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スマートリモコンとは?選び方とSwitchBot・Nature Remoの違い

エアコンや照明をスマホや声で動かせるスマートリモコン。赤外線ならではの限界を押さえたうえで、センサーとMatter対応で選ぶ考え方と、主要製品の違いを整理しました。

Modern-G 編集部更新 約13分で読めます
手のひらサイズのリモコンから、赤外線の波紋が静かに広がっていく様子を、斜め上へ向けて線で描いた、抽象的なイラスト
イラスト:Modern-G

真夏の帰り道、「家に着く前にエアコンを入れておけたら」と思ったことはないでしょうか。そんな願いを、今ある家電のままかなえてくれるのが「スマートリモコン」です。

ただ、気になってはいても、自宅のエアコンや照明で本当に使えるのか、SwitchBotとNature Remoのどちらを選べばいいのかで迷う人は多いはずです。ここでは、仕組みと「できないこと」を先に押さえたうえで、買う前の確認ポイントと主要メーカーの違いを公式情報で比べます。読み終えたら、自分の家に何台、どのタイプが合うかを決められるはずです。

スマートリモコンとは:家電のリモコン信号を「代わりに送る」機器

スマートリモコンは、家電の赤外線リモコンが出している信号を覚え、Wi-Fi経由の指示を受けて同じ信号を代わりに送る機器です。家電そのものを買い替えなくても、赤外線リモコンで動くエアコンやテレビ、照明を、スマホのアプリや音声アシスタントから操作できるようになります。

できることは、大きく分けて3つです。

  • 外出先からの操作:帰宅前にエアコンを入れる、消し忘れたテレビや照明を消す
  • 声での操作:Alexa、Googleアシスタント、Siriなどと連携して話しかけて動かす
  • 自動化:時刻、室温、明るさ、在宅・外出などを条件に家電を動かす

スマートホームを何から始めるかで迷っているなら、赤外線リモコンの家電が多い家ほどスマートリモコンは有力な1台目になります。最初の1台の考え方や、ハブ・Matterの全体像はスマートホームの始め方で整理しています。ここからは、スマートリモコンそのものの仕組みと選び方に絞って見ていきます。

スマホや声の指示がWi-Fi経由でスマートリモコンに届き、スマートリモコンが赤外線で家電に信号を送るしくみの模式図。下段では、赤外線は壁を通り抜けず、別の部屋の家電には届かないことを示している。
Wi-Fiで受けて、赤外線で送る。赤外線は壁を通らない(模式図)Modern-G作図

できること・できないこと:赤外線ならではの3つの限界

便利な一方で、スマートリモコンには赤外線という通信方式に由来する限界があります。買ってから「思っていたのと違う」とならないよう、先に3つ押さえておきましょう。

1. 壁の向こうには届かない

赤外線は光の一種なので、壁や柱などの障害物を通り抜けられません。Natureは、対応している赤外線の距離に関わらず、1部屋に1台の設置をすすめています。リビングと寝室の両方のエアコンを動かしたいなら、基本的には2台必要です。

2. 家電の「今の状態」がわからない

赤外線リモコンの通信は、リモコンから家電への一方通行です。家電から「今ついています」という返事は返ってこないため、スマートリモコンは自分が送った信号を記録しているだけで、家電が本当に動いているかは確かめられません。家族が付属のリモコンで操作すれば、アプリの表示とずれてしまいます。

この弱点を補う機能も出てきています。Natureは2026年7月、エアコン付属のリモコンが送る信号をNature Remoが受け取り、アプリの表示に反映する機能を追加しました(Nature Remo 3、Lapis、mini 2、nanoが対象)。ただし、本体に信号が届かない場合や、リモコンの種類によっては同期されないと説明しています。SwitchBotもハブ2の商品ページで、エアコンのリモコン状態を取得し、外出先で確認できる機能をうたっています。

3. 赤外線以外のリモコンは登録できない

最近の家電には、Bluetoothなど赤外線以外の方式のリモコンを使うものもあります。Natureは、Bluetoothリモコンは登録できないと明記しています。照明やテレビを買い替えたばかりの人は、とくに注意してください。

