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Featureシリーズ: Life Upgrade

XREALのARグラスは仕事で使える?MacBook接続・文字の見やすさ・疲れやすさ

画面は大きく見えても、編集部の試算では画素の細かさは24インチのフルHDモニター並み。MacBookとつなぐ前に確かめたい、接続・文字・疲れ・眼鏡の分かれ目です。

Modern-G 編集部約7分で読めます
下の二つの小さな円から点線の視線が伸び、その先に横長にゆるく湾曲した画面が浮かぶ抽象的なイラスト。画面中央の文字の行は実線で、左右の端に向かうほど途切れた破線になっている
イラスト:Modern-G

カフェの小さなテーブルで、MacBook Airの13インチ画面に資料とチャットとエディタを押し込んでいる。そんなときに目に入るのが、顔にかけるだけで大画面が浮かぶというXREALのグラスです。気になるのは、映画の2時間より、仕事の8時間に耐えるかどうか。Redditでは「画面の端の文字はどのくらいぼやけるのか」、価格.comのクチコミでは「眼鏡の人は度付きレンズを別に用意するのか」という声がよく見られます。

先に答えを書くと、MacBookの隣にもう1枚、フルHDのモニターを持ち歩く道具としてなら仕事に使えます。ただし、その1枚の細かさは「何百インチ」という宣伝の印象よりずっと控えめです。ARグラスの仕組みや機種の選び方はARグラスとは?の記事に譲り、ここでは仕事の1日に話を絞ります。例に挙げるのは、XREALの日本サイトで2026年10月末に販売されているOne Proと1Sです。

MacBookにつなぐ条件と、外部ディスプレイの台数

XREALはOneシリーズの接続条件として、つなぐ機器のUSB-CがDisplayPortの映像出力に対応し、5V/1Aの電力を供給できることを挙げています。グラス本体には電池がなく、電源も映像もケーブル1本で接続先からもらう仕組みです。XREALの機能対応表では、MacBookも画面の空間固定やウルトラワイド表示に対応とされています(機種やOSのバージョンで変わる場合がある、との注記付き)。

先に確かめたいのは、そのMacが外部ディスプレイを何台まで出せるかです。Appleの技術仕様とサポート記事によると、MacBook Airの台数は次のとおりです。

  • M1とM2:外部ディスプレイは1台まで
  • M3:通常は1台。蓋を閉じた状態なら2台
  • M4とM5:蓋を開けたまま2台まで

現行のMacBook Neoも、外部ディスプレイは4K/60Hzの1台までです。1台までのMacでは、グラスをつないだ時点でその枠を使い切り、自宅のモニターとの同時使用はできません。MacBook Proは機種ごとに違うので、技術仕様で確かめてください。

macOSの「システム設定」の「ディスプレイ」では、グラスにMacと同じ画面を映す「ミラーリング」か、デスクトップを広げる「拡張」かを選べます。仕事なら拡張が基本です。XREALも、ウルトラワイド表示ではグラスを拡張ディスプレイにするよう案内しています。ミラーリングでは本体の画面と同じ縦横比のままになるためです。

「画面を何枚も浮かべる」のは誰の仕事か

宣伝映像では、空中に3枚、4枚とウィンドウが並びます。けれどMacから見ると、グラスはあくまで外部ディスプレイ1台です。One Proや1Sがグラス側で受け持つのは、その1枚を空間に固定したり、16:18、21:9、32:9の縦長・横長に切り替えたりするところまで。XREALの注意書きによれば、本当の32:9の信号を出力できない機器もあり、その場合はウルトラワイドにしても横長に表示されないことがあります。XREALのOneシリーズの接続とウルトラワイドの説明ページには、Macに専用アプリを入れる手順は出てきません。

独立した画面を何枚も並べたいなら、それはMac側で仮想ディスプレイをつくるソフトの役目です。使う場合は、自分のmacOSで何枚出せるかをソフトの対応情報で確かめてください。現実的なのは、横長の1枚の中にウィンドウを並べる使い方でしょう。

文字の細かさは、画面の大きさでは決まらない

文字の見え方を左右するのは、画面の大きさではなく「視野1度あたりに何画素あるか」です。XREALの公式仕様の視野角と画素数から、編集部で概算した値が次の表です。XREALは視野角が対角の値かどうかを明記していないため、ここでは対角とみなし、平らな画面として横方向の角度に換算しました(One Proは16:9、1Sは片眼1920×1200の16:10とみなしています)。

見ているもの画素数(横)視野1度あたりの画素(編集部の概算)
XREAL One Pro(視野角57°)1920約38
XREAL 1S(視野角52°)1920約43
24インチ・フルHDモニターを60cmで1920約40
13.6インチMacBook Airを50cmで2560約79

この試算では、グラスの画素の細かさは24インチ・フルHDモニターとほぼ同じで、MacBookの画面のおよそ半分です。何百インチ相当に見えても、横の画素は1920のまま。仮想画面を大きくしても文字は細かくならず、首を振って見る範囲が広がるだけです。視野角の広いOne Proは、同じ1920画素を広い角度に配るぶん、1度あたりの画素は1Sより少なくなります。

端がぼやけるときについて、XREALのFAQがまず挙げるのはかけ方の見直しです。鼻パッドのサイズとテンプルの調整、近視なら度付きレンズ、そしてレンズの清掃です。One Proは瞳孔間距離(IPD)に合わせて57〜66mmと66〜75mmの2サイズがあり、XREALは合ったサイズを選ぶことで、ぼやけや映像の端が切れる問題を抑えられると説明しています。

