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個人輸入の関税・消費税はいくら?海外ガジェットやクラファン製品の計算方法

電子機器は関税が無税のことが多い一方、消費税はかかります。税関の公式ルールをもとに、海外ガジェットの税額を自分で見積もる方法をまとめました。

Modern-G 編集部更新 約12分で読めます

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個人輸入の関税・消費税はいくら?海外ガジェットやクラファン製品の計算方法

小さな箱から伸びる矢印が、6割に縮む帯を通って小さな硬貨の山に変わる構図で、「課税価格で決まる」仕組みを抽象的に見せる、抽象的なイラスト
イラスト:Modern-G

海外通販やKickstarterで買ったガジェットが届いたとき、配達員から税金を請求されて驚いた経験はありませんか。逆に、思っていたより安かった、あるいは何も払わずに届いたという人もいるはずです。

差がつく理由は、ほとんどが「課税価格」の計算にあります。税関(財務省関税局)の公式ルールを押さえれば、3万円のイヤホンやKickstarterで支援したガジェットに、受け取り時にいくらかかるかは自分で見積もれます。

ここではガジェットの具体例で税額を計算し、受け取り時の払い方、2028年4月に予定されている制度変更まで順に見ていきます。

結論:個人輸入の税金は「課税価格」で決まる

先に要点をまとめます。2026年10月時点のルールです。

  • 自分で使う目的の個人輸入では、課税価格は原則として「海外小売価格×0.6」になります。
  • 課税価格の合計が1万円以下なら、関税と消費税は原則として免除されます。
  • パソコンやデジタルカメラは関税が無税の目安です。ただし、消費税(地方消費税を含め10%)は別にかかります。
  • 0.6掛けの特例は、2028年4月1日に廃止されることが法律で決まっています。

つまり、海外のガジェットにかかる税金の多くは「関税」ではなく「消費税」です。そして、免税になるかどうかを決めるのは、支払った金額そのものではなく、0.6を掛けたあとの課税価格です。

支払額に0.6を掛けて課税価格を出し、課税価格の合計が1万円以下なら関税と消費税が原則免除、超えれば関税と消費税がかかる、という判定の流れを示した図。
個人使用の輸入で税金がかかるかの判定(2026年10月時点のルール)Modern-G作図

関税と消費税は別の税金

輸入品には、原則として関税、消費税、地方消費税がかかります。似た言葉ですが、性質は違います。

関税は、輸入品だけにかかる税金です。税率は品目ごとに決まっていて、税関の「主な商品の関税率の目安」(カスタムスアンサー1204、2026年4月1日現在)では、パソコン(84類)、デジタルカメラ・ビデオカメラ(85類)、腕時計、玩具などが「無税」とされています。一方、革製のハンドバッグや衣類、靴などには税率が設定されています。

消費税は、国内で買い物をするときと同じ税金です。輸入時にも、標準税率で消費税7.8%と地方消費税2.2%(消費税額の22/78)、合わせて10%がかかります(カスタムスアンサー1111)。関税が無税の品目でも、消費税はかかります。

税関は、この表の税率はあくまで目安で、原産国や材質、用途によって実際の税率は変わるとしています。ガジェットでも、本体以外のケースやアクセサリーは別の品目に分類されることがあります。

2つの税金の違いがわかったところで、計算の土台になる「課税価格」の決まり方を見ていきます。

個人輸入の計算ルール:0.6掛けと1万円免税

課税価格は「海外小売価格×0.6」

税金の計算の土台になるのが課税価格です。税関によると、個人が自分で使う目的で輸入する貨物の課税価格は、海外小売価格に0.6を掛けた金額になります(「少額輸入貨物の簡易税率」のページ)。

ここでいう海外小売価格は、原則として輸入者が実際に支払った価格です。郵便物の場合は、税関告知書などに書かれた価格になります(関税定率法基本通達)。申告された価格が極端に安いなど疑わしい場合は、類似品の価格などを参考に税関が課税価格を決めます。