限界とは別に、エアコンのリモコンにはもう一つ特徴があります。TP-Link(Tapo)のFAQによると、エアコンのリモコンはボタンを押すたびに、運転モードや温度、風量などの設定をまとめて送っています。そのため、エアコンはボタン1つずつではなく、「冷房26℃・風量自動」のような状態ごとに登録する仕組みになっています。

自宅の家電で使えるか:買う前に確かめる4つのこと

限界がわかったところで、次は自宅の環境で使えるかの確認です。編集部がおすすめする順番は次のとおりです。

  1. リモコンが赤外線か:取扱説明書で確認するのが確実です。TapoのFAQでは、スマホのカメラをリモコンの先端に向けてボタンを押し、画面に点滅する光が映れば赤外線リモコンだと案内しています。
  2. 置き場所から家電が見えるか:エアコン、テレビ、照明の受光部が、同じ部屋の見通せる位置にあるかを確認します。
  3. Wi-Fiの周波数帯:SwitchBot ハブ2やTapo H110のように、2.4GHz帯のWi-Fiにしか対応しない製品があります。ルーターの設定画面で2.4GHz帯が使えるか確かめておきましょう。
  4. 電源の取り方:USB給電の製品が多く、Tapo H110のようにACアダプターが別売りの製品もあります(5V 2A対応が必要)。

家電が対応しているかは、各社のアプリにあるプリセット(登録済みのリモコン信号)で確認できます。メーカーは、SwitchBotが約101,000以上のリモコンを収録した赤外線データベース、Tapoが18種類のデバイスタイプと8,000以上のブランドに対応、と説明しています。プリセットにない家電でも、リモコンのボタンを1つずつ覚えさせる「学習」機能で使える場合があります。

選び方:センサー、Matter、停電・障害時の操作で選ぶ

基本の「赤外線家電をスマホで動かす」機能は、どの製品でも大きくは変わりません。違いが出るのは、次の4つのポイントです。

センサー:自動化をどこまでしたいか

温度や湿度のセンサーがあると、「室温が28℃を超えたら冷房を入れる」といった自動化を本体だけで組めます。照度センサーがあれば「暗くなったら照明をつける」、人感センサーがあれば「誰もいなくなったらエアコンを切る」もできます。Nature Remo 3やSwitchBot ハブ3は、温度・湿度・照度・人感の4つに対応しています。

センサーがない製品も、時刻や位置情報(GPS)をきっかけにした自動化は使えます。Tapo H110は、室温や人の動きを使う自動化について、別売りのTapoの温湿度センサーや人感センサーが必要だと案内しています。

Matter:スマートスピーカーやホームアプリと連携したいか

Matterは、メーカーをまたいでスマートホーム機器をつなぐ共通規格です。スマートリモコンの多くは「ブリッジ」として、登録した赤外線家電をMatter対応機器として、AppleのホームアプリやGoogle Home、Alexaなどに見せられます。

注意したいのは、Matter経由で連携できる台数に上限があることです。SwitchBotは、Matterで追加できるサブデバイスの上限を、ハブミニ(Matter対応)が4、ハブ2が8、ハブ3が30としています。Natureは、Nature Remo nanoが3台、Nature Remo Lapisが20台まで、と公式の比較表で示しています。

また、Matter経由ではエアコンの細かな設定までは扱えない場合があります。SwitchBotの対応表では、Matter経由のエアコン操作はオン・オフ、冷房・暖房、温度調節が対象です。Matterの考え方そのものはスマートホームの始め方で詳しく説明しています。

停電・障害時:クラウドが止まってもエアコンを動かせるか

スマートリモコンは、ふだんメーカーのクラウドを経由して動きます。クラウドに障害が起きたときに備えて、家の中のネットワークだけで操作できる機能を持つ製品もあります。

