ロジクールが発売した「MX Master 4」は、同社のフラグシップワイヤレスマウスとして、「ロジクール史上最も高度な」性能を誇るモデルです。クリエイター、プログラマー、長時間デスクトップワークに従事するユーザーを対象に、「没入型コントロール」と「体感できる精度」を融合させ、単なる入力デバイスを超えてワークフローを最適化する存在として設計されています。操作のスムーズさと長時間使用しても疲れにくい人体工学設計を両立し、様々な作業シーンでのパフォーマンスを引き上げることを目指しています。どんなに複雑な作業でも、「MX Master 4」があれば操作の負担を軽減し、集中力を持続させることができるのではないでしょうか？
MX Master 4 の特徴
「MX Master 4」の最も大きな特徴の一つは、ユーザーの作業体験を深める触覚フィードバック機能です。この機能は、特定の操作（例えばグリッド上での画像の位置合わせ、システムからの通知確認、デスクトップの切り替え、スライダーによる音量や明るさの微調整など）が行われた際に、指先で感知できる振動を生成します。これにより、モニターを注視しなくても「操作が正しく反映された」ことを体感でき、視覚への負担を軽減しつつ没入感のある作業を続けることが可能になります。更に、この触覚フィードバックは「Logi Options+」（Windows/macOS 用の専用アプリ）を通じて細かくカスタマイズでき、振動の強さやパターンを自身の操作習慣に合わせて調整することができます。現在では Adobe Photoshop、Adobe Lightroom デスクトップ、Zoom といった頻繁に使用されるアプリでサポートされており、2025 年 10 月には Adobe Premiere Pro も対応する予定で、動画編集者にとってもより使いやすいツールへと進化する予定です。
作業効率を飛躍的に高めるActions Ringも「MX Master 4」の核心機能の一つです。この機能を活用すると、ユーザーが頻繁に使用するツール、ショートカット、アクションをカーソルの近傍に集約でき、従来のようにメニューを開いて階層を辿って検索する手間を完全に省くことができます。ロジクール Ergo ラボが 2025 年に実施した調査によれば、37 人の MX Master シリーズユーザーに 8 種類の一般的なデスクトップアクション（例：ファイルの保存、コピー＆ペースト、ツールの切り替えなど）を実行させた結果、Actions Ring の使用により作業時間を最大 33% 短縮できただけでなく、マウスの移動距離も最大 63% 減らすことに成功したというデータがあります。もちろん、この数値はショートカットの割り当て方によって多少の違いは生まれますが、日常的な作業の中でこの機能を活用すれば、積み重なる時間節約は非常に大きなものになります。加えて、「Logi Options+」を使用することで、Actions Ring に割り当てるショートカットを自由にパーソナライズしたり、サードパーティーアプリ用のプラグインを追加したりすることで、自身のワークフローに完全に合わせた最適化が実現できます。
スクロール体験を革新するMagSpeed スクロールホイールも「MX Master 4」の見どころの一つで、ロジクールが誇る「最速かつ最も精確な」スクロール性能を実現しています。このホイールの威力は、1 秒間に最大 1,000 行のスクロールが可能な点にあります。長大な文書、複雑なスプレッドシート、多数の画像を含むウェブページなどを扱う場合でも、目的の箇所まで素早く到達できるのは非常に便利で、作業の流れを中断させることが少なくなります。更に、このスクロールホイールは「ラチェットモード」と「超高速モード」の 2 つの動作モードを簡単に切り替えられる設計になっています。ラチェットモードでは、スクロールの 1 段階ごとのクリック感が明確になり、Excel のセルを 1 つずつ選択したり、プレゼン資料のスライドを 1 枚ずつ確認したりする場合に必要な「操作精度」が、「Logi Options」をインストールしスムーズスクロールを有効にした MX Master 2S と比較して 87% 向上しています。一方、超高速モードでは、電磁気スクロールホイールの特性を最大限に活かし、電磁気スクロールホイールを搭載していない通常のロジクールマウスと比べて 90% 高速なスクロールが可能になります。ホイール自体は機械加工されたスチールで製造されており、重さのバランスが厳密に調整されているため、滑らかな動きと静かな操作音を両立させ、長時間スクロールしても指先への負担が少ないというメリットもあります。