この特例は、商売のために卸値で仕入れる輸入品との公平を保つために設けられたものです。転売や業務用など、個人使用と認められない場合は使えません。その場合は、商品の価格に運送費と保険料を足した金額が課税価格になります。

課税価格の合計が1万円以下なら免税

税関の「課税価格の合計額が1万円以下の物品の免税適用について」(カスタムスアンサー1006)によると、課税価格の合計が1万円以下の輸入品は、関税と消費税が免除されます。酒税やたばこ税は免除されません。

判定の単位にも決まりがあります。

  • 原則は1回の輸入申告ごとに合計する。1つのインボイス(請求書)の貨物を分けて申告しても、合計で判定する。
  • 郵便物は1つの包装ごとに判定する。ただし、同じ差出人から同じ受取人に、重量制限などで分けて同じ時期に送られたものは合計する。

また、革製のカバン、ハンドバッグ、手袋、ニット製の衣類、スキー靴、革靴などは、1万円以下でも免税になりません(個人的に使うための贈り物を除く)。ガジェット本体が対象になることは少ないものの、革製のケースやバッグを一緒に買う場合は注意が必要です。

支払額およそ1万6,666円までが免税の目安

課税価格は0.6を掛けたあとの金額なので、1万円÷0.6で、支払額がおよそ1万6,666円までなら課税価格が1万円以下に収まる計算になります。

ただし、これは目安です。ドル建てなどの外貨は、税関長が毎週公示する為替相場(輸入申告日の属する週の前々週の実勢相場の平均)で円に換算されます(カスタムスアンサー1406)。カード会社の請求額とは一致しないため、境目に近い買い物は余裕を見ておくと安心です。

ルールがそろったので、実際の金額に当てはめてみましょう。

ガジェットの税額を計算してみる

税関の計算例(カスタムスアンサー1111)では、端数を次のように処理しています。

  1. 課税価格の1,000円未満を切り捨てて、関税率を掛ける。関税額は100円未満を切り捨て。
  2. 課税価格に関税額を足した額(1,000円未満切り捨て)に7.8%を掛けて消費税額を出す。100円未満は切り捨て。
  3. 消費税額に22/78を掛けて地方消費税額を出す(合計の段階で100円未満切り捨て)。

このルールにならって、送料込みの支払額で試算しました。関税率の区分は仮定で、実際の分類は税関が決めます。

例支払額(送料込み)課税価格関税消費税+地方消費税
A 関税無税のガジェット15,000円9,000円免税免税(合計0円)
B 関税無税のガジェット30,000円18,000円0円1,400円+300円=1,700円
C 関税無税のガジェット60,000円36,000円0円2,800円+700円=3,500円
D 簡易税率3%の品物30,000円18,000円500円1,700円(関税と合わせて2,200円)
E Bと同じ品物(2028年4月以降)30,000円30,000円0円2,300円+600円=2,900円

例Bの計算はこうです。課税価格は30,000円×0.6=18,000円。関税は無税なので0円です。消費税は18,000円×7.8%=1,404円で、100円未満を切り捨てて1,400円。地方消費税は1,400円×22/78=394円で、100円未満を切り捨てて300円。合計1,700円になります。

例Dは、税関の簡易税率表で「プラスチック製品」(3%)に当たる品物を想定しました。課税価格の合計が20万円以下の郵便物や一般貨物には、品目を7区分にまとめた簡易税率が使われます。ただし、関税が無税のものには適用されません。

例Eは、0.6掛けの特例が廃止されたあとの同じ買い物です。課税価格が支払額そのものになるため、税額が増えます。この変更については、後半の「2028年4月に変わること」で詳しく扱います。