実務的には、Macの文字を一段大きくし、よく読むウィンドウを画面の中央に置くのが効きます。細かい表やコードを端に寄せたまま長時間読む使い方は、グラスの得意分野ではありません。

疲れやすさは、作業時間の目安から考える

ARグラスだけを対象にした公的な目安は見当たりません。そこで基準にしたいのが、厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」です。パソコンやタブレットでの作業について、1時間以内を1サイクルとし、サイクルの間に10〜15分の作業休止、サイクルの途中にも1〜2回の小休止を入れる目安を示しています。自宅でのテレワークでも、作業者がこの指針を参考にするよう書かれています。ARグラスを想定した文書ではありませんが、画面を見続ける作業として当てはめられます。

XREALの製品では、ゲーミング向けのROG XREAL R1のFAQに、R1を快適に使うため45〜60分ごとに約10分の休憩を勧めるという記載があります。One Proや1Sの公式ページには同様の目安や年齢の目安が見当たらないので、同梱の安全ガイドを読んでください。Oneシリーズ向けのFAQは、めまいや気分の悪さを感じたら、明るさを下げて使う時間を短くし、画面を小さく、遠くに置くよう案内しています。

日本眼科医会の記者懇談会(2022年6月)の報道用資料は、画面作業に関係する眼精疲労の原因として、ドライアイや不適切な屈折矯正などを挙げ、小さい文字を長時間集中して見る作業では「まばたき、大丈夫?」と注意を促しています。

8時間かけっぱなしにせず、集中したい1〜2コマだけかける使い方が、指針とも製品の性格とも合っています。

眼鏡の人は、度付きインサートが前提

XREALは、近視の人には度付きレンズや対応するインサートを使うよう勧めています。普段の眼鏡は外し、グラスの内側に度付きレンズを付ける考え方です。日本では眼鏡店のJUN GINZAが、XREAL One Pro用の度付きインサートレンズを受注生産で扱っています。

同店の案内では、片眼の球面(S)と乱視(C)の度数の合計が-10.00を超える場合や、乱視が単独で-3.25以上の場合は特殊加工料金がかかります。遠近両用は加入度(ADD)のデータが必要で、度数に合わせて作るため、度数違いや変更による作り直し・返品は受けていません。

XREALによれば、1SはOneと同じレンズ設計なのでOne用の度付きレンズがそのまま使えますが、旧Airシリーズのレンズは使えません。

つなぐ前に確かめる順番

  1. 自分のMacの技術仕様で、外部ディスプレイの台数を確認する
  2. グラスを「拡張」にして、文字サイズを一段上げる
  3. ウルトラワイドが横長にならないときは、Mac側が出力できる比率かを疑う
  4. 端がぼやけるなら、鼻パッドとテンプルの調整、度付きレンズを先に試す
  5. 厚労省のガイドラインの目安に沿って、1時間以内で外し、10〜15分休む
XREALのARグラスをMacにつなぐ前に確かめる5項目。1 自分のMacの技術仕様で外部ディスプレイの台数を確認する。2 グラスを拡張にして、文字サイズを一段上げる。3 ウルトラワイドが横長にならないときは、Mac側が出力できる比率かを疑う。4 端がぼやけるなら、鼻パッドとテンプルの調整、度付きレンズを先に試す。5 厚労省のガイドラインの目安に沿って、1時間以内で外し、10〜15分休む。
仕事で使う前の確認Modern-G作図

外部ディスプレイが1台までのMacで、自宅でもモニターを使う人や、細かい表を一日中読む人には、ポータブルモニターのほうが無理がないかもしれません。出先の数時間、膝の上でもう1枚の画面がほしい人にとっては、XREALのグラスは十分に現実的な選択肢です。

Sources

  1. XREAL:One Series Specifications(新しいタブで開きます)
  2. XREAL:Connect Devices(One Series)(新しいタブで開きます)
  3. XREAL:UltraWide Mode(One Series)(新しいタブで開きます)
  4. XREAL:One Series FAQ(新しいタブで開きます)
  5. XREAL:XREAL One Pro(日本)(新しいタブで開きます)
  6. XREAL:XREAL 1S(日本)(新しいタブで開きます)
  7. XREAL:ROG XREAL R1(日本、FAQ)(新しいタブで開きます)
  8. Apple:MacBook Air (M1, 2020) 技術仕様(新しいタブで開きます)
  9. Apple:MacBook Air (M2, 2022) 技術仕様(新しいタブで開きます)
  10. Apple:M3チップ搭載のMacBook AirおよびMacBook Proでデュアルモニターを使用する(新しいタブで開きます)
  11. Apple:MacBook Airに接続できるディスプレイの台数(新しいタブで開きます)
  12. Apple:MacBook Air 技術仕様(M5)(新しいタブで開きます)
  13. Apple:MacBook Neo 技術仕様(新しいタブで開きます)
  14. Apple:Macで1台以上の外部ディスプレイを接続する(新しいタブで開きます)
  15. 厚生労働省:情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン(パンフレット)(新しいタブで開きます)
  16. 日本眼科医会:第21回日本眼科記者懇談会 講演3 報道用資料(2022年6月2日)(新しいタブで開きます)
  17. JUN GINZA:XREAL One Pro 度付きインサートレンズ(新しいタブで開きます)
  18. 読者の声の例:Reddit r/Xreal「XREAL One experience for programming」(新しいタブで開きます)
  19. 読者の声の例:価格.com XREAL One Pro(Lサイズ)レビュー(新しいタブで開きます)

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