SwitchBotはハブ3について、ネットワークが切断したときやサーバー障害時でもエアコン操作を可能にする「ローカルコントロール機能」をうたっています。Natureは、スマホとNature Remoが同じWi-Fiにつながっていれば、サーバー障害時にもエアコンを操作できると説明しています(対応機種は公式サイトの比較表で確認してください)。Tapo H110も、外部ネットワークが途切れても、同じLAN内の機器は制御できるとしています。真夏や真冬にエアコンを遠隔で使う人ほど、確かめておきたいポイントです。

電力の見える化:スマートメーターと連携したいか

家全体の電気の使い方を見たい人には、スマートリモコンとは別に、スマートメーターと連携する機器があります。Natureの「Nature Remo E」シリーズは、電力会社に申し込んで取得する「Bルート」のIDとパスワードを使い、スマートメーターから電力データを受け取る製品です。太陽光発電や蓄電池がある家向けのNature Remo E2 liteもあります。

Natureは、スマートメーターがWi-SUNで通信できるか、設置場所から離れすぎていないか(マンションでメーターがエントランス付近にまとまっている場合など)を購入前に確認するよう案内しています。家電ごとの消費電力を測りたい場合は、スマートプラグのほうが手軽です。

SwitchBotとNature Remoの違い:主要製品の比較

ここまでの物差しで、主要3社の現行モデルを並べてみます。価格は2026年10月22日時点の各社公式ストア・公式サイトの税込表示です。

製品公式価格(税込)内蔵センサーMatter連携の上限補足
SwitchBot ハブミニ(Matter対応)5,980円記載なし4手頃なMatter対応モデル
SwitchBot ハブ29,980円温度・湿度・照度8Wi-Fiは2.4GHz帯のみ
SwitchBot ハブ316,980円温度・湿度・照度・人感30ダイヤルと画面つき
Nature Remo nano4,980円なし3赤外線は10畳程度が目安
Nature Remo mini 26,480円温度非対応赤外線は30畳程度が目安
Nature Remo 39,980円温度・湿度・照度・人感非対応赤外線は30畳程度が目安
Nature Remo Lapis7,980円温度・湿度20赤外線は30畳程度が目安
Tapo H110公式ページに価格表示なし(発売時の予想価格3,980円)記載なし(別売センサーと連携)対応(上限の記載なし)ACアダプター別売、2.4GHz帯のみ

※Matter連携の上限は、SwitchBotはMatterで追加できるサブデバイスの上限数、NatureはMatter経由で接続できる赤外線家電の台数として各社が示している値です。Tapo H110の公式製品ページには価格の表示がなく、購入先としてAmazon.co.jpが案内されています。3,980円は2024年10月の発売時の予想価格(報道)で、現在の価格は販売ページで確認してください。

SwitchBot:自社製品の「家族」が広い

SwitchBotの強みは、カーテン、ロック、照明、ロボット掃除機など、自社製品のラインナップの広さです。スマートリモコンはその中心となる「ハブ」の役割も担い、Bluetoothで動くSwitchBot製品をインターネットにつなぎます。SwitchBot ハブ3は、ダイヤルを回して温度や明るさを変えたり、4つのボタンに「外出」「帰宅」などのシーンを登録したりできる点が特徴です。SwitchBotの製品で家をそろえていく予定なら、ハブ2かハブ3が軸になります。

Nature:エアコンとエネルギーに強い

Natureは、エアコンの操作とエネルギー管理に力を入れているメーカーです。前述のエアコン状態の同期のほか、電気の市場価格に合わせてエアコンの消費電力を抑える機能なども提供しています。Nature Remo Lapisは、石のような形のデザインで、Matterで20台まで連携できます。他社のスマートロックやカーテン開閉機とも連携できますが、Natureはスマートロックについて、セキュリティ上の理由から自動化や音声での操作には対応しないと注記しています。

Tapo:価格を抑えて、カメラやセンサーと組み合わせる

TP-LinkのTapoブランドのH110は、主要製品の中では手頃な価格帯です。室温や人の動きを使う自動化には別売りのセンサーが必要ですが、Tapoの見守りカメラや人感センサーと組み合わせた自動化に対応します。すでにTapoのカメラやスマートプラグを使っている人には、同じアプリで管理できる点が便利です。