このほか、受け取り時には日本郵便の通関料や、国際宅配便の代行手数料がかかることがあります。では、その税金は誰に、どうやって払うのでしょうか。

受け取るときの払い方と「関税込み」表示

税金の払い方は、輸送方法で変わります。

国際郵便の場合

税関の「個人輸入通関手続」によると、課税価格が20万円以下の郵便物は、税関が税額を決める方式です。

  • 無税・免税なら、そのまま配達されます。
  • 税金の合計が1万円以下なら、「国際郵便物課税通知書」と一緒に配達されます。その場で日本郵便に納付を委託して払えば受け取れます。
  • 1万円を超え30万円以下なら、電話などで連絡があり、配達を希望すればその場で支払えます。
  • 30万円を超える場合は、郵便局で納付書を受け取り、銀行や郵便局の窓口で払います。

課税される場合は、税金とは別に日本郵便の取扱手数料(通関料)が必要です。税額に疑問があるときは、払う前に通知書に書かれた税関外郵出張所に申し出るよう、税関は案内しています。

国際宅配便の場合

DHLやFedExなどの国際宅配便では、通関手続を業者が代行します。税関は、税金とは別に代行手数料がかかることがあるので業者に確認してほしいとしています。手数料の金額や支払い方法は業者ごとに違うため、配送業者の公式案内で確認してください。

Kickstarterや海外通販の「関税込み」表示の読み方

海外ショップやクラウドファンディングでは、「Duties included」「DDP(Delivered Duty Paid)」といった表示を見かけます。売り手が日本の関税や消費税を負担し、受取人は受け取り時に払わなくてよい、という意味で使われるのが一般的です。

編集部としては、この表示を見たら次の3点を確かめることをおすすめします。

  • 消費税まで含むのか、関税だけなのか。
  • 配送業者の手数料も売り手が持つのか。
  • 表示がない場合、誰が払うのか。

クラウドファンディングでは、税の扱いがキャンペーンページのFAQや支援後の案内に書かれていることがあります。どこにも記載がなければ、受取人が払う前提で見積もっておくと安全です。支援の流れはKickstarterの使い方ガイド、プラットフォームごとの違いはクラウドファンディングサイトの比較で詳しく扱っています。

なお、届いた品物が予期しない品質で返送する場合、条件を満たせば払った関税などの払い戻し(戻し税)を受けられます。国際郵便で返送するときは、郵便局に出す前に税関で事前検査を受ける必要があり、原則として受け取った日から6か月以内という期限もあります(カスタムスアンサー3101)。返送してから申し出ても払い戻しは受けられないので、先に税関へ相談してください。

2028年4月に変わること

少額輸入品の税の仕組みは、越境ECの急増を受けて見直しが決まっています。

0.6掛けの特例は廃止

2026年3月31日に成立・公布された「関税定率法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第5号)で、個人使用貨物の課税価格を海外小売価格の6割とする特例の廃止が決まりました。財務省の資料によると、この部分の施行日は2028年(令和10年)4月1日です。

財務省の審議会の答申は、越境ECの拡大で国内外の事業者の競争に不均衡が生じていることや、個人使用を装った再販売の例があることを、廃止の理由に挙げています。

1万円以下の通販品にも消費税

国税庁の資料によると、2028年4月1日以後、事業者が通信販売で国外から日本に発送する、1点あたり1万円(税抜き)以下の商品の販売は、国内取引として消費税の対象になります。国外の事業者も申告・納税が必要になり、一定のオンラインモールでは運営事業者が納税する仕組みも設けられます。

一方、輸入時に課税価格が1万円以下なら消費税を免除する扱いは、原則として変わらないと国税庁は説明しています。関税の1万円免税についても、財務省の審議会は引き続き検討するとしています。

2026年10月時点と2028年4月以降の比較。課税価格は支払額×0.6から支払額そのものに変わり、3万円の関税無税ガジェットの税額の試算は約1,700円から約2,900円になる。
0.6掛け廃止の前後で、送料込み3万円・関税無税のガジェットを試算(手数料は別)Modern-G作図

買う側から見ると、2028年4月以降は、1万円以下の品物でも販売価格に日本の消費税が含まれる場面が増えると考えられます。また、0.6掛けがなくなるため、免税の目安だった1万6,666円という数字は使えなくなります。