あらゆる表面での高精度なトラッキングを実現する8K DPI センサーも「MX Master 4」の強みの一つで、ロジクール史上最高精度のセンサーとして開発されています。このセンサーの最大の特徴は、最小 4mm の厚さのガラス面を含むほぼすべての表面で安定して動作する点です。デスクマットが手元にない場合や、ガラス製のテーブルの上で作業する場合でも、マウスのトラッキングが乱れることが少なく、外出先での作業やデスクスペースが限られている環境でも安心して使用できます。精度面では、デフォルトの DPI 設定を使用した標準的なロジクールマウスと比較して 5 倍の精度を実現しています。これにより、4K や 8K といった高解像度の大画面モニターを使用して細かい画像編集を行ったり、コードを記述する際にカーソルを 1 文字ずつ正確に配置したりする場合でも、「カーソルが思った通りに動かない」というストレスを大幅に削減できます。更に、DPI の設定は 200～8000 の範囲で、50 DPI 刻みで自由に調整できるため、自身の操作スタイル（例：速い操作派、ゆっくり細かい操作派）やモニターの解像度に合わせて最適な値に設定することが可能です。
接続の安定性も「MX Master 4」の重要な特徴の一つで、前身モデルである MX Master 3S と比較して接続性が 2 倍向上しています。この向上は、高度な無線チップを搭載し、アンテナの配置を最適化するとともに、次世代の USB-C ドングルである「Logi Bolt USB レシーバー」に対応したことで実現しています。無線接続方式としては、低消費電力で安定した通信が可能な Bluetooth Low Energy（バージョン 5.1）に対応しており、最大 10m の通信範囲を確保しています。デスクの下に PC を置いたり、少し離れた位置からマウスで操作したりする場合でも、接続が突然途切れることが少なく、安定した操作を続けることができます。これは、オンライン会議中にプレゼンテーションを行ったり、ビデオ編集ソフトでタイムラインを精緻に操作したりする際に、作業の中断を防ぐ上で非常に重要な要素です。また、Logi Bolt USB レシーバーを使用する場合は、USB-C ポートを搭載した PC であればどのようなモデルでも対応可能で、「Logi Options+」をインストールすることでデバイスの各種設定をカスタマイズすることもできます。
長時間の作業に耐えうる快適な人体工学設計も「MX Master 4」の魅力の一つです。マウスの全体形状は、人間の手の自然な曲がり方に合わせて最適化された傾斜角度を採用しており、操作時に腕を不自然に曲げたり、手首に負担をかけたりすることが少なくなります。これにより、1 日中マウスを使用して作業を行っても、肩や腕、手首への疲れが蓄積しにくく、長時間にわたって集中力を保ちやすくなります。ボタンの配置も非常に配慮されており、親指で操作するサムボタンやサムホイール、人差し指と中指で操作するメインボタン、薬指で操作するサイドボタンなど、それぞれの指が自然に届く位置に配置されているため、見ないでも正確にボタンを押すことができ、素早く直感的なナビゲーションが実現できます。特にサムホイールは、親指の自然なスライド動作に合わせて水平方向のスクロールが可能に設計されているため、ウェブページの左右スクロールや、画像編集ソフトでのキャンバスの水平移動などをスムーズに行えます。手の大きさや握り方には個人差がありますが、「MX Master 4」の形状は様々な手のサイズに対応できるように幅と奥行きが調整されており、多くのユーザーにとって「握りやすい」と感じられる設計になっています。
操作音を抑制した静音クリックボタンも「MX Master 4」のユーザビリティを高める要素の一つです。このボタンは、クリック時の音を MX Master 3 と比較して 90% 軽減（左右のメインボタンについて）しており、オフィスや共同作業スペース、あるいは家庭での夜間作業など、周囲に騒音を与えにくい環境で使用するのに適しています。クリエイターが長時間にわたって画像をクリックしながら編集したり、プログラマーがコードを記述しながら頻繁にマウスをクリックしたりする場合でも、クリック音によって自身の集中力が妨げられたり、周りの人に迷惑をかけたりすることが少なくなります。重要なのは、静音化を実現したにもかかわらず、ボタンのクリック感（タクタイルフィードバック）は損なわれておらず、「押したことが分かる」満足感を得られる点です。また、ボタンの耐久性や精度、信頼性も従来モデルと同等以上を維持しており、長期間使用しても操作感が劣化しにくいという特徴もあります。
