です。セールやポイントは含みません。

モデル画面ペン国内価格(税込)
Kindle Scribe Colorsoft11インチ・カラー搭載106,980円(32GB)〜
Kindle Scribe11インチ・モノクロ搭載89,980円(32GB)〜。ライトなしは72,980円
BOOX Note Air6 C10.3インチ・カラー付属96,800円
BOOX Go 10.3 Gen210.3インチ・モノクロ付属77,800円(ライトなし)/79,800円(ライトあり)
BOOX Go Color 7 Gen27インチ・カラー別売り44,800円(モノクロのGo 7は39,800円)
reMarkable Paper Pure/Pro Move/Pro10.3/7.3/11.8インチ付属円価格は未確認

大画面が必要な人には、BOOXの13.3インチ「Tab X C」(カラー、138,000円)と「NoteMax」(モノクロ、97,800円)もあります。6インチの新モデル「Palma3」は、SKTが10月後半の発売予定と案内しており、SKTNETSHOPでは54,800円と表示されています。

Kindle Scribeシリーズとは別に、読書専用のカラー端末「Kindle Colorsoft」もあります。こちらはペン入力に対応しない電子書籍リーダーで、Amazonは2026年10月1日に新モデルを51,980円で発表しました(11月11日出荷予定)。手書きが不要なら、Kindle Colorsoftのような読書専用機のほうが安く済みます。

自分に合う1台の選び方

ここまでの内容を、選ぶ順番に置き直します。

  1. 本をどこで買っているかを確かめる。Kindleだけなら Kindle Scribe、複数のストアを使うならBOOXが候補
  2. 手書きの用途を決める。本への書き込みよりノートや会議メモが中心なら、reMarkableも候補に入る
  3. サイズを決める。持ち歩いて読むなら6〜7インチ、A4のPDFや書き込みが多いなら10〜13インチ
  4. カラーが本当に必要かを考える。文字中心ならモノクロのほうが地色が明るく、解像度も高い
  5. ペンが付属するか、サブスクリプションが必要かを確認する

5つめのサブスクリプションは、reMarkableを選ぶときに重要です。reMarkableのクラウドサービス「Connect」は、欧州向けページで月3.99ユーロ、年39.90ユーロです。無制限のクラウド保存、手書きと文字の検索、アプリでのノート作成・編集、会議メモの連携などが含まれ、購入者は50日間無料で試せます。

いっぽう公式サイトによると、手書きのテキスト変換、画面共有(Screen Share)、容量が限られたクラウド保存は、Connectなしでもすべての端末に含まれます。Connectを解約するとアプリでのノート作成・編集はできなくなりますが、クラウドに保存したファイルが削除されることはないと説明されています。

海外からの購入になるreMarkableは、送料、輸入時の消費税、返品の手続きも事前に確かめてください。海外通販の税金の考え方は関税・輸入消費税の解説でまとめています。

手書き端末以外の選択肢も見ておく

選び方をたどってみて「どれも少し違う」と感じたら、目的そのものを見直すのも手です。

電子ペーパーは「表示を変えないあいだは電力をほとんど使わない」という性質から、タブレット以外の小さなガジェットにも使われています。Modern-Gでも、E Ink画面で写真や情報を表示するトラッカーのPhotoTagや、カラーE Inkを載せたモバイルバッテリーのMagInkを紹介してきました(クラウドファンディング発の製品のため、キャンペーンや販売の状況はリンク先で確認してください)。

紙に書く感覚そのものを残したい人には、紙のノートとAI録音を組み合わせたfitn Focusのような方向もあります。絵やイラストを本格的に描きたいなら、電子ペーパーよりペンタブレットが向いています。

まとめ:まず「本を買う場所」から決める

電子ペーパータブレット選びで迷う理由は、3ブランドが同じ土俵に立っていないことにあります。Kindle ScribeはKindleの本と手書き、BOOXはAndroidアプリの自由度、reMarkableは書くことへの集中。カラーは淡い色と解像度の低下を受け入れられる人のための選択肢です。

Kindleで本を買い、そこに書き込みたい人はKindle Scribe。楽天Koboやマンガアプリなど複数のストアを使い分けたい人はBOOX(使いたいアプリの対応は購入前に確認)。読書はほかの端末に任せて、紙のノートを置き換えたい人はreMarkable。手書きより会議の記録を残すことが目的なら、端末を変える前に録音と文字起こしという道も検討してみてください。

Related ReadingAIボイスレコーダーの選び方会議の記録が目的なら、手書き端末より合う場合も

Sources

  1. Amazon(aboutamazon.jp)「Kindle Scribe初のカラーディスプレイ搭載『Kindle Scribe Colorsoft』など新『Kindle Scribeシリーズ』を日本で発売」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  2. Amazon(aboutamazon.jp)「Amazon、Kindleシリーズ4モデルを刷新」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  3. SKT株式会社 公式サイト(BOOX国内販売) (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  4. SKT「BOOX NoteAir6C」製品ページ (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  5. SKT「BOOX Go7 Gen2」製品ページ (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  6. SKT「BOOX Go10 Gen2」製品ページ (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  7. SKT「BOOX TabXC」製品ページ (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  8. SKT「BOOX NoteMax」製品ページ (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  9. SKT「Palma3」製品ページ (2026-10-23再確認)(新しいタブで開きます)
  10. SKT「よくあるご質問」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  11. SKTNETSHOP 各製品ページ(Note Air6 C ほか、税込価格) (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  12. reMarkable 公式サイト(ラインナップ、配送先の国、Connectなしで使える機能) (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  13. reMarkable「Paper Pro」ストアページ(欧州向け価格) (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  14. reMarkable「Paper Pure」製品ページ (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  15. reMarkable 製品比較ページ (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  16. reMarkable「Connect」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  17. E Ink Holdings「How it works」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  18. E Ink Holdings「Kaleido」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  19. E Ink Holdings「Gallery」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)

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