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Makuakeとは?「応援購入」の仕組みと手数料、届かないときのルール

Makuakeは通販ともKickstarterとも違う「応援購入」のサービスです。お金を払うタイミング、手数料、遅延や中止のときのルールを、公式の規約から読み解きます。

Modern-G 編集部更新 約13分で読めます
小さな芽を両手のような2本の弧がそっと支え、その上に届く日を示す小さな印が浮かぶ、応援して待つ関係を表す、抽象的なイラスト
イラスト:Modern-G

SNSで流れてきた新しいガジェットのリンクを開いたら、Makuakeのページだった。価格も写真も魅力的なのに、ボタンには「購入」ではなく「応援購入」と書いてある。Amazonで買うのと何が違うのか、届かなかったらどうなるのか、少し不安になりますよね。

先に結論を書くと、Makuakeの応援購入は「完成品の通販」ではなく、これから世に出る商品を先に買って応援する取引です。いっぽうで、2024年8月以降に始まったプロジェクトには、条件つきの返金保証があります。

以下では、お金を払うタイミングと手数料、遅延や中止のときのルールを、Makuakeの利用規約と返金保証規約(2026年10月時点)をもとに整理しました。読み終えたとき、そのプロジェクトに応援購入するか、一般販売を待つかを自分で決められるはずです。

Makuakeとは:新商品が世に出る前の「デビューの場」

Makuake(マクアケ)は、株式会社マクアケが運営する「応援購入サービス」です。会社概要によると、同社は2013年5月にサイバーエージェント・クラウドファンディングとして設立され、同年8月にMakuakeの提供を始めました。2019年12月に東証マザーズに上場し、現在は東証グロース市場の上場企業です。

同社のIRページ「数字で見るマクアケ」によると、会員数は約350万人(2026年6月30日時点)、累計のプロジェクト数は5.1万件以上とされています。ガジェットだけでなく、食品、ファッション、日用品、地域の工芸品など幅広い分野のプロジェクトが並びます。

同社はMakuakeを、まだ世に出ていない新商品や新サービスを作り手のストーリーと共に届ける場と説明しています。実行者(プロジェクトを出す事業者)にとっては、受注した分だけを生産するテストマーケティングの場でもあります。

この「まだ世に出ていない」という前提が、買い物のルールを通販とは違うものにしています。

「応援購入」は予約購入とどこが違う?

利用規約では、応援購入を「サポーターが、プロジェクトに共感等をし、応援等の意味合いも含めてプロジェクト実行者に対してリターンの対価の支払いをすること」と定義しています。リターンとは、プロジェクトが成立したときに受け取る製品やサービスのことです。

押さえておきたいのは、契約の相手がMakuakeではなく実行者だということです。規約によると、サポーターが応援購入を申し込んだ時点で、サポーターと実行者の間で契約(会員間契約)が成立します。Makuakeは場を提供し、代金を実行者に代わって受け取る立場で、リターンの提供者ではありません。

通販と違う3つの点

  • まだ完成していない、または量産前の商品であることが多い。お届けは「予定」で、遅れることがある
  • 申し込み後の自己都合のキャンセルはできない。規約は「任意のキャンセル又は任意の中止はできない」と定めている
  • サポーターと実行者のトラブルは当事者間で解決するのが原則で、Makuakeは仲裁しない

いっぽうで、実行者には一定の義務もあります。実行者向けのガイドラインでは、すべてのサポーターへのリターンの提供が終わるまで、Makuake以外でそのリターンを販売しないこと、割引を表示する場合は割引前の価格で将来も一定期間販売することを約束させています。また、プロジェクト成立後に、画面に表示された金額以外の費用(消費税や取引手数料など)を別途サポーターに求めることはできません。

では、実際に応援購入するとき、お金と商品はどのように動くのでしょうか。

応援購入から届くまでの流れと、支払い・手数料

届くまでの流れ

プロジェクトページで見るべきポイントと、手続きの流れを整理します。

  1. 会員登録をする
  2. プロジェクトページで、All in型かAll or Nothing型か、お届け予定月、リスク&チャレンジ、実行者の情報を確認する
  3. リターンを選び、支払い方法を選んで応援購入する
  4. プロジェクト期間が終わるのを待つ。実行者は「活動レポート」で進捗を報告する
  5. 実行者からリターンが届く