税金以外に確認したいこと

税金の見通しが立っても、それで安心とはいきません。税金を払えば何でも使えるわけではないからです。ガジェットの個人輸入では、次の点も買う前に確認してください。

  • Wi-FiやBluetoothを使う機器は、日本の技適マークがないと使えない場合があります。詳しくは技適マークの解説へ。
  • ACアダプターやモバイルバッテリーなどの電気用品は、販売にPSEマークが必要です。個人で使う場合の考え方はPSEマークの解説で説明しています。
  • 個人輸入した品物の転売は、課税価格の扱いが変わるうえ、ほかの法令にも関わります。
  • クラウドファンディングは「買い物」ではなく支援です。遅延や未着のリスクはクラファンのリスク解説を参考にしてください。

国内のセールと海外通販で迷うときは、送料・税金・手数料を足した総額で比べるのが基本です。セール期の比べ方はブラックフライデーのガジェット選びでも扱っています。

よくある質問

1万円以下の商品なら、絶対に税金はかかりませんか?

いいえ。判定は課税価格の合計で、1回の申告や1つの包装の合計で見ます。複数の商品をまとめて買うと超えることがあります。革製品やニット製の衣類など、1万円以下でも免税にならない品目もあります。

送料も課税価格に入りますか?

商売目的の輸入では、商品の価格に運送費と保険料を足したものが課税価格です。個人使用の場合は「実際に支払った価格」が基準になり、送料の扱いは請求書の書き方で変わることがあります。この記事の計算例は、余裕を見て送料込みで試算しています。

関税が無税のスマホやパソコンでも税金がかかるのはなぜ?

関税が無税でも、消費税と地方消費税(合わせて10%)がかかるからです。国内で買うときに消費税を払うのと同じ考え方です。

請求された税額が高すぎると思ったら?

国際郵便なら、払う前に課税通知書に書かれた税関外郵出張所に申し出るよう、税関は案内しています。国際宅配便の場合は、まず配送業者に内訳を確認してください。

まとめ:税金は「支払額の約6%」を予算に入れておく

海外ガジェットの税金は、関税より消費税が中心で、その額は0.6を掛けた課税価格で決まります。いまのルールなら、関税無税のガジェットは支払額のおよそ6%(0.6×10%)が目安です。ただし2028年4月に0.6掛けがなくなれば、同じ買い物でも目安はおよそ10%に上がります。

1万円台の小物をときどき買う人は、今のうちは免税の範囲に収まることが多いはずです。数万円のガジェットやクラファン製品を買う人は、手数料とあわせて税金を予算に入れておくと、受け取り時に慌てずに済みます。境目の金額や品目分類に迷うなら、税関相談官に事前に聞くのが確実です。

Related ReadingKickstarterの使い方支援から受け取りまで、海外クラファンの流れを整理

Sources

  1. 税関「1006 課税価格の合計額が1万円以下の物品の免税適用について(カスタムスアンサー)」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  2. 税関「少額輸入貨物の簡易税率」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  3. 税関「1111 関税、消費税等の税額計算方法(カスタムスアンサー)」および印刷用PDF (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  4. 税関「1204 主な商品の関税率の目安(カスタムスアンサー)」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  5. 税関「1406 価格の換算に用いる外国為替相場(カスタムスアンサー)」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  6. 税関「個人輸入通関手続」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  7. 税関「3101 個人輸入された通信販売物品等を国際郵便を利用して返送等する場合の戻し税手続について(カスタムスアンサー)」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  8. 税関「3002 個人輸入の通関手続(カスタムスアンサー)」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  9. 税関「関税定率法基本通達(抄)」(4の6 海外小売価格×0.6) (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  10. 税関「法律等改正(法律)」(令和8年法律第5号の成立日・公布日) (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  11. 財務省「『関税定率法等の一部を改正する法律案』について」(施行日の注記) (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  12. 財務省 関税・外国為替等審議会「令和8年度における関税率及び関税制度の改正等についての答申」別紙 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  13. 国税庁「令和8年4月に消費税法等の一部が改正されました」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)

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