「MX Master 4」は、「Logi Options+」アプリとの連携によって更に機能を拡張できる点も魅力の一つです。このアプリを使用すると、「Flow」機能を活用して複数のデバイス（例：PC と Mac、あるいは 2 台の PC）間や、異なるオペレーティングシステム間でファイルをシームレスに共有したり、コピー＆ペーストを行ったりすることができます。例えば、Windows PC で作成した文書を、マウスをスクリーンの端まで移動させるだけで Mac に転送できるため、複数デバイスを使い分ける作業を大幅に効率化できます。更に、「Logi Options+」を通じて、マウスの各ボタンに割り当てるショートカット、カーソルのトラッキング速度、アプリ固有の操作プリセット（例：Photoshop 用のブラシ切り替え、Excel 用のセル選択モードなど）をカスタマイズすることもできます。「Smart Actions」機能を使用すると、複数の操作を一つのボタンで実行する自動化設定（例：「特定のキーを押す」＋「ファイルを保存」の一連の動作を 1 回のクリックで行う）も作成でき、繰り返し行う作業の負担を軽減できます。加えて、アプリ用のプラグインを追加することで、対応するサードパーティーアプリの機能をマウスから直接操作できるようになり、自身の作業スタイルに合わせてツールを完全にカスタマイズすることが可能です。
「MX Master 4」は、最大 3 台のデバイスと同時に接続でき、ワンタッチでデバイス間を切り替えられる点も実用的な特徴の一つです。接続方式としては、Bluetooth Low Energy と Logi Bolt USB レシーバーの両方に対応しており、デバイスの接続環境に合わせて最適な方式を選択できます。デバイス間の切り替えは、マウス側面に配置された「Easy-Switch」ボタン、あるいは前述の「Actions Ring」を使用して行えるため、操作を中断することなく迅速に切り替えることができます。例えば、PC で文書作成をしている途中で、iPad でメールを確認したい場合、ボタンを 1 回押すだけでマウスの接続先を PC から iPad に切り替えられ、作業の流れを乱すことが少なくなります。また、「MX Master 4」は、Windows、macOS、Linux、ChromeOS、iPadOS、Android といった主要なオペレーティングシステムに広く対応しており、細かい設定を変更することなく基本的な機能（ポインティング、クリック、スクロール）を使用できます。Windows や macOS では「Logi Options+」をインストールすることで高度なカスタマイズが可能で、その他の OS でも基本的な操作はソフトウェアをインストールしなくても利用できるため、様々なデバイスを使用するユーザーにとって非常に便利です。
バッテリーの長寿命と急速充電機能も「MX Master 4」の実用性を高める要素の一つです。バッテリーは充電式（容量 650mAh）で、フル充電後の使用時間は最大 70 日間と長く、頻繁に充電する手間を省くことができます。もちろん、使用頻度（例：スクロールの頻度、ボタンのクリック回数、無線接続方式の選択など）によってバッテリー寿命は多少の変動が生まれますが、一般的なオフィスワークであれば 1 ヶ月以上充電する必要がない場合も多いです。更に、USB-C による急速充電に対応しており、わずか 1 分間充電するだけで 3 時間使用できるため、急いで外出する際に短時間充電するだけで応急的に使用することができます。充電ケーブルは同梱されていないため、自身で USB-C ケーブルを準備する必要がありますが、現在では多くのデバイスで USB-C ケーブルが使用されているため、既に持っているケーブルを共用することも可能です。また、充電中もマウスを使用することができるため、充電のために作業を中断する必要がなく、生産性を維持しやすいというメリットもあります。
まとめ
「MX Master 4」は、ロジクールが長年培ったワイヤレスマウスの技術を集大成したフラグシップモデルと言えるでしょう。触覚フィードバックによる没入感のある操作、Actions Ringによる作業時間の大幅短縮、MagSpeed スクロールホイールによる高速かつ高精度なスクロール、8K DPI センサーによるあらゆる表面での安定トラッキング、そして 2 倍に向上した接続性など、一つ一つの機能がユーザーの作業効率と快適性を高めるために設計されています。
長時間使用しても疲れにくい人体工学設計や、周囲への配慮をした静音クリックボタン、複数デバイスとのシームレスな接続、長寿命のバッテリーと急速充電機能など、実用面での配慮も非常に細やかです。「Logi Options+」アプリとの連携によって、更に自身のワークフローに合わせたカスタマイズが可能になり、クリエイター、プログラマー、ビジネスユーザーといった多様なユーザーのニーズに応えることができます。
もし、現在使用しているマウスで「操作が遅い」「精度が足りない」「長時間使用すると疲れる」といった不満がある場合、あるいは作業効率を更に高めたいと考えている場合、「MX Master 4」はそれらの課題を解決できる可能性が非常に高いツールです。単なるマウスを超えて、日常の作業を支える「パーソナルワークパートナー」として、「MX Master 4」がユーザーの生産性を引き上げる役割を果たしてくれることでしょう。