All in型とAll or Nothing型の違いは、返金の可能性に直結します。規約によると、All in型は目標金額の達成にかかわらず、最初の申し込みがあった時点でプロジェクトが成立します。All or Nothing型は、期間内に目標金額を達成した場合だけ成立し、届かなければ契約はさかのぼって無効になります。どちらの型かは各プロジェクトページに表示されています。

支払い方法とタイミング

規約では、支払い方法として、コンビニ払い、銀行振込、ネットバンク振込、クレジットカード払いなど、Makuakeが定める方法が挙げられています。具体的に使える支払い方法は、申し込み画面で確認してください。

お金を払うタイミングは、Kickstarterとの大きな違いです。規約上、代金の決済が完了するのは「応援購入の完了時点」で、クレジットカード払いでは申し込んだ時点が応援購入の完了にあたります。つまり、プロジェクトの終了を待たずに決済されます。コンビニ払いなどで指定の期日までに支払わなかった場合、契約は原則として成立しなかったものとして扱われます。

お金が動くタイミングの比較。Makuakeのクレジットカード払いは申し込んだ時点で決済され、Kickstarterは期間終了時に目標を達成した場合だけ決済される。
決済のタイミングの違い(模式図。各社の規約・ヘルプによる)Modern-G作図

手数料:サポーターの2.2%と、実行者の20%

「Makuake 手数料」で調べると、2種類の手数料が出てきます。

手数料払う人金額(規約・特定商取引法に基づく表記)
安心システム利用料サポーター応援購入1回ごとに応援購入金の2.2%(税抜)
成約手数料実行者プロジェクトが成立したとき、応援購入総額の20%(税抜)

安心システム利用料は、後で説明する返金保証と同じく、2024年8月1日以降に始まったプロジェクトに適用されます。クーポンなどで値引きされた場合も、値引き前のリターン価格が基準になります。プロジェクトページにも「決済時に安心システム利用料として2.2%(税抜)がかかります」と表示されます。

送料はリターンごとに条件が書かれています。たとえば、LookTech AI GlassesのMakuakeプロジェクトでは、各リターンに「送料無料(国内配送のみ)」と書かれていました。

ここまでは、予定どおりに届く場合の話です。気になるのは、そうならなかったときでしょう。

届かない・遅れる・中止になったら

遅延の報告と、実行者の返金義務

実行者向けのガイドラインは、発送の遅延などの問題が起きたら、Makuakeに速やかに報告し、サポーターにも報告することを実行者に求めています。進捗は、プロジェクトページの「活動レポート」で確認できます。

さらにガイドラインは、プロジェクトごとに定めた期間内にリターンを届けられず、プロジェクトページに定める「リスク&チャレンジ期間」内にも届けられなかった場合、実行者が支払い済みの応援購入金を返金すると定めています。実行者の破産手続の開始などが起きた場合も同じです。

この「リスク&チャレンジ期間」は、規約や返金保証規約のなかで長さが決まっているわけではありません。基準になるのは、各プロジェクトページの記載です。リスク&チャレンジの欄には、遅延時の扱いが具体的に書かれていることがあります。たとえばLookTech AI GlassesとZettlab AI NASのプロジェクトでは、配送遅延を理由とするキャンセルは原則受け付けないとしたうえで、「リターン配送予定月から3ヶ月を超えた場合」は希望者に限りキャンセルを受け付けると書かれていました。

条件はプロジェクトごとに違うため、応援購入の前に必ず読んでおきましょう。

なお、規約が安心システム利用料の返金を定めているのは、不成立、期間中の中止、会員間での取り消し・解除の場合です。遅延を理由に実行者から応援購入金が返金されたときに利用料も戻るかどうかは、規約には書かれていません。