編集部としては、迷ったら「1部屋だけで試すならセンサーのない手頃なモデル、自動化までしたいならセンサー付き、ホームアプリやスマートスピーカーでまとめて使うならMatterの上限台数」で選ぶのがわかりやすいと考えます。

どれを選んでも、性能を引き出せるかどうかは置き場所しだいです。

設置のコツ:届く場所に置き、温度センサーの位置に気をつける

スマートリモコンは、置き場所で使い勝手が大きく変わります。

  • 操作したい家電の受光部が見通せる位置に置く。エアコンとテレビが離れているなら、両方が見える部屋の中ほどが候補。
  • 付属リモコンとの同期を使うなら、エアコン室内機の近くに置く(Natureの案内)。
  • 温度センサーつきの製品は、直射日光やエアコンの風が直接当たる場所を避ける。測る温度がずれ、自動化が誤作動しやすくなる。
  • 学習機能でリモコンを登録するときは、リモコンを本体に向け、間に物がない状態で行う(TapoのFAQでは約1mの距離を案内)。

スマートロックや照明と組み合わせると、「帰宅したら鍵が開き、照明とエアコンがつく」といった自動化も組めます。賃貸で後付けのロックを検討しているなら賃貸でのスマートロック、照明そのものを替えたいならスマート電球の選び方もあわせて読んでみてください。

よくある質問

スマートリモコンは何台必要ですか?

赤外線は壁を通らないため、操作したい家電がある部屋ごとに1台が基本です。リビングだけ、寝室だけ、と1部屋から始めて、便利さを確かめてから増やすのがおすすめです。

古いエアコンでも使えますか?

赤外線リモコンで動く家電であれば、メーカーや年式に関係なく使える、とNatureは説明しています。プリセットにない場合も、学習機能で登録できることがあります。ただし、エアコンは状態ごとの登録になるなど、細かな操作には限界があります。

スマートスピーカーは必要ですか?

必須ではありません。アプリだけで外出先からの操作や自動化ができます。声で操作したくなったら、Alexa、Googleアシスタント、Siriなどとの連携を後から追加できます。

まとめ:あなたに合うスマートリモコンの選び方

スマートリモコンは、赤外線リモコンの信号を代わりに送る「翻訳係」です。壁の向こうには届かず、家電の状態も基本的にはわからない。この2つの限界を受け入れたうえで、センサー、Matterの連携台数、クラウド障害時のエアコン操作の3点で比べると、選択肢は自然に絞れます。

まず1部屋で手軽に試したい人は、Nature Remo nanoやSwitchBot ハブミニ(Matter対応)、Tapo H110。温度や人の動きで自動化したい人は、Nature Remo 3やSwitchBot ハブ3。SwitchBotのカーテンやロックも使っていくならハブ2かハブ3、エアコンの操作とエネルギー管理を重視するならNatureのモデルが候補になります。

家全体のスマート化を考え始めたら、スマートホームの始め方で全体像を、家電ごとの電源管理はスマートプラグの記事で確認してみてください。

Sources

  1. SwitchBot「SwitchBot ハブ3」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  2. SwitchBot「SwitchBot ハブ2」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  3. SwitchBot「SwitchBot ハブミニ(Matter対応)」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  4. SwitchBot「Matterとは?対応状況」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  5. Nature「スマートリモコン Nature Remo(ネイチャーリモ)」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  6. Nature「Nature Remo with Matter」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  7. Nature「エアコン付属のリモコン操作情報をNature Homeアプリに同期できるようになりました」(2026年7月13日) (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  8. Nature「Nature Remo E シリーズ」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  9. Tapo「Tapo H110 スマートリモコン&ハブ」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  10. Tapo「Tapoスマートリモコン&ハブに関するよくある質問」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  11. Tapo「ご利用の家電のリモコンが赤外線に対応しているかを確認する方法」 (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)
  12. INTERNET Watch「赤外線リモコン対応家電を一元管理できる、3980円のスマートリモコン『Tapo H110』発売」(2024年10月21日) (2026年10月22日確認)(新しいタブで開きます)

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