Makuake返金保証:条件と上限

2024年8月1日以降に掲載・募集が始まったプロジェクトには、「Makuake返金保証」が付いています。返金保証規約によると、保証の対象は、リターンの遅延が起きたときに実行者がサポーターに負う返金の債務です。保証を受けるには、次の条件をすべて満たす必要があります。

  • 「リスク&チャレンジ期間+6か月」を過ぎてもリターンが届かず、実行者から返金もない(または実行者に破産手続の開始などの信用悪化が起きた)
  • その後、サポーターが実行者に返金を求めたうえで、Makuakeが定める書類を提出する
  • 上の条件を満たしてから6か月以内に申請する
Makuake返金保証を申請できるまでの流れ。お届け予定を過ぎ、リスク&チャレンジ期間を過ぎ、さらに6か月たっても届かず返金もない場合に、条件を満たしてから6か月以内に申請する。上限は1プロジェクト30万円。
Makuake返金保証の流れ(2024年8月1日以降に始まったプロジェクトが対象。返金保証規約をもとに作図)Modern-G作図

保証額には上限があります。サポーター1人あたり、1プロジェクトにつき30万円、1年間の合計で50万円、請求は年5回(プロジェクト単位)までです。応援購入金がこれより少なければ、その金額が上限になります。全サポーターへの保証総額にも、1年間(8月1日〜翌年7月末)で3億5,000万円という上限があります。

All or Nothing型が不成立になったとき

All or Nothing型で目標に届かなかった場合や、プロジェクトが期間中に中止された場合は、契約がさかのぼって無効になります。規約によると、すでに支払った応援購入金は実行者が返金手続をし、Makuakeはそれをサポートします(ただし適切に行われることまでは保証しないとしています)。すでに支払った安心システム利用料は、Makuakeが返金手続をします。

Kickstarterとの違い:日本の購入者から見た比較

ここまで見てきたルールは、海外のクラウドファンディングと比べると特徴がはっきりします。日本から使う人の視点でまとめました。Kickstarterの詳しい手順はKickstarterの使い方で説明しています。

項目MakuakeKickstarter
取引の性格応援購入(サポーターと実行者の契約)支援。公式ヘルプは「ストアではない」と明記
成立の方式All in型とAll or Nothing型(ページで確認)All-or-Nothing
決済のタイミング応援購入の完了時(カードは申し込み時)期限到達時(成功した場合)
後から増える費用安心システム利用料2.2%(税抜)。表示額以外の費用を実行者が別途求めることはできないキャンペーン後の送料請求も規約違反ではない。関税・税は支援者の負担
届かないとき実行者の返金義務と、条件つきのMakuake返金保証Kickstarterは返金しない。返金はクリエイターの判断

編集部の見方では、日本の購入者にとってMakuakeの安心材料は、日本語と円の表示、決済後に費用が増えにくいこと、返金保証の3つです。反対に、海外のプロジェクトのほうが早く、安く支援できる場合もあります。主要サービスの比較はクラウドファンディングサイトの比較を参考にしてください。

海外製品の「日本上陸」プロジェクトで確かめたいこと

Makuakeでは、海外ブランドの製品が日本向けに先行販売されるプロジェクトをよく見かけます。Kickstarterで話題になった製品が、数か月後にMakuakeで「日本初上陸」として登場することもあります。

こうしたプロジェクトでは、実行者が誰かを最初に確かめたいところです。海外メーカー自身が実行者の場合もあれば、日本の代理店や輸入元が実行者の場合もあります。たとえばLookTech AI Glassesのプロジェクトは、実行者が「Looktech AI」で、リスク&チャレンジには製品はすべて海外から発送すると書かれていました。保証や修理の窓口が日本にあるかは、こうした記載から読み取れます。

応援購入する前のチェックリスト

  • All in型かAll or Nothing型か。お届け予定月はいつか
  • リスク&チャレンジに、遅延時のキャンセル条件や「リスク&チャレンジ期間」が書かれているか
  • 実行者は誰か(海外メーカーか、国内の代理店か)。特定商取引法に基づく表記の連絡先
  • 発送元は国内か海外か。日本語のサポートと保証の期間
  • Bluetooth・Wi-Fiを使う製品なら技適の表示があるか(技適マークの解説)
  • 充電器やバッテリーが付くなら、PSEマークの説明があるか(PSEマークの解説)
  • 活動レポートの更新頻度と、応援コメントへの実行者の返信の様子

プロジェクトの見極め方や、過去に起きたトラブルのパターンはクラウドファンディングのリスクと見極め方で詳しくまとめています。

よくある質問

Makuakeの評判が気になります。安全なサービスですか?

Makuakeは上場企業が運営し、応援購入金を自己資金と分けた専用口座で管理すると規約に定めています。2024年8月以降のプロジェクトには返金保証もあります。ただし、届くかどうかや品質は実行者しだいです。「Makuake 評判」で見かける不満の多くは遅延や期待との違いに関するものなので、プロジェクトごとの実行者の情報と活動レポートを確認するのが現実的です。

Makuakeで買った商品が届かないときは、どうすればいいですか?

まず活動レポートで状況を確認し、実行者にメッセージで問い合わせます。リスク&チャレンジ期間を過ぎても届かない場合は、実行者に返金を求めることができます。さらに「リスク&チャレンジ期間+6か月」を過ぎても届かず返金もなければ、返金保証の申請を検討します(2024年8月1日以降に始まったプロジェクトが対象)。

応援購入をキャンセル・返金してもらえますか?

規約上、サポーターの一方的な都合でキャンセルすることはできません。規約は会員同士で契約が取り消し・解除された場合にも触れているため、事情があるときは実行者に相談する余地はあります。返金されるのは、All or Nothing型が不成立になった場合、プロジェクトが中止された場合、遅延などで実行者の返金義務が生じた場合などに限られます。

Makuakeで先に買うのと、一般販売を待つのはどちらがいいですか?

早く手に入れたい、開発の過程も楽しみたい人には応援購入が向いています。決まった日までに確実に必要なものや、実物のレビューを見てから決めたいものは、一般販売を待つほうが安心です。

まとめ:応援購入は「先に買う」より「先に関わる」

Makuakeは、通販の安心と、クラウドファンディングの面白さのあいだにあるサービスです。契約の相手は実行者で、カードなら申し込んだ時点で決済され、自分の都合では取り消せません。そのかわり、表示額以外の費用を後から求められにくく、2024年8月以降のプロジェクトには上限つきの返金保証という備えがあります。チャージバックを申請すると保証の対象外になる点は覚えておきましょう。

開発の過程も含めて楽しみたい人、日本語と円で条件を確かめてから応援したい人には、Makuakeは相性のよい場所です。決まった日までに確実に必要なものや、実物のレビューを見てから決めたいものなら、一般販売を待つほうが後悔は少ないはずです。海外の新製品をいち早く手に入れたい人は、Kickstarterも選択肢になります。

Related Readingクラウドファンディングのリスクと見極め方遅延や仕様変更のパターンと、支援前のチェックリスト

Sources

  1. Makuake「利用規約」(2024年8月30日改訂) (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  2. Makuake「Makuake返金保証規約」(2024年8月1日制定、2024年8月30日改訂) (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  3. Makuake「プロジェクト実行者ガイドライン」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  4. Makuake「特定商取引法に基づく表記」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  5. Makuake「ハンズフリーのAI世界へ。新時代を切り拓くLooktech AIスマートグラス」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  6. Makuake「大容量&超高速。AIでデータ管理が一気に効率化|Zettlab AI NAS」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  7. 株式会社マクアケ「会社概要」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  8. 株式会社マクアケ「沿革」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  9. 株式会社マクアケ「Makuake」(サービス紹介) (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  10. 株式会社マクアケ「数字で見るマクアケ」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  11. Kickstarter Help Center「Does Kickstarter issue refunds?」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  12. Kickstarter Help Center「When is my card charged?」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  13. Kickstarter Help Center「What do I do if there are additional shipping costs?」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  14. Kickstarter Help Center「Why am I being asked to pay customs fees for my reward?」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)
  15. 消費者庁「消費者ホットライン」 (2026-10-22確認)(新しいタブで開きます